ザ・ベストハウス123 秋の特大スペシャル! 最強! 超プレゼン祭り! | 平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba

ザ・ベストハウス123 秋の特大スペシャル! 最強! 超プレゼン祭り!

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フジテレビ『ザ・ベストハウス123』 ~秋の特大スペシャル! 最強! 超プレゼン祭り!~

ご覧頂きありがとうございました。


早いもので2007年9月17日「居合千本斬り」をきっかけに、ベストハウスへの出演は今回で6回目となります。
こうして「平成の侍 町井勲シリーズ」と題し、回を重ねることができましたのも、ひとえにリクエストをくださる視聴者や僕を応援してくださる方々のお陰だと感謝の念に耐えません。


今回も皆さんのリクエストに応えるべく、三つの業(わざ)にチャレンジしました。
山梨県と茨城県での初ロケで、大自然の中、僕自身とても楽しい修行とチャレンジでした。




~枯葉居合斬り~

当初はさほど時間もかからないだろうと思っていたこのお題ですが、撮影を開始してみると非常に手間取るものでした。

枯葉は青々とした葉とは異なり、水分もあまり含んでおらず、抜付水平で斬るのは至難の業。居合の心得がある方ならお解かりになるかと思いますが、両手ですら真っ二つに斬るのは本当に大変です。一般的には葉が刀にひかかってしまうか、なびいてしまって斬れないものです。

ましてや不規則に方向を変え、落下速度も葉の向きによって急に変わったりと、変則に富んだ落ちてくる枯葉を斬るとなると、更に難しさが増します。

収録では何枚も落ち葉を斬ったものの、ハイスピードカメラは非常に繊細なもので、少しでも位置がズレるとピンボケしてしまう上に、カメラフレームが極度に狭いため、肝心な斬っている様子や枯葉が斬られる様子が、フレームアウトするなど、舞い落ちる枯葉を斬る様子をカメラに収めること自体も非常に難しいというチャレンジでした。風との戦いでもありました。




~見切一尺生卵斬り~

卵自体の裁断は過去に放映されたことがありますが、今回は卵の殻をなるべく砕くことなく綺麗に裁断するというもの。

実は2008年にフジテレビ『飛び出せ!空想科学』という番組で、斬心塾の東郷秀信氏が同じような映像を紹介しています。

物理的な観点から言いますと、卵の殻は中央よりも丸みを帯びた端の方が砕け難く、そこをピンポイントで狙い定め、最速の振りを以ってすれば、ご覧頂いたように現実に斬ることが可能です。

今回の挑戦では、過去に東郷氏が大きく振りかぶったところから同チャレンジをしていたのに対し、最小限の小さく振りかぶった位置から、更には卵を揺らすことなく斬るということを目標にしたチャレンジで、その結果は自分自身でも満足のいくものでした。

大先輩を引き合いに出すのも恐れ多いことですが、機会があれば東郷氏の生卵斬りと僕の生卵斬り動画を探して比べて見てください。違いは一目瞭然です。




~日本蕎麦水平斬り~

ロケ地である月待の滝は、マイナスイオンが日本一豊富な裏見の滝(滝つぼの裏側から滝を眺めることができる)で、修行にはもってこいのロケーション。マイナスイオンの効果か非常にリラックスした中でチャレンジすることができました。

本来蕎麦はもう少し細いです。しかし、打ちたての蕎麦は柔らかく、自立しない性質上、台の上に乗せて斬らなければならないのですが、斬りたい対象物に対して刀身の重ね(厚み)の方が厚いため、蕎麦を斬ろうとしても刀身が台に当ってしまい、綺麗に斬り込むことができません。そこで特別に蕎麦屋「もみじ苑」のご主人のご協力のもと、4ミリの太さに打ってもらった蕎麦を斬りました。

