JIS Q 19011とJIS Q 17021-1を勉強して、監査員又は審査員に求められる資質、監査又は審査に臨む姿勢、必要な知識及び技能、力量要求事項についてまとめました。
 

行動指針(JIS Q 19011 及び JIS Q 17021-1)

1) 倫理的である。すなわち,公正である,信用できる,誠実である,正直である,そして分別がある。
2) 心が広い。すなわち,別の考え方又は視点を進んで考慮する。
3) 外交的である。すなわち,目的を達成するように人と上手に接する。
4) 観察力がある。すなわち,物理的な周囲の状況及び活動を積極的に観察する。
5) 知覚が鋭い。すなわち,状況を認知し,理解できる。
6) 適応性がある。すなわち,異なる状況に容易に合わせることができる。
7) 粘り強い。すなわち,根気があり,目的の達成に集中する。
8) 決断力がある。すなわち,論理的な理由付け及び分析に基づいて,時宜を得た結論に到達することができる。
9) 自立的である。すなわち,他の人々と有効なやりとりをしながらも独立して活動し,役割を果たすことができる。
10) 道徳的に堅固である。すなわち,その行動が,ときには受け入れられず,意見の相違又は対立をもたらすことがあっても,責任をもち,倫理的に行動することをいとわない。
11) 改善に対して前向きである。すなわち,進んで状況から学ぶ。
12) 文化に対して敏感である。すなわち,被監査者の文化を観察し,尊重する。
13) 協力的である。すなわち,監査チームメンバー及び被監査者の要員を含む他の人々とともに有効に活動する。
14) 職業人(professional)である。すなわち,仕事場において礼儀正しく,誠実で,総じて職務に適した態度を示している。
15) 計画的である。すなわち,効果的な時間管理,優先順位付け,計画策定及び効率性を示す。

 

監査の原則

1) 高潔さ:専門家であることの基礎
2) 公正な報告:ありのままに,かつ,正確に報告する義務
3) 専門家としての正当な注意:監査の際の広範な注意及び判断
4) 機密保持:情報のセキュリティ
5) 独立性:監査の公平性及び監査結論の客観性の基礎
6) 証拠に基づくアプローチ:体系的な監査プロセスにおいて,信頼性及び再現性のある監査結論に到達するための合理的な方法
7) リスクに基づくアプローチ:リスク及び機会を考慮する監査アプローチ

 

 

 

知識及び技能

1) 実施が予定されている監査の,意図した結果を達成するのに必要な知識及び技能
2) 監査に共通に求められる力量,並びに分野及び業種に固有の知識及び技能のレベル
3) 一貫性のある体系的な監査の実施を確実にすること。
4) 監査範囲を理解し,監査基準を適用すること。
5) 被監査者の組織構造,目的及びそのマネジメントの実践を理解すること。
6) 組織の要求事項を認識すること,及びその枠内で監査業務を行うこと。

 

 

 

マネジメントシステム審査員に対する力量要求事項

1) ビジネスマネジメントの実務に関する知識
2) 審査の原則,実務及び技術に関する知識
3) 特定のマネジメントシステム規格・規準文書に関する知識
4) 認証機関のプロセスに関する知識
5) 依頼者の事業分野に関する知識
6) 依頼者の製品,プロセス及び組織に関する知識
7) 依頼者の組織内における全ての階層に対する適切な言語技能
8) メモをとり,報告書を作成する技能
9) プレゼンテーションの技能
10) 面談の技能
11) 審査のマネジメントの技能
12) 審査報告書のレビュー及び認証の決定を行う要員に対する力量要求事項
13) 審査の原則,実務及び技術に関する知識
14) 特定のマネジメントシステム規格・規準文書に関する知識
15) 認証機関のプロセスに関する知識
16) 依頼者の事業分野に関する知識
17) 審査チームに要求される力量を判定し,審査チームメンバーを選定し,審査工数を決定するための申請のレビューを実施する要員に対する力量要求事項
18) 特定のマネジメントシステム規格・規準文書に関する知識
19) 認証機関のプロセスに関する知識
20) 依頼者の事業分野に関する知識
21) 依頼者の製品,プロセス及び組織に関する知識


以上から、監査員又は審査員には、公正である、信用できる、誠実である、正直である、分別がある、専門性がある、審査技術があることが求められる。


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