昨日の稽古

昨日は選挙の都合で、いつもの稽古場所が確保できず、久しぶりに斬稽古のみを行いました。
僕がテレビに出演しては、様々な据物斬りや居合斬りを披露している影響から、修心流は試斬に重点を置いて稽古している、いわば居合というよりも、試斬抜刀術のイメージが強いようですが、普段はほとんど斬りません。
日頃は稽古前に各自半畳巻藁を4本程使って、刃筋を通し、理想的な振りができているかをチェックするのみ。
斬ること、斬れることに固執しすぎては、先にあるものが見えなくなり、僕が理想とする居合から離れてしまいます。
斬るのではなく、否が応でも「斬れてしまう」
それが僕が興した「修心流居合術兵法」なのです。
さて、昨日の稽古中、奈良の藤原刀匠が訪ねて来られました。
実は藤安将平刀匠が、正倉院御物の「手鉾」の写しを鍛えられ、それに関する武術的見解を求めにみえられたのです。

藤原刀匠

正倉院御物の手鉾
写真下にある大陸色が強い異形の鉾なのですが、形状や寸法から、学者達は近衛兵の儀仗用だとする見解が強く、武器ではないというのが通説です。
はたして本当に儀仗用なのか? 武器としては成立しないものなのか?
それを居合家として検証してもらいたいという内容です。
非常にユニークな試みですので、民放さんやNHKあたりがドキュメンタリーとして番組構成してくれないかな…