居合考 ~居合の効果 礼儀作法と姿勢~ | 平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba

居合考 ~居合の効果 礼儀作法と姿勢~

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居合を学ぶことで確実に身に付くこととしては、なんと言っても姿勢がよくなることではないでしょうか。
あと、礼儀作法もある程度身に付きますね。


うちの道場では稽古場への入退時には、必ず正座で一礼するように指導しています。
神前礼・師匠礼・刀礼の三種に関しては、深く頭を下げ、眼も伏せます。
神前礼・刀礼では、全員が揃って礼をし、全員が一同に頭をあげることを徹底させています。シンクロスイミングのように全員がピシッと動きを合わせていないと、それができるまで何度でもやり直しさせます。

師匠礼に対しては、師匠(うちの道場では僕になりますが)より先に頭を下げ、師匠より後に頭を上げます。
これも神前礼・刀礼同様に、全員の動きがピシッと揃わない限り、稽古は開始されません。

相互礼の場合は眼は伏せず、周囲の気配を探りながら行います。

いずれも背筋をピンと伸ばし、左手から動き始めます。
正座して頭を下げる。ただこれだけの単純な作法でも、各種心構えや姿勢の改善が期待できます。

また、道場では嫌でも兄弟子や弟々子にあたる第三者と顔を会わせることになるので、必然的に人間関係も学ぶことになります。

「あいつが嫌い」「こいつが嫌い」

そんなことを言っていては稽古ができません。内心ではどう思おうが、それを一切顔に出さず、上手に付き合っていくことも修行の一つです。道場で学んだ対人関係は、社会で多いに役立つはずです。



~一声運動~

うちの子供自身が完璧にこなせていないので、偉そうには言えませんが、知っている人を見かければ、自分から声をかけて挨拶する。相手が挨拶し返さないから自分もしないではなく、とりあえずは自分から頭を下げる。
相手が挨拶をし返してくれることがなくても、それでも挨拶をし続ければ良いのです。いくら挨拶をしても懐のお金が減るわけではありませんし、何かしら損をするようなこともありません。

例え一方通行の挨拶だったとしても、周囲は自然と自ら頭を下げる姿を高く評価するはずです。頭を下げることで自分の株が上がるのですから、得する挨拶はどんどん進んですればいいのです。

核家族化し、隣近所ともお付き合いがほとんどないといった現代において、一声かけるというこの行動は、非常に大切だと思うので、うちの道場では率先して挨拶するよう指導しています。



~武術における姿勢~

上述の礼法以外の形稽古や斬稽古においても、姿勢の改善が非常に期待できます。
なぜなら姿勢が悪いと業は決まらないからです。

武術の基本は自分の芯・軸をしっかりと立てること。これが出来ていない瞬間が、隙と呼ばれるもので、自分の芯と軸がしっかりとしていれば、相手に崩されることもなく、逆に相手を自分の軸内に導き入れ、様々な業を展開させることができるのです。

身体における芯や軸というのは非常に面白いもので、これが正しくできていない人の居合は、指先ひとつで封じることができます。

そう、まるで北斗の拳の歌詞のように(笑

♪邪魔するヤツは指先一つで ダウンさ…

僕自身も全ての居合・流派を知るわけではありませんが、形稽古本来の意味を知らず、ただただ形稽古の真似事ばかりをしている居合家が多いようにお見受けします。

どういった動きが相手に封じられない理想的な居合・動きなのかについては、道場で教えることであって、ブログに書くものではないと思いますので、記述は控えさせてもらいますね。




つづきます!