生コン試験係養成講座シリーズです。

今回は、生コン配合設計(4)についてです。

生コン配合設計(4)

 

今回も生コンの配合設計についてです。

 

今回は配合計算についてです。

 

単位水量と粗骨材かさ容積が仮に決定したら、実際に配合を計算して求めます。

 

前回見ました建築学会の標準値から計算してみたいと思います。

 

建築学会JASS5:2015 参考単位水量(kg/m3)

水セメント比(%) スランプ(㎝) 粗骨材の種類(最大寸法)
砕石(20㎜) 砂利(25㎜)
50 8 157 146
12 165 154
15 172 161
18 183 172
21 194 184

 

建築学会JASS5:2015 参考粗骨材かさ容積(m3/m3)

水セメント比(%) スランプ(㎝) AE減水剤 高性能AE減水剤
砕石(20㎜) 砂利(25㎜) 砕石(20㎜) 砂利(25㎜)
40~60 8 0.660 0.670 0.670 0.680
12 0.650 0.660 0.660 0.670
15 0.640 0.650 0.650 0.660
18 0.600 0.610 0.610 0.620
21 0.560 0.570 0.570 0.580

※この表に示す値は、細骨材の粗粒率2.70程度、砕石20は粗粒率6.69、実積率60.0%、砂利25は粗粒率6.97、実積率63.7%の場合の標準的な値

 

原材料の品質は次の値を仮に使用します。

品質 セメント 細骨材 粗骨材
密度(g/cm3) 3.15 2.60 2.65

 

配合設計条件は、次の通りとします。

  • セメントは普通ポルトランドセメント
  • 水セメント比は50%
  • 目標スランプは18cm
  • 練混ぜ水は上水道水
  • 細骨材は粗粒率2.70の砕砂
  • 粗骨材は実積率60%の砕石2005
  • 混和剤はAE減水剤(C×1%)及びAE剤(C×0.004%、使用倍率100倍)
  • 目標空気量は4.5%

以上の条件で配合計算をします。

 

計算の順序は次の通り。

  1. 水セメント比と目標スランプから単位水量と単位粗骨材かさ容積を決定する。
  2. 水セメント比と単位水量から単位セメント量を算出する。
  3. 単位セメント量から単位セメント容積を算出する。
  4. 単位粗骨材かさ容積から単位粗骨材容積及び単位粗骨材量を算出する。
  5. 上記算出結果より単位細骨材量、単位細骨材容積及び細骨材率を算出する。
  6. 混和剤量を算出する。

 

1.水セメント比と目標スランプから単位水量と単位粗骨材かさ容積を決定する。

 

水セメント比=50%

目標スランプ=18cm

単位水量=183kg/m3

粗骨材かさ容積=0.600m3/m3

 

2.水セメント比と単位水量から単位セメント量を算出する。

 

W/C=0.50(=50%)なので、

 

C=W÷0.50=183÷0.5=366kg/m3(単位セメント量)

 

3.単位セメント量から単位セメント容積を算出する。

 

Cv=C÷セメント密度=366÷3.15=116 L/m3(単位セメント容積)

 

容積はCvとしていますが、vはvolumeの略です。

 

その他も略称として「セメント=C」「水=W」「細骨材=S」「粗骨材=G」「AE減水剤=AD」「AE剤=AE」このように略称することが多いと思います。CからGまではほぼこのままかと思いますが、混和剤、混和材は略称が色々あると思います。

 

4.単位粗骨材かさ容積から単位粗骨材容積及び単位粗骨材量を算出する。

 

Gv=単位粗骨材かさ容積×実積率×1000

  =0.600×60%×1000=360 L/m3(単位粗骨材容積)

 

G=単位粗骨材容積×粗骨材密度

 =360×2.65=954 kg/m3(単位粗骨材量)

 

5.上記算出結果より単位細骨材量、単位細骨材容積及び細骨材率を算出する。

 

Sv=1000-(Cv+W+Gv+45)

  =1000-(116+183+360+45)=296 L/m3(単位細骨材容積)

 

ここで、突然出てきた「1000」と「45」何の数字か覚えていますか?

 

「1000」は生コンの単位1m3(1立方メートル)をL(リットル)で表した数字です。

「45」はこの1m3には空気も含まれるという話でしたので、1000Lの4.5%すなわち、「45L」となります。

 

S=単位細骨材容積×細骨材密度

 =296×2.60=770 kg/m3(単位細骨材量)

 

s/a=Sv÷(Sv+Gv)×100

   =296÷(296+360)×100=45.1%

 

ここで、W/Cは大文字で表記していましたがs/aは小文字で表記していることに気が付いたでしょうか?

 

ルールとして質量は大文字、容積は小文字で表記することになっています。

 

なので、今後資料を作成したり、論文などを記述したりする際には注意して下さい。

 

6.混和剤量を算出する。

 

AD=単位セメント量×添加率

  =366×1%=3.66 kg/m3(単位混和剤量:AE減水剤)

 

AE=単位セメント量×添加率(×使用倍率:使用倍率は現場補正となるため、ここでは掛けません)

AE=366×0.004%=0.0146 kg/m3(単位混和剤量:AE剤)

 

AE剤は配合計画書に記載する必要がありませんが、試し練りをする際に必要なので計算しました。

 

配合:W/C50%-18-20 N

W/C(%) s/a(%) AE減水剤 AE剤
50.0 45.1 366 183 770 954 3.66 0.0146

 

 

こうして計算した配合を試し練りし、その試し練り結果から、配合補正方法を用いて配合を修正して、標準配合を作成します。

 

 

 

 

次回は配合設計(試し練り)についてです。

 

 


 

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