阪神淡路大震災から今日で16年。
関西住みという事で、今日は16年前を少し振り返る事にする。
印刷会社の営業やりながら、バンドではギターを弾いていた頃だった。
震災の揺れはかなりのもので、今までに感じたものでないのがすぐにわかった。
今まで、
寝ている間に起こる地震は体に強くは感じるものの、眠気も手伝って、まどろみながら“まあなんだかんだですぐに止むだろう…”と思ってきた。
実際、今まではすぐに止んできた。
でも、この日の揺れは何かが違った。
ドスン!という揺れの後に、大きくガタガタガタガタと揺さぶられて、それが簡単に止む事はなかった。
『なんで止まらないんだろう…?』
今まで感じた地震じゃなかった。
だから、地震なのかどうかもわからなかった。
家が崩れたりだとか、死にそうだとか、そうは思わなかったんだけれど、
とにかく地震というより、得体の知れない巨人が、家を掴んで力任せに揺らしているような…そんな感じ。
永遠とも思える時間が過ぎた。
地鳴りが小さくなっていった。
その時にやっと正気に戻った。
慌てて、家族に声をかけて、お互いの無事を確認。
愛犬のメルが飛び出してきて、まだ子犬だったメルの奮えは全然止まらなかった。
慌ててテレビをつけても、情報がまだ集まっていなくて、
すごい地震があったというのはわかるんだけれど、
まさか神戸があんな事になっているとは全くわからなかった。
時間が経つに連れ、目を疑うような映像が流れ始め、
ニュースの速報での被害者の数はどんどん増えていった。
神戸の街が消えたように見えた。
これって“現代”なの?というのが最初の印象だった。
教科書で何度も目にした、空襲が起きた後の写真みたいに、街がボロボロになって、あちこちで火事が起こり、その煙が灰色の街を一面包み込んでいた。
自分が以前遊びに行った、『新しくてにぎやかでカラフルな街・神戸』の影も形も無くなっていた。
何が一体起こったのか…。
ここまですごい天災を目の当たりにしたのは初めてだった。
この日は勿論、交通機関も止まっているので仕事が休みになり、
ずっと不安な面持ちで両親とテレビの報道を見ていたのを覚えている。
幸い、知り合いは皆、無事だった。
バンドメンバーのギターのコが神戸で、
窓の無い半地下のアパートの一室に一人で住んでいたから本当に心配したんだけれど、
本職が小学校の先生だったそのコは、たまたまその日早朝から学校で準備をしなくてはならなくて、
朝5時過ぎに家を出ていたらしい。
帰宅後に家の中は家具が倒れてめちゃくちゃになってたらしいから、
いつも通り家に居たら、家具の下敷きになっていたかもしれない。
ただ、同じ神戸の知り合いを何人か亡くしてしまったと言っていた。
今そのコは、当時の同じバンドメンバーだったコと結婚をして、大阪で幸せに暮らしている。
そして今も元気に小学校の先生を続けている。
“あの揺れ”は体がまだしっかり覚えているから、
あの日、あの時から、16年も時が経っているという事に本当に驚いてしまう。
“16年前の今日”という日を振り返られる事に感謝して…、
この日、起こった事をこれからも忘れずに過ごしていきたいと思う。