2024年3月のJISA5308とJISQ1011の改正内容を含めて今後の生コン品質管理について考えた。

 

レディーミクストコンクリートは、日本産業規格が定める工業製品ですが、セメント、骨材、水及び混和材を混ぜるだけの半製品です。また、骨材の品質のバラツキが大きいため二度と同じものは製造できません(同じようなものはできますが)。

 

また、生コンクリートと言うようにレディーミクストコンクリートはなま物です。

時間とともに品質が変化していきます。

 

生産者はそのことを理解していると思いますが、購入者は理解していない方が結構います。納入した際の品質管理試験で目標値の上限値や下限値になることは当然あります。しかし、購入者の中には目標値以外の品質は考えられないと追及する方もいます。

 

【今後の生コン製品管理】

 

①生コン品質

 コンクリートに求められる品質は、施工性と構造物になった時の耐久性です。

 施工性においては、スランプと空気量に着目されますが、現在は化学混和剤の性能が発達しているので、シビアに管理しなくても荷卸し地点で施工しやすいように調整すれば問題ないと考えます。耐久性=強度という観点で現在の規格はできています。強度=水セメント比となりますのでセメントの計量値と水量の管理さえされていれば強度発現は担保されると考えられます。

 

②水セメント比管理

 セメントは、プラント計量値で把握できます。水の量は骨材が持つ表面水率によって変動します。そこで今回の改正で推奨されている自動表面水率測定装置の出番です。自動表面水率測定装置を管理することによって水の量が正確に計量されます。

 そこで製造された生コンのスランプや空気量がJIS規格を満足していなくても強度は担保されます。施工性が悪ければ化学混和剤で調整すればよいのです。

 

③AIの活用

 スランプや空気量の品質は、刻一刻と変化していきます。工場出荷時の品質や荷卸し地点におけるデータ、外気温や運搬中の温度変化、交通情報から推測する運搬時間などのデータをAIにより化学混和剤の添加量を調整して出荷すれば、人が管理調整するよりも最適に調整するでしょう。それでも不測の事態はあるので、そのときは荷卸し地点で購入者が調整して使用すればよいのです。

 

④まとめ

 現在、生コン工場では人材不足の状況が散見されます。規制緩和して最低限ここまで管理すればよい。という方針が必要な時がきているのではないでしょうか。今回のJIS改正で管理項目が軽減されましたが、まだ必要だと思われます。

 コンクリートはまだまだ社会インフラとして必要な建設資材です。出荷・製造部門のAI化、管理の簡素化によって生コン業界を維持してほしいものです。

 

最近、少し考えたことをつぶやきました。

このような方法が良いとも限りませんが、ぜひ皆様にもこれからの品質管理を考えて頂きたいと思います。