それでもまだ刀身の方が厚いので、蕎麦を斬ると同時に、「コン」と刀身が台に触れる音が聴き取れたはずです。刀身が触れた台はその力によって傾きはじめましたが、完全に傾いてしまう前に刀が蕎麦を両断し、見事成功することができました。

収録後スタッフ一同で「もみじ苑」のご主人が打つ蕎麦を食しましたが、腰があり非常に美味しいお蕎麦でした。収録協力本当にありがとうございました。




~登場シーン 真竹裁断~

もはや定番のBGMとなったキルビルの音楽に合わせ、左右の真竹を右袈裟・左袈裟に。正面にある竹を返し業「袖返し」で斬って登場。

登場シーン本番で使用予定だった大磨上無銘冬廣の目釘に亀裂がみられたため、急遽、藤安将平刀匠の作になる新たな愛刀を用いての真竹斬りでした。

この将平刀、巻藁などの柔物斬り用に思いきり刃先を鋭利に刃つけ研磨をしていた刀でしたので、硬い真竹を斬っては刃まくれや刃こぼれを生じるのではないかと気がかりでしたが、そんな心配もどこ吹く風。微塵の刃こぼれ、刃まくれもなく、硬い真竹をあっさりと斬ってのけました。

流石は鉄パイプや鉄板すら裁断できる将平刀匠の作。益々将平刀匠の鍛えた刀に惚れました。
家宝となる実用兼美の日本刀をお探しの方は、是非藤安将平刀匠の作をお薦めいたします。

撮影するにあたり、敷地内の真竹をご提供くださった山崎様、本当にありがとうございました。




~角材斬り~

刃を上に向けた抜き身の日本刀2振に、幅3センチの新聞紙で作った輪をかけ、その輪に2.5センチ角の角材を渡しかけたものを、新聞紙を切らず、角材だけを日本刀ではなく、木刀で真っ二つにするというもので、「スタジオ用に何か新技を披露してください」とのフジテレビさんからの依頼に、ふと思いつきで行った業(わざ)ですので名前はありません。

そこで「この業の名前を募集します」と、淳さん風に指を下に向けておちゃらけてみようかと思ったところ、「町井さん、侍なのですからボケは禁止です」と制止されてしまい、業名には触れぬままチャレンジしました(笑

リハーサルでは1.5センチ角から3センチ角までの角材が用意され、全ての角材で成功させることができましたが、本番では完璧な一発成功を求め、2.5センチ角の角材でチャレンジすることになりました。

しかし、結果はご覧の通り…

刃にかかった新聞紙は切れることなく、角材のみが綺麗に両断されたものの…
自分の中では新聞紙の輪に一切のダメージを与えず、角材のみを裁断することが目標でしたので、失敗です。

天然の木材だけに硬さ・粘りなどがそれぞれ異なるという自然の影響もあったとは言え、やはり結論から言えば、僕の振りが今少し速く、もっと重みのある振りであれば成功していたであろうということ。

今後更なる修行を重ね、更に速く重い振りを追求したいと思います。

収録後本番での失敗を詫びる僕に、プロデューサーさんが
「完璧ばかりではなく、時には失敗することもあったほうが、町井さんの人間味が出ていいじゃない。今回の失敗で次回に続くきっかけになるから、良かったと思いますよ」
と慰めてくださいました。



最後に…
収録には日本刀を用いる以上、多方面で許可を取り、安全にじゅうぶん配慮して行っています。
放送を見て真似る人も現れることでしょうが、公園や公共の場で日本刀を持ち歩くこと、ましてや振ることは銃刀法違反となります。
また、しっかりと基礎を積んでいない者が無謀にもチャレンジした場合、周囲の人に怪我・奪命の危険を与える可能性もあります。
更には我が国の大切な文化財である日本刀の損傷・折損にもつながる可能性がありますので、決して生半可な技術のもとで真似事を行わないようお願いいたします。
なお、どのような名刀であれ、生卵を斬ると刃先が痛みます。真似されないことをお勧めします。