生コン試験係養成講座シリーズです。

今回は、試験設備の点検・校正(6)についてです。

試験設備の点検・校正(6)

 

JISQ1001 適合性評価-日本産業規格への適合性の認証-一般認証指針(鉱工業品及びその加工技術):2020の附属書B(規定)品質管理体制の審査の基準 B.1 審査の基準(A) 4 ホ に「製造設備又は加工設備及び検査設備について、点検、検査、校正、保守等が社内規格に基づいて適切に行われており、これらの設備の精度及び性能が適正に維持されていること」と規定されておりますので、各JIS認証工場であれば社内規格に試験設備の点検・校正について規定されていると思います。

 

今回は、単位容積質量測定容器の点検・校正です。

 

JISA1104には、

3.2 容器 

容器は,内面を機械仕上げとした金属製の円筒で,水密で十分強固なものとする。容器には,取扱いに便利なように取っ手を付ける。

容器は,骨材の最大寸法に応じて表1による。 また,容器の容積(V)は,これを満たすのに必要な水の質量を正確に測定して算定する。 

このように規定されていますので、容器の容積を1回/年測定し、単位容積質量及び実積率試験に適用していると思います。
 
(1) 単位容積質量測定容器(以下容器という)をよく乾燥させる。

(2) 容器中に異物がないか確認し、容器の質量を電子天秤で量る。①
 (10L:32kg-1g,2L:6kg-0.1g)
 
(3) 板ガラスの質量を電子天秤で量る。(6kg-0.1g)②
 
(4) 容器に水道水を9割程度満たす。
 
(5) 容器の上縁部にグリスを薄く塗り、板ガラスをのせる。
 
(6) 板ガラスをずらしながら容器内を満水状態にする。
注意:この際、容器内に空気が残らないように注意する。
 
 
(7) 容器と板ガラスに付着した水滴を拭き取った後に電子天秤で質量を量る。③
 
(8) この時の水温を1℃まで測る。
 
(9) 次式により、容器の容積を算出する。 
     容器内の水の質量(g)=③-(①+②)
     容器の容積(L)=(容器内の水の質量÷1000)÷水の密度※
 
   ※水の密度は試験温度に応じて次の値を用いる。

温度

(℃)

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

密度

(g/㎝3)

0.9991

0.9989

0.9988

0.9986

0.9984

0.9982

0.9980

0.9978

0.9975

0.9973

0.9970


 

 

日常点検では、容器の変形、容器の損傷、錆の有無を点検します。

 

 

 

基本的には日常点検が重要です。使用前によく確認してから使用しましょう。

 

 

単位容積質量測定容器の点検・校正の解説は以上になります。

 

次回は、試験設備の点検・校正(7)ふるい についてです。


 

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