生コン試験係養成講座シリーズです。

今回は、生コン配合設計(2)についてです。

生コン配合設計(2)

 

今回も生コンの配合設計についてです。

 

今回は強度についてです。

 

JISA5308では強度についての要求事項があります。

 

1回の試験結果が呼び強度の85%以上、3回の試験結果の平均値が呼び強度以上

 

これを満足する配合を設計しなければなりません。

 

ところで、コンクリートの使用用途を大きく建築と土木に分類しています。

 

それぞれ学会があり、日本建築学会と土木学会といいます。

 

それぞれがコンクリートの配合設計について言及していて、指定強度を満足させるための目標強度の算定式が各々に規定されています。

 

【建築】建築工事標準仕様書2022

 調合強度算定時における調合管理強度に対する許容不良率の最大値は4%、調合管理強度の85%に対する許容不良率はほぼ0とする。

 

 調合強度≧Fm+1.73σ(許容不良率4%)

 調合強度≧0.85Fm+3σ(調合管理強度の85%の不良率0)

 

 Fm:調合管理強度

   σ:標準偏差(施工者が決定する場合、2.5又は0.1Fmの大きい値)

 

【土木】コンクリート標準示方書2023

 f'ckに割増し係数を乗じて求める。

 割増し係数={1/(1-3V÷√n)}×{(1-Kα V÷√n)/(1-1.645 V)}

 

 f'ck:圧縮強度の特性値(呼び強度)

  n:試験回数

  V:変動係数(標準偏差÷配合強度)

  Kα:生産者危険をα%としたとき、標準正規分布において上側確率がα%となる点

 配合設計時には、n=3、V=10% としてよい。

 生産者危険10%の場合、Kα=1.282(JISZ9004参考表2:不良率pとKpとの関係より)となり、割増し係数は1.34となる。

 

 

このように、呼び強度を満足するための目標強度を算定します。

 

工場では、次のような式が規定されていることが多いと思います。

 

①m≧0.85SL+3σ

②m≧0.85÷(1-3V÷100)×SL

③m≧SL+2σ  ⇐2又は√3

④m≧1÷(1-2V÷100)×SL  ⇐2又は√3

 

 

工場においては、上記の算定式により算出した目標強度(m)のうち、最大値を採用しています。

 

だいたい、③の式が採用されるので、σ=0.1SLとすると「1.2×SL」が目標強度となります。

 

 

この目標強度を実現するための水セメント比を決定しなければなりません。

 

この水セメント比を求めるために、実験を行い、水セメント比(W/C)と強度の関係式を求めます。

 

一般的には、水セメント比の逆数、セメント水比(C/W)と強度の関係式を作成します。

 

実験についてはもう少しあとに説明します。

 

 

 

 

 

 

次回は配合設計(単位水量と粗骨材かさ容積)についてです。

 

 


 

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