生コン試験係養成講座シリーズです。
今回は、試験設備の点検・校正(7)についてです。
試験設備の点検・校正(7)
JISQ1001 適合性評価-日本産業規格への適合性の認証-一般認証指針(鉱工業品及びその加工技術):2020の附属書B(規定)品質管理体制の審査の基準 B.1 審査の基準(A) 4 ホ に「製造設備又は加工設備及び検査設備について、点検、検査、校正、保守等が社内規格に基づいて適切に行われており、これらの設備の精度及び性能が適正に維持されていること」と規定されておりますので、各JIS認証工場であれば社内規格に試験設備の点検・校正について規定されていると思います。
今回は、ふるい その1の点検・校正です。
JISZ8801-1の5.3.3定期検査には次のように規定されています。
5.3.3 定期検査
この規格における寸法及び許容差は,新しい試験用ふるいに適用する。ふるいは,使用しているうちに摩耗するので,毎回使用前にきず及び目詰まりを目視検査することが必要である。試験用ふるいは,使用頻度に応じて定期的に再検査することが望ましい。 検査の方法は,5.2の手順を使用してふるい目を再測定することである。使用者に定期的な検査の体制がない場合は,試験用ふるいの製造業者,販売業者又は検査の専門家に依頼してもよい。
5.2の検査手順を簡略化して以下に示します。
対象のふるいの公称目開きは53mm~9.75mmです。
(1) 校正対象のふるいに目詰まりがないか確認し、目詰まりがあれば除去し、目詰まりのない状態にする。
(2) 表1に示す個数(ふるい目の個数が20個以下の場合は、すべてのふるい目を縦線方向及び横線方向の両方向で測定する。)の目開きを縦線方向及び横線方向でノギスにより測定する。
測定箇所は図1に示す。
(3) 表1に示す個数の線径を縦線方向及び横線方向でノギスにより測定する。
測定箇所は図1に示した線の中央を測る。
(4) 計算及び判定
1)最大目開き…公称目開きからの差がXの値を超えてはならない。
2)平均目開き…平均目開きは公称目開きからの差が±Yの値を超えてはならない。
3)最大標準偏差…ふるい目数n個を測定して標準偏差を計算する。目開きの標準偏差は、縦線方向及び横線方向とも、σ0の値を超えてはならない。
4)線径…線径は、最大線径と最小線径の範囲にあること。
表1
公 称 目開き |
目開きの許容差 |
目開き |
線径 |
|||||
最大目開き +X |
平均目開き ±Y |
最大標準偏差 σ0 |
サンプル数 |
推奨線径 |
最大線径 |
最小線径 |
サンプル数 |
|
53 |
2.150 |
1.423 |
- |
4×2 |
5.00 |
5.8 |
4.3 |
3×2 |
37.5 |
1.667 |
1.014 |
1.000 |
9×2 |
4.50 |
5.2 |
3.8 |
4×2 |
31.5 |
1.467 |
0.855 |
0.907 |
16×2 |
4.00 |
4.6 |
3.4 |
5×2 |
26.5 |
1.292 |
0.722 |
0.757 |
21×2 |
3.55 |
4.1 |
3.0 |
6×2 |
19 |
1.013 |
0.522 |
0.547 |
15×2 |
3.15 |
3.6 |
2.7 |
9×2 |
16 |
0.894 |
0.441 |
0.462 |
15×2 |
3.15 |
3.6 |
2.7 |
10×2 |
9.5 |
0.613 |
0.265 |
0.294 |
15×2 |
2.24 |
2.6 |
1.9 |
10×2 |
毎回使用前にきず及び目詰まりを目視検査することが必要である。
基本的には日常点検が重要です。使用前によく確認してから使用しましょう。
ふるい その1 の点検・校正の解説は以上になります。
次回は、試験設備の点検・校正(8)ふるい についてです。
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