生コン試験係養成講座シリーズです。

今回は、骨材のふるい分け試験方法(JISA1102:2014)についてです。

ふるい分け試験方法

 

ふるい分け試験は、工場によって試験頻度は違うと思いますが、JISでは細骨材は受入検査として1回以上/月、工程管理として1回以上/週、粗骨材は受入検査として1回以上/月、工程検査として粗粒率又は実積率を1回以上/週となっています。

 

ふるい分け試験はJIS規格のJIS A1102:骨材のふるい分け試験方法という試験規格に準じて試験を行う必要があります。

 

まず規格を確認すると、 

  1. 適用範囲:コンクリートに用いる骨材のふるい分け試験方法について規定する
  2. 引用規格:骨材の縮分方法、試験用ふるい
  3. 器具:はかり、ふるい、蓋及び受皿、乾燥機
  4. 試料:採取方法、必要な量
  5. 試験方法
  6. 計算:各質量分率、粗粒率の計算方法
  7. 報告:必要な報告事項

これらが規定されています。

 

3.器具

はかりは、細骨材用は目量0.1g以下、粗骨材用は目量1g以下と規定されている。

 

使用するふるいは、JIS Z 8801-1の規定による、公称目開き75μm、150μm、300μm、600μm及び1.18mm、2.36mm、4.75mm、9.5mm、16mm、19mm、26.5mm、31.5mm、37.5mm、53mm、63mm、75mm、106mmの金属製ふるいを使用する。

 

蓋及び受皿はロータップ型ふるい振とう機を使用する場合に使用します。

 

乾燥機は骨材を絶乾状態にするために庫内の温度を105℃±5℃にして乾燥します。

 

4.試料

試料は、JIS A 1158:試験に用いる骨材の縮分方法によってほぼ所定量(試料の最小質量以上)となるまで縮分する。

 

縮分方法には、四分法と試料分取器を使用する方法がある。

 

四分法とは、骨材を円形に広げて4分割し、対角線上に位置する二つの扇形に広がった骨材を採取することによって、その量をおおむね1/2に縮分する方法です。

 

  1. 縮分する骨材の含水状態を試験の目的に応じて調整します。
  2. 骨材を硬く清浄で必要な広さをもつ床などの平らな場所に置きます。
  3. 骨材全体の天地を2回以上切り返してよく混合します。
  4. 2回以上切返しを行った後、骨材をスコップで1杯ずつ同じ位置に積み上げ、骨材全体を円すい(錐)形にします。
  5. 錐形にした骨材をスコップで押し広げ、円形にします。
  6. 円形に広げた骨材を4等分します。
  7. 対角線上に位置する二つの扇形に広がった骨材を採取します。

 

試料分取器とは、骨材を並行するスリットによって2分割し、その量をおおむね1/2に縮分する器具です。

  1. 対象とする骨材は、細骨材または粗骨材とします。
  2. 骨材の種類及び最大寸法に応じた仕様の試料分取器を準備します。
  3. 縮分する骨材の含水状態を試験の目的に応じて調整します。
  4. 試料分取器は、骨材を並行するスリットによって2分割し、その量をおおむね1/2に縮分します。

試料は、105℃±5℃の乾燥機で乾燥して絶乾状態(「一定質量となるまで」とJISには書いてあります。これは、一定時間ごとに乾燥機から出して質量を測定し、同じ質量測定結果がでるときまでということです。つまり骨材からすべての水分がなくなるときまでになります。)にする。

 

試料の最小質量

 

粗骨材:試験する骨材の最大寸法(ミリメートル表示)の0.2倍をキログラム表示した量(例:25mm=25×0.2=5kg)

 

細骨材:1.2mmふるいを95%以上通過すれば100g、95%未満(JISでは1.2mmふるいに5%以上とどまると書いてある)であれば500gとなる。

 

5.試験方法

a) 試料の質量を細骨材は0.1 g,粗骨材は1 gまで測定する。 

 

b) 試料は,ふるいのうち,骨材のふるい分け試験の目的に合う組合せ(最大寸法の一つ大きいふるいから使用する)の網ふるいを用いて,ふるい目の粗いふるいから順番にふるい分ける。また,機械(ロータップ型ふるい振とう機)によってふるい分ける場合は,受皿の上にふるい目の細かいふるいから順番に積み重ね,最上部に試料を置き,必要に応じて蓋をしてふるい分ける。 

