生コン工場のマニュアル(社内規格及び手順書類)を今一度見直そうというシリーズです。
今回は、「製造工程規定⑤」です。
「製造工程規定⑤」
「製造工程規定」は、
JISQ1001附属書B品質管理体制の審査の基準
イ社内規格の整備
(ⅲ)工程ごとの管理項目及びその管理方法、
品質特性及びその検査方法並びに
作業方法に関する事項
ニ工程の管理
(1) 製造又は加工及び検査が工程ごとに
社内規格に基づいて適切に行われているとともに,
作業記録,検査記録,管理図を用いる等
必要な方法によってこれらの工程が
適切に管理されていること。
(2) 工程において発生した不良品
又は不合格ロットの処置,
工程に生じた異常に対する処置及び
予防措置が適切に行われていること。
(3) 作業の条件及び環境が
適切に維持されていること。
JISQ1001に規定されているように
社内規格を整備しなければなりません。
その規定する工程項目は、
JISQ1011に規定されています。
JISAQ1011 附属書A A.3製造工程の管理
をご確認ください。
規定には、
- 管理項目
- 品質特性
- 管理方法、検査方法
- 検査方式
- 不良品の措置
- 記録
を規定しなければなりません。
「積込み」はJISQ1011:2024で追加された項目です。
「積込み」の管理項目は、
- 戻りコンクリートの排出確認
運搬車のドラム内にコンクリート及び洗浄した水等が残留している状態で別のレディーミクストコンクリートを積み込んではならない。
と規定されています。
さらに注意事項として次が規定されています。
運搬車に練り混ぜたレディーミクストコンクリートを積載する前に、運搬車から戻りコンクリートが全量排出されていることを確認し、その旨を記録する。ただし、付着モルタルを使用する場合の積込みは、JISA5308の附属書JFによる。また、次に示す運搬をしてはならない。1) 運搬車に積載された戻りコンクリートに新たに練り混ぜられたレディーミクストコンクリートを積み込み、運搬する。2) 新たに練り混ぜたレディーミクストコンクリートに戻りコンクリートを積み込み、運搬する。3) 戻りコンクリートを別の購入者に運搬する。
JISQ1011:2024で戻りコンクリートの
完全排出とその記録、
再運搬禁止が規定されました。
今までも残水(洗浄した水等)の
排出確認はしていたと思いますので、
社内教育で残水に残コン(戻りコンクリート)を
含むことを教育し、
運転日報や製造記録日報に
記録をすることを
継続することで良いと思います。
問題は「戻りコンクリートを別の購入者に運搬する。」です。
古い社内規格では、
戻りコンクリートを品質確認して
運搬時間や品質が問題なく、
購入者が許可した場合は、
再運搬できるように規定している場合があります。
今回のJISQ1011の改正でできなくなりましたので、
社内規格の改訂をお願いいたします。
次回は、「製造工程規定⑥」です。
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