生コン試験係養成講座シリーズです。

今回は、フレッシュコンクリートの性質についてです。

フレッシュコンクリートの性質

 

良いコンクリートとは、フレッシュな状態では、作業に適する流動性を有し、均質で材料分離を生じにくく、硬化後は、所要の強度、耐久性を有し、かつ経済的なものとされている。作業性を重視しすぎると硬化後の諸性状が悪くなることが多くなることがあるため、所要の耐久性、所要の強度、適切な施工性をバランスよく満足する必要がある。

 

フレッシュコンクリートの性質には次のようなものがある。

  • ワーカビリティ―
  • コンシステンシー
  • 材料分離
  • 圧送性
  • 空気量
  • 凝結
フレッシュコンクリート(硬化前コンクリート)の性質について説明します。以下の6つの要素について詳しく見ていきましょう。

1. ワーカビリティ(workability)
ワーカビリティは、コンクリートの施工特性を表すもので、練混ぜから運搬、打込み、締固め、仕上げまでの一連の作業に関連します。ワーカビリティの判定は、構造物の種類や施工箇所、施工方法によって異なります。ワーカビリティを重視しすぎると、硬化後の諸性能が低下するケースが多いので、硬化後のコンクリート性能を確保しつつワーカビリティが良く、かつ経済的なコンクリートをバランス良く設計することが非常に重要です。

2. コンシステンシー(consistency)  
コンシステンシーは、フレッシュコンクリートの変形・流動に対する抵抗性を表します。測定方法には、スランプ試験や振動台式コンシステンシー試験などがあります。

3. 材料分離
材料分離は、運搬中、打込み中又は打込み後においてコンクリートの成分が分離する現象を指します。すなわち、粗骨材の局部的な集中、水分の上昇(ブリーディング)をいいます。材料分離が起きると、コンクリートの品質が低下します。

4. 圧送性(pumpability) 
圧送性は、コンクリートがポンプを通じて運ばれる能力を表します。圧送性が高いと、コンクリートを遠くに運ぶことが可能になります。

5. 空気量
コンクリートに含まれる空気の量も重要な性質です。空気量が適切でないと、コンクリートの耐久性や凍害抵抗性が低下します。空気にもエントラップトエア(練り混ぜ時に巻き込んだ大きな空気)とエントレインドエア(AE剤により連行した微小で独立した空気泡)がある。エントレインドエアがワーカビリティの改善や耐凍害性を向上させます。

6. 凝結
コンクリートが凝結は、セメントの種類、スランプ値、水セメント比、混和剤の種類、気象条件、骨材や水の成分によって異なります。凝結における問題としてコールドジョイントがあります。すでに打ち込まれたコンクリートの凝結が進んだ状態で、その上に新たにコンクリートを打ち込むとコンクリートが一体とならない継ぎ目が生じることをコールドジョイントといいます。

以上がフレッシュコンクリートの主な性質についての説明です。これらの性質は、コンクリートの品質と施工性を左右します。適切な配合と施工により、これらの性質を最適化することが求められます。

フレッシュコンクリートの性質は以上になります。

 

次回は、硬化コンクリートの性質についてです。


 

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