 

c) ふるい分けは,手動又は機械によって,ふるいに上下動及び水平動を与えて試料を揺り動かし,試料が絶えずふるい面を均等に運動するようにし,1分間に各ふるいを通過するものが,全試料質量の0.1 %以下となるまで作業を行う。

 

d) 機械を用いてふるい分けた場合は,更に手でふるい分け,1分間の各ふるい通過量が上記の値より小となったことを確かめなければならない。 

なお,機械ふるいを用いてふるい分けた場合に,ふるい分け中に粉砕される可能性があると判断される骨材は,機械を用いてふるい分けてはならない。

 

e) ふるい目に詰まった粒は,破砕しないように注意しながら押し戻し,ふるいにとどまった試料とみなす。どのような骨材でも,手で押して無理にふるいを通過させてはならない。ただし,大きめの粒子は,手で置くようにして向きを変えて個々の孔に当て,通過するものはふるいを通過する試料とみなす。

 

f) 5 mmより小さいふるいでは,ふるい作業が終わった時点で,各ふるいにとどまるものが次の値を超えてはならない。

 

各ふるいの中のどれかが,この量を超える場合は,次の二つの方法のうち一つを行う。 

1) その部分の試料を,規定した最大質量より小さくなるように分け,これらを次々にふるい分ける。 

2) 5 mmのふるいを通過する試料をJIS A 1158によって縮分し,縮分した試料についてふるい分けを行う。 

 

g) 連続する各ふるいの間にとどまった試料の質量を細骨材は0.1 g,粗骨材は1 gまで測定する。連続する各ふるいの間にとどまった試料の質量と受皿中の試料の質量との総和は,ふるい分け前に測定した試料の質量と1 %以上異なってはならない。

 

6.計算 

試験結果の計算は,次による。 

 

連続する各ふるいの間にとどまる質量分率

 

ふるい分け後の全試料質量に対する質量分率(%)を計算し,四捨五入して整数2)に丸める。箇条5 f)に規定する分割操作を行った場合は,これを計算の際に考慮する。 

注2) 連続する各ふるいの間にとどまる質量分率(%)の総和が100 %とならない場合は,最も大きい質量分率を加減して調整する。 

 

各ふるいにとどまる質量分率 

 

対象とするふるい及びそれよりふるい目が大きい全てのふるいの,連続する各ふるいの間にとどまる質量分率(%)の累計を,そのふるいにとどまる質量分率とする。 

 

各ふるいを通過する質量分率 

 

100 %から各ふるいにとどまる質量分率(%)を減じた値とする。 

 

粗粒率 

 

80 mm,40 mm,20 mm,10 mm,5 mm,2.5 mm,1.2 mm及び0.6 mm,0.3 mm,0.15 mmの各ふるいにとどまる質量分率(%)の和を100で除した値とする。(80から始まって1/2ずつ小さくしていった数字と覚えるとよい)

 

7.報告

報告は,次の事項のうち必要なものを記載する。 

a) 骨材の種類3),最大寸法及び産地 

b) 試料の採取場所及び採取年月日 

c) ふるい分け前の試料の質量 

d) ふるい分け方法(手動又は機械) 

e) 連続する各ふるいの間にとどまる試料の質量及び質量分率(%) 

f)各ふるいにとどまる質量分率(%),各ふるいを通過する質量分率(%) 

g) 粗粒率 

h) 粒度曲線 

i)試験年月日 

注3) 人工軽量骨材の場合は,商品名でもよい。

 

ぜひ、試験方法を見ながら実践して下さい。

 

「1分間に各ふるいを通過するものが,全試料質量の0.1 %以下となるまで作業を行う。」なんていうのは、ふるいの目が小さくなるほど結構しんどい作業です。

 

「大きめの粒子は,手で置くようにして向きを変えて個々の孔に当て,通過するものはふるいを通過する試料とみなす。」これは縦長の骨材は、意外とふるいの目を通過したりします。

 

ふるい分けに関する資料をpdfで作成しています。気になる方はダウンロードしてみてください。計算の練習問題も記載しています。

 

ふるい分け試験資料


ふるい分け試験の解説は以上になります。

 

次回は、骨材の実積率試験についてです。


 

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