生コン試験係養成講座シリーズです。

今回は、試験設備の点検・校正(1)についてです。

試験設備の点検・校正(1)

 

JISQ1001 適合性評価-日本産業規格への適合性の認証-一般認証指針(鉱工業品及びその加工技術):2020の附属書B(規定)品質管理体制の審査の基準 B.1 審査の基準(A) 4 ホ に「製造設備又は加工設備及び検査設備について、点検、検査、校正、保守等が社内規格に基づいて適切に行われており、これらの設備の精度及び性能が適正に維持されていること」と規定されておりますので、各JIS認証工場であれば社内規格に試験設備の点検・校正について規定されていると思います。

 

JISQ1011 適合性評価-日本産業規格への適合性の認証-分野別認証指針(レディーミクトコンクリート):2024 附属書A(規定)工場審査において確認する品質管理体制 A.4 設備の管理 2 検査設備 に管理する検査設備及び管理方法が規定されています。

 

設備名 管理方法
試し練り試験器具 該当JISに規定された品質を試験・検査できる設備とする。
供試体成形器具 繰返し使用する型枠の場合は、1回以上/12か月の頻度で、全数検査を行う。繰返し使用できない型枠の場合は、JISA5308の附属書JG(軽量型枠)に基づき、申請者の工場又は型枠製造業者の試験成績表により受入検査を行う。また、高強度コンクリートを製造している場合は、研磨機を管理すること。
恒温養生水槽 該当JISに規定された品質を試験・検査できる設備とする。
圧縮強度試験機 舗装コンクリートを製造している場合は、曲げ強度試験が可能な圧縮強度試験機、又は曲げ試験専用の試験機を保有する。
スランプ試験器具 該当JISに規定された品質を試験・検査できる設備とする。
スランプフロー試験器具 該当JISに規定された品質を試験・検査できる設備とする。
空気量測定器具 該当JISに規定された品質を試験・検査できる設備とする。
塩化物含有量測定器具 塩化物含有量測定装置の場合は、第三者機関によって1回以上/12か月の頻度で、検査を行う。
塩化物含有量測定検知紙・検知管の場合は、塩化物含有量測定検知紙・検知管製造業者が表示した有効期限を管理する。
容積測定装置・器具 該当JISに規定された品質を試験・検査できる設備とする。
ミキサの練混ぜ性能試験用器具 該当JISに規定された品質を試験・検査できる設備とする。
スラッジ水の濃度測定器具又は装置 精度確認は、1回以上/3か月の頻度でJISA5308のJC.7.2.6(スラッジ水の濃度の試験)の方法で行う。

 

これに加えて、レディーミクトコンクリートJIS認証工場が1回以上/3年で認証維持審査を受審するにあたり、自工場でJISQ17025に適合した製品試験を実施する必要があります。

 

JISQ1001:2020 6.3.2 初回製品試験の実施

初回製品試験は,登録認証機関が登録認証機関の試験設備を用いて,当該機関の試験員が実施するか若しくは次のいずれか,又はこれらの組合せによって実施することができる。 

a) 申請者の試験場所で,登録認証機関の試験員が実施 

b) 登録認証機関が立ち会い,申請者の試験場所で,申請者の試験員が実施 

c) 第三者試験機関で実施した試験データの活用 

d) 申請者の試験場所で,申請者の試験員が実施した試験データの活用 

なお,登録認証機関の立会い等による方法[a)又はb)]の場合には,登録認証機関は,必要とされる申請者の試験設備,試験員などがISO/IEC 17025又はJIS Q 17025の該当する要求事項を満足していることを確認しなければならない。また,登録認証機関以外の試験所等による試験データを活用する方法[c)又はd)]の場合には,登録認証機関は,6.3.3に基づかなければならない。 

普段のJIS工場の管理としては、JISQ17025の要求事項を満足する必要はないのですが、社内規格で普段からJISQ17025に適合するように管理している工場が多いようです。

 

上記からもわかるように、JISの認証審査に係る製品試験を実施する場合にJISQ17025への適合性を満足しなければなりません。

 

JIS Q 17025への適合性(試験設備類に対する測定のトレーサビリティ)の機器

  • スランプゲージ
  • 突き棒
  • 平板
  • スランプコーン
  • 水準器
  • ノギス
  • 直尺
  • 直角度計
  • エアメータ
  • 温度計
  • メスシリンダ
  • はかり
  • 強度試験用型枠
  • ダイヤルゲージ
  • メジャー
スランプ又はスランプフロー、空気量、塩化物含有量及び強度試験用供試体の作製の試験に用いる試験器具類になります。
 
次回からスランプ試験、空気量試験、強度試験用供試体、ふるい分け試験、実積率試験に使用する器具の点検・校正について解説していきたいと思います。

 

 

 

試験設備の点検・校正の概要の解説は以上になります。

 

次回は、試験設備の点検・校正(2)スランプ試験器具についてです。


 

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