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あなたは岩壁沿いに進路を取った。それは進むうちに岩壁を登る坂道になり、遂には岩の間を裂け目のようにぬって走る狭路へと形を変えた。所々で分岐して迷路のように入り組み、傾斜は厳しく走りにくかった。後ろから叫び声が響いた。魔物もあなたを追って来たようだ。
走り進むうちに何度となく分かれ道が現れてあなたの頭を悩ませた。広い道は進みやすそうだったが、それは魔物も追って来やすいことを意味していた。狭い道は魔物を避けるには良いのかもしれないが、進み難く行き止まりに当たる危険も高かった。何にしても闇と霧で先は見通せず、正しい道がどれかは分かりようも無い。あなたは運と勘を頼りに進まざるを得なかった。
今、あなたは細く複雑に折れ曲がった険しい道を走っていた。そして何ヶ所目かの角を曲がった時だ。その先は行き止まりになっていた。あなたは振り返り魔物の気配を窺った。後方から空気を震わせて咆哮が聞こえた。魔物はあなたを追って来ている。引き返すことも進むこともできなかった。あなたは窮地に立たされた。
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