人と人との不思議な縁

フジテレビから予算の関係で、当初予定していた門人同行の交通費・宿泊費が捻出できないかもしれないと電話がありました。

千本斬りは私の腕もさることながら、次々と確実に巻藁を刺し立てていく巻藁交換係の腕にも左右されます。

一発で巻藁が刺せなかったり、刺さり具合が不十分な場合、タイムロスや巻藁が芯棒から抜けたり、傾いたりと、失敗につながるのです。本当に重要な役割。

かかる本番に十分対応できるよう、門弟二人は昨日も昼三時から巻藁交換の稽古を4時間も行い、うち一人（北村君）にいたっては、本番での私の体調を気遣ってくれて、今朝方三時までひたすら練習用の巻藁を一人で巻いてくれました。

彼を見ていると、本当に私は門弟に恵まれたなと嬉しくなります。金にもならないことを、自ら買って出てくれて、12時間も僕のために働いてくれたのです。

「あとは自分でするから、もう遅いし帰っていいよ」

そう僕が言っても

「先生のギネス記録更新のお役に立ちたいんです。巻藁を巻きすぎて掌を痛めてはいけませんから、せめてここにある畳表だけでも僕に仕上げさせてください。」

そう言って彼は夜中の三時まで畳表を巻いてくれました。


彼の期待に応えるべく絶対に記録を更新してみせます！


こんなに一生懸命応援してくれる可愛い門弟。


フジテレビさんが予算を捻出できないかもしれないと言ってこられたのに、自腹きってでも同行して私のチャレンジをサポートしたいと言ってくれました。本当に感謝。本当に感激。


北村君、本当にありがとう。




それはそうと、予算の関係で門弟同行を断念して欲しいと言って来たフジテレビさんです、巻藁交換作業の重要性を考慮してくださり、代わりに東京都内の居合・抜刀術道場にあちこち電話をかけ、当日巻藁交換作業をしてくれる協力者を探してくださったそうです。


あちこちかけた電話の中には

「他流派が作ろうとしてる記録に手なんか貸せるか」

とえらくトゲのあるつっぱね方をした流派・道場もあったとか。



まぁ、仕方ないですね。



そんな中、フジテレビさんが

「ギネス記録に挑む企画がありまして、巻藁の交換作業を手伝っていただける武道家の方を探しているんです…」

と口にしたとたん

「それって修心流の町井先生のことですか？　町井先生のためなら全面的に協力させていただきますよ」

と快諾してくださった流派・道場が現れました。


フジテレビさんからその方のお名前を伺い、うまく表現できませんが、なんというか、すごい不思議な人の縁を感じました。

快諾してくださり、門弟を連れてお手伝いしていただくことになったその方とは…

柔剣雷心会　永野勝先生だったのです。


当日は私のために門弟を2～3名、そして永野先生も仕事を終えたその足でスタジオに来てくださり、自らも巻藁交換作業を手伝ってくださるとのこと…



本当に

本当に

皆さんありがとうございます！



こんな僕のためにたくさんの方々が陰になり応援協力してくれる。

フジテレビさんから依頼を受けた今回の千本斬りで得た物

『人と人との繋がり』

この大切な宝を今後も大切にしていきたい。



再度ここで柔剣雷心会の永野先生他、門弟さん方、そしてうちの門弟北村君、佐藤さんに心より感謝の意を述べたい。



ほんとうにありがとうございます。