重要審査
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今年も年に一度の重要刀剣審査の時期がやってきました。
刀剣を趣味にしている方なら、いずれは一振所有してみたいと浴する重要刀剣。
今年もお客様からのお預り品を含め、数点受審します。
重要審査にめでたく合格すると、価格は倍以上、ゼロが一つ増える… なんて言われたりもしますが、それも景気が良かった頃の話で、今では重要刀剣指定の無銘の名刀が、200万円を切る価格で買えたりする時代です。
あぁ、恐ろしい…
古の武士達が、命や想いを託した歴史の生き証人、我が国の文化財がですよ、お金さえ出せば不心得者にも買えてしまう…
最近もね、とても可哀想な刀を見ました。
お客様のことを悪く言いたくはないのですが、刀のことを何もわかっておられないのに、見た目の形が気に入れば無理をしてでも買ってしまう方がおられます。
それとなく何度も
「まだお手にするのは早すぎます。もっと刀のことを学んでから持つようにしたほうが良いですよ。」
と、アドバイス差し上げましたが、あちこちのお店で偽物を摑まされたり、割高で買わされたりされています。
偽物を摑むのは不勉強なためですから、本人の財布が傷むだけだと放っておけば良いのですが、問題はまともな名刀を手に入れた時…
案の定、刀の取り扱い作法もメチャクチャなので、折角の名刀を錆びさせたり、切先を欠いたり…
もぅこうなったら、小沢さんでも菅さんでもどっちでもいいから、刀剣を所有するに当っては、取り扱い作法など、一定の試験を合格した者だけに与える完全な個人免許制に。扱う店も刀剣を取り扱えるそれ専門の免許制にしてくださいよ。
気軽に買えなくなるぶん、僕みたいな刀に携わる仕事をしている人には、更に苦しい生活が待つかもしれないけれど、文化財を保護していくためには非常に有効だと思うのですよ。