日本刀豆知識(仕込拵) | 平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba

日本刀豆知識(仕込拵)

仕込杖というのをご存知でしょうか?

「座頭市」なんかでよく知られる、一見杖に見えて、実は刀という、仕込み武器です。


携帯性の利便などからでしょうか、現存する仕込杖を見ると、刃渡り二尺(60.6センチ)を超える長い物はあまり見かけません。
刀身もどちらかと言えばスリムなもので、とても敵の刀を受けることはできないだろうと想像させる華奢なものが入っています。

刀身にも色々種類があり、長い槍を仕込んだ物や、古い細身の脇指を仕込んだ物、明らかに仕込み用として鍛えた細身の直刀や、刃がついていない長い錐状のものなど、多種多様です。杖に限らず、扇子に見せかけた仕込み短刀なども見かけることがあります。


さて、前置きが長くなりましたが、本題に入ります。


既に登録証が交付され、法的に個人所有が認められているものは良いのですが、古い家屋を解体したり、大掃除をしたり、故人の遺品整理などをしていると、稀にこうした仕込み杖や、外見では刀とわからない仕込み拵が出てくることがあります。

登録証が見当たらない。または登録されていないとおぼしき刀剣類は、所轄警察署に届け出て、個人所有手続きのために、まずは発見届というものを発行してもらわなければなりません。

ここで絶対に注意しておきたいことが


仕込みの拵に入ったまま届けでないこと!!


なのです。


実は刀剣類というものは、法的に個人所有が認められているものの、中には規制対象品もありまして、外見で刀とわからない仕込み拵、つまり、隠し武器に関しては、いくら刀身が美術的価値の高い名刀であっても、登録不許可とされ、没収、切断・溶鉱炉行きとなってしまうのです。

折角長い年月を生きてきた刀剣が、その命を絶たれてしまうことになります…(涙

ですから、仕込みの拵に入った刀が家から出てきたり、登録証を紛失してしまった場合には、拵から刀身を外し、刀身だけを持って再登録手続き、または発見届け手続きを行ってください。
その際には、刀身が傷つかないよう、刀剣油を多めに塗り、新聞紙で何重にも養生して、外には刀身より長い木材などをガムテープで縛りつけると良いです。
こうすることによって、不注意で落下させてしまったときも、切先を折ってしまう心配から守られます(^-^)

発見届けや登録証の遺失物届けが済みましたら、指定日に登録審査を受けることになりますが、この時も刀身だけを持って行って下さい。

決して仕込み拵に入れたまま、届出・登録審査を受けないように!!


歴史の遺産を
守ることができるのは
あなたなのですから!!




ご不明な点がありましたら、「美術刀剣 刀心」までお問い合わせください。
参考までに古い本歌の仕込拵をご覧ください。
※画像サイズが大きいので、PCから閲覧されることをお勧めします。



銘…景光
刃長:1尺2寸9分5厘
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鞘の鯉口には駐爪(発條)がついていて、鞘走り(不注意で抜けてしまうこと)を防止する仕組みになっています。
拵はあたかも木の太い枝のように、彫刻が施され、さもそのように手の込んだ漆塗り仕上げになっています。
匠の技ですね(^-^)


無銘
刃長:56.0センチ
一風変わった平造の小烏丸造り刀身で、登録証上での種別は何故か「槍」になっています。
刀身だけ持参して登録したため、槍と混同されたのですね。
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こちらの拵は先に紹介したものより若く、幕末~大正にかけてのものと推測されます。
これにも駐爪がついていて、日常生活において勝手に鞘が抜けたりしないように工夫されています。
全体のシルエットは、文明開化の時代に合わせたモダンな作り。先の仕込杖よりも、洋風で、杖というよりは素敵なステッキ(笑)といった感じ。
タキシード姿に合いそうですよね。
例えばそう…
こんな人が持つととっても似合いますね!:*:・( ̄∀ ̄)・:*:







僕が選ぶ仕込杖が一番似合う男
ベム!
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♪闇ぃ~に隠れて 立小便…

違うかぁ~(笑



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ちょっとベムってみました(恥