生コン試験係養成講座シリーズです。

今回は、試験設備の点検・校正(5)についてです。

試験設備の点検・校正(5)

 

JISQ1001 適合性評価-日本産業規格への適合性の認証-一般認証指針(鉱工業品及びその加工技術):2020の附属書B(規定)品質管理体制の審査の基準 B.1 審査の基準(A) 4 ホ に「製造設備又は加工設備及び検査設備について、点検、検査、校正、保守等が社内規格に基づいて適切に行われており、これらの設備の精度及び性能が適正に維持されていること」と規定されておりますので、各JIS認証工場であれば社内規格に試験設備の点検・校正について規定されていると思います。

 

今回は、曲げ強度試験用型枠の点検・校正です。

 

JISQ1011に「繰返し使用する型枠の場合は,1回以上/12か月の頻度で,全数検査を行う。繰り返し使用できない型枠の場合は、JIS A 5308の附属書JG(軽量型枠)に基づき、申請者の工場又は型枠製造業者の試験成績表により受入検査を行う。」と規定されています。

 

型枠の精度は、JIS A 1132:2020 コンクリートの強度試験用供試体の作り方 に規定されている供試体の精度を満足するかを点検・校正します。

 

曲げ試験用供試体 供試体の形状及び寸法の許容差

 
JISA1132 には次のように規定がある。
 

6.4 供試体の形状及び寸法の許容差 

供試体の形状及び寸法の許容差は,次による。 

a) 供試体の寸法の許容差は,幅6) で1 %以内,高さ6) で2 %以内,長さで5 %以内とする。 

b) 供試体の載荷線及び支持線に当たる箇所の直線度7) は,幅の±0.1 %以内とする。 

c) 供試体の側面と底面との間の角度8) は,90±0.5°とする。 

注6) 曲げ強度試験を行う場合は,コンクリートを型枠に詰めたときの側面を上下の載荷面として供試体に荷重を加えるので,ここに示す幅及び高さは,曲げ強度の計算に用いる破壊断面のそれぞれ高さ及び幅に相当する。 

注7) ここでいう直線度は,載荷装置(ローラ部分のL1〜L4)と接触する箇所の最も高い所と最も低い所とを通る二つの平行な直線を考え,この直線間の距離をもって表す(図1参照)。 

8) 角度の許容差(90±0.5°)の確認方法は,供試体を定盤上に置き,直角定規と供試体側面との距離(隙間)を測定することによって確認できる。 

− 断面寸法100 mm×100 mm供試体で角度の許容差を満たす距離(隙間)は,0.872 mm以内である。 

− 断面寸法150 mm×150 mm供試体で角度の許容差を満たす距離(隙間)は,1.308 mm以内である。

許容差

幅:150角⇒1.5mm以内、100角⇒1.0mm以内

高さ:150角⇒3mm以内、100角⇒2mm以内

長さ:150角⇒26.5mm以内、100角⇒20mm以内

直線度:150角⇒±0.15mm、100角⇒±0.1mm

角度:90±0.5°

 

 

(1) 型枠を組んだ状態でノギスのくちばしにて4箇所の幅を測定する。

注意点:

測定する際、側板に対して垂直になるよう測定を行う。
視差がでないよう、目線を副尺に垂直の位置にくるようにする。
型枠を組んだ状態で行う。
 

(2) 型枠を組んだ状態でノギスのデプスバー又はデプスゲージにより4箇所の高さを測る。

注意点:

斜めに測らないように注意する。
型枠を組んだ状態で行う。
 

(3) 型枠を組んだ状態で鋼製直尺にて2箇所の長さを測定する。

注意点:

測定する際、側板に対して垂直になるよう測定を行う。
型枠を組んだ状態で行う。
 


 

(4-1) 型枠を組んだ状態で角度計にて4隅の直角度を測定する。

注意点:

型枠を組んだ状態で行う。
底板と側板にしっかりあわせて測定する。

 

(4-2) 作製した供試体を定盤の上に置き、直角定規を当て、隙間ゲージにて供試体側面との距離(隙間)を測定する。
 

角度計又は隙間ゲージのどちらかで検査する。

 

(5) 型枠をばらした状態でダイヤルゲージにて側板の直線度を測定する。
JISA1132に記述のあるL1~L4に相当する位置、型枠の両側面の4か所を測定する。

注意点:

スピンドルに衝撃を与えない。
測定箇所を良く拭き取り、異物等がないようにする。
 

 

 

日常点検では、コンクリートの付着、型枠の組み具合、型枠の変形の有無を点検します。

 

 

 

基本的には日常点検が重要です。使用前によく確認してから使用しましょう。

 

 

曲げ強度試験用型枠の点検・校正の解説は以上になります。

 

次回は、試験設備の点検・校正(6)単位容積質量試験容器についてです。


 

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