寺社奉納刀 | 平成の侍 町井勲オフィシャルブログ『居愛道』Powered by Ameba

寺社奉納刀


徒然日記(兵法編)-延寿國俊造


気分転換に刀について書いてみよう。

写真は最近入手した延寿國俊の作による平造り脇指。


写真ではわからないだろうが、元幅なんと38ミリ。一般的な大刀が30ミリ前後なので、どれほど身幅が広い豪壮なものかが想像できるでしょう。


この脇指のように極端に身幅の広い大振りな物は、寺社奉納刀に多いのです。


この脇指も元は奉納刀。

ちなみに奉納刀とは、戦の戦勝祈願やその他願掛けのために寺社に奉納する刀剣のこと。

自分が普段使っている刀を奉納することもあれば、奉納用に刀匠に鍛えて貰うこともあります。


新たに鍛えられた刀剣に関しては、武器として使用することがないためでしょうか、目釘穴と呼ばれる柄(持ち手)と刀身を留めるための穴があいていないものを多く見かけます。


この脇指もその例に違わず、目釘穴はあけられていなかったようで、登録証には目釘穴に関する項目には何も書かれていません。明らかに登録後に目釘穴をあけられているのがわかります。


社寺に奉納された刀剣がこうして一般に出る要因としては幾つかあるのですが、一般的なものとしては、先の大戦による戦災を免れるため、奉納刀を分散して氏子に預けたものが、終戦後も返還されずそのままになっているというものです。


熱田神宮においても、戦災を免れるため、幾多の奉納刀が氏子達の手によって分散管理された記録があります。


さて、この國俊の脇指は、何処の寺社に納まっていたものなのでしょうね。

もっと見たい方はこちらからどうぞ。

http://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/wakizashi/154/00.html