飛び出せ!科学くん 時速820キロテニスボール裁断裏話 | 平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba

飛び出せ!科学くん 時速820キロテニスボール裁断裏話

相も変わらず好き勝手なことを言う心無い人がいることには、甚だ遺憾であります。


ボールが飛んでくる位置に刀を出しただけだ


とか


自分に向かって飛んでくるわけでもない物を斬っても武道じゃない


だとか…


更には著名古流派の門人を名乗る人物から不躾なつぶやきをされたりと…

あなたの言動を師はご存知なのか??

あなたの師とはご面識ありませんが、素晴らしい技術をお教えになっても、そのような不躾なことをお教えにはならないはずです。

流派名をプロフィールに出して、師や同門、流派に迷惑をかけることになるとは気付かないものなのでしょうか?

自分が長年修練してきた居合を大道芸呼ばわりされれば、僕でなくとも誰でも良い気はしないはずです。むしろ「なにくそっ」と腹も立ちます。

相手にしなければ良いだけの話なのでしょうが、僕は自身の修行が足りないので、思いのままに相手に反論することがあります。





あのですね…


バラエティー番組の中の企画なんです。どうして殺し合いを想定した話で結論づけようとするのでしょう?



高速で飛んでくる矢を刀で払うこと自体、できるものではありませんし、仮に払えたところで鏃がついた先は己に刺さります。

実際に戦になれば、矢が飛んで来たら斬ろうとは思わず避けますし、剛速球だって自ら斬ろうとは思いませんよ。


お願いですからバラエティー番組を素直に楽しんでください。



三回目ならボールの軌道もわかるだろう



という意見もあるようですが、何故二回目も失敗したのかと言えば、飛来してくるボールが安定しておらず、上下約15センチの軌道のズレがあったからなんです。

先重ね僅か5ミリ程の日本刀で狙うのに、15センチのズレは非常に大きな壁になります。


ご覧いただいたようにタイミングはバッチリでしたが、毎回軌道が異なるので斬るのが難しかったんです。


時速820キロと言えば手元まで飛んでくる様子を目視することは到底できません。見えるのは発射される瞬間だけ。


一瞬見えるボールを見て、飛んでくるであろう軌道を読まなければいけません。


これがどれほど難しいことなのかは、実際にやってみないとわからないでしょう。




ちなみに、日本工業大学の服部先生は、カメラに対しては「絶対に負けません。」と巨大真空砲の開発者らしい発言をされていましたが…


カメラがまわっていないところでは、


「町井さん、絶対に斬って下さい。私は科学ではなく、人類の勝利する姿を見たい! 科学より人間が優れていることを証明してください!」


と、僕にエールを送ってくださいました。



TBSさんはとてもシビアで、あの最後の挑戦で斬れなかった場合は、次の機会は無く、挑戦失敗という内容で放送されるつもりであり、事実、台本(収録進行スケジュール)には成功した場合と失敗した場合のエンディングが用意されていました。


共演者のタレントさん達も、皆さん全力で僕を応援してくださり、スタジオに居合わせた方々全員が、一団となって僕の居合斬り成功を祈り、応援してくださったのです。本当に嬉しく、どれほど心強かったことか。



収録終了後、服部先生がマジックを手に、

「巨大真空砲に一言書いてください。」

と、満面の笑みでお願いされ、僕はあの巨大真空砲に

「修心流町井勲斬之」

とサインさせていただきました。



なお、裁断したテニスボールは、フランク・フォーリーさんが

「町井さん、このテニスボールをギネスに下さい。ギネス日本支社のオフィスが近々リニューアルオープンしますので、町井さんの写真と共に、このボールを飾りたいのです。」

と、願ってもいない嬉しいお言葉をかけてくださり、持ち帰られました。


なお、使用した日本刀ですが、刀に塗布してあった錆止めの刀油が、820キロの剛速球によって一瞬にして焦げたようで、ボールを斬った跡が黒く、ハッキリと残っており、拭ってもその跡はとれずに、今も鮮明に残っています。


820キロのテニスボール斬りチャレンジは、僕にとって本当に良い思い出となり、ギネスに名を残す素晴らしい機会となりました。



関係者の方々、応援してくださった方々に、心からありがとうとお礼を述べさせていただきます。