こんにちは。

ご覧いただきありがとうございます。

 

病名確定まで①のつづきです。

 

「リンパ脈管筋腫症」という病名を言われてから次の診察までの一週間は混乱と涙と情報集めの日々でした。

 

珍しい病気のためインターネットで検索してもなかなか情報が手に入りにくくて、それがまた大きな不安材料でした。

大学病院がいいのかなと一般的に思うけれど、私の住む地域には大きな大学病院は2か所ある。どちらがいいのかわからない。

 

当時の心境をつづった日記があったので記します。

 

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人生には3つの坂がありまして~

「上り坂」、「下り坂」、そして「まさか」

 

まさか自分が急にガラリと病人になるなんて思ってもいなかった。

「リンパ脈管筋腫症」?読めない。聞いたこともない。

 

出産前に何度か咳喘息になっていたから今回もそれと同じようなことだと思っていた。

この咳も風邪のせいなのか、喘息の症状なのか、前と同じように少し経てばマシになるのか全然わからない。

息苦しい気がする。脈が早い気がする。

いい先生に巡り合えるのだろうか。

病状の進行は今どのくらいなのだろうか。

子供がどのくらい大きくなるまで元気で動いていられるのだろうか。

考えても考えても何もわからないし、ただただ怖い。

 

たった一か月前、仕事復帰して、職場に受け入れてもらって、保育園に家族3人で出向く姿は、絵に描いたような幸せ家族だ、と言われていたな…。

 

間違えたと言ってほしい。

診断ミスで本当は治る病気だったと言ってほしい。

 

いつか何もできなくなってしまうのだろうか。

そんな時でも夫は私が妻でよかったと思ってもらえるのだろうか。

治る見込みもなくて子供にしてあげられることはあるのだろうか。

 

咳が出たり苦しかったりする度に、先々への不安や恐れの気持ちが徐々に増してくる。

余命○ヵ月、と言われるのも辛いけど、余命はわからないけどどんどん悪くなっていって、呼吸不全になってそのうち死にます、と言われるのも相当キツイ。

 

夫より

明日何があるかわからないのはみんな一緒。

家族になったんだから一緒に乗り越えていくしかない。

君だって子供が何か病気になって手がかかっても迷惑と思わないのと一緒。

今はまだ難しいかもしれないけれど受け入れて立ち向かっていくしかない。

 

老後、「世話してもらってすまないねー」、って言うはずだったんだけど(笑)

一緒に老後迎えようぜ。

 

言葉がずしんと突き刺さった。

私は幸せ者なんだと思う。

 

<ベートーベンの格言>(どこかのブログから引用)

人間はまじめに生きている限り、

必ず不幸や苦しみが

降りかかってくるものである。

しかしそれを自分の運命として受け止め、

辛抱強く我慢し

さらに積極的に力強く

その運命と戦えば

いつかはかならず勝利するものである。

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↑ベートーベンの格言はその時はいい言葉だと思って書き留めたけど、今は違う言葉のほうがしっくりくる気がしています。

今は病気は戦うものではないかなと思っているからです。

 

人間はまじめに生きている限り、

必ず不幸や苦しみが

降りかかってくるものである。

しかしそれを自分の運命として受け止め、

消化して自分のものにすることができれば

自分にとっての幸せを

感じることができます。

 

とかかな。

「消化」よりいい言葉がありそうです。

 

この翌日病院を再診して、呼吸機能検査をして、半年前と変わっていなかったこと確認。

ほっとしたら咳も徐々に良くなっていきました。

 

知らないことによる恐れ、先が見えないことへの恐れ。

気持ちが体に影響するかもしれないと思った最初の出来事です。

「リンパ脈管筋腫症(LAM)」

この聞きなれない病気が発覚して、病名が確定するまでを書きます。

 

2016年9月 産休開始

2016年10月 出産

2018年4月 1年7ヵ月ぶりに職場復帰

2018年5月 ひどい咳が出て言葉を発することができない状態になる

 

腹の底から出てくるような深い咳で、会話もできないほどだったので

まずは会社の隣のクリニックに行きました。

そこでレントゲンを撮ってもらいましたが肺炎ではなさそう、所見的には異常がなさそうに見える…。

でも酷い咳だし、一度総合病院でCT撮ってもらったら、ということで紹介状を書いてもらい、近隣の総合病院へ。

 

体調不良の中3時間待った挙句、先生には

「ん~…、なんともなさそうだけど、紹介してきてもらったし一応CT撮っておきますか」

なんていう対応で、

来なきゃよかった・・と思いましたが

ここまで待ったしCT撮って

 

そしたら待合室には私しかいないのにその後の診察になかなか呼ばれない…。

レントゲンの画像処理にそんなに時間かかるの?!

と体調不良の中イライラ。

 

ようやく呼ばれたら、先ほどとは変わって神妙な顔をした先生が

「CT画像見てください、黒い水玉みたいの見えるよね。

これ全部肺が壊れているの」と言いながら

「リンパ脈管筋腫症」と紙に書きました。

 

「私も数年前に医大にいたときに一人診たことがあるけど徐々に肺が壊れていく進行性の

とても珍しい病気で、治療法がない」

「女性患者がほとんどの病気だから、子宮を摘出する方法を取ることもあるけど

効果は定かではない」

「まずは病名を確定しないといけないので生検の手術をしないといけない」

「うちの病院でもできるけど、大学病院のほうがよければ紹介状を書く」

「一週間考えてきてください」

 

一気に言われて頭はパンク状態でした。

一体私の体に何が起こっているのだろう。

 

後にわかりましたが、あまりに珍しい病気だったので

この先生も最新情報を知らなったようです。

確かに治療法はないけれど2014年には進行を抑える薬が出ています。

こんにちは。

ご覧いただきありがとうございます。

 

「リンパ脈管筋腫症」という病気はご存知ですか?

おそらく、医療関係者の方でもご存じない方も多いかもしれません。

私も全く知りませんでした。

 

リンパ脈管筋腫症(LAM)-----------------

リンパ管や肺などでLAM細胞という細胞が比較的ゆっくり増える腫瘍性の病気。

(進行がゆっくりなので悪性腫瘍のカテゴリーではない)

 

LAM細胞は肺を壊す酵素を作るため、呼吸機能が徐々に低下し、息切れや呼吸不全をを起こし、在宅酸素療法、さらに進行すれば肺移植をするしかない。

 

患者数は100万人に数人、妊娠可能な女性が患者の多数を占めます。

根本的な治療法は見つかっておらず、2014年に承認された「シロリムス」という薬剤を投与し進行を抑える治療を行います。

10年生存率は85%です。

(ノーベルファーマ株式会社の「知りたい!リンパ脈管筋腫症(LAM)のこと」より抜粋)

国の指定難病です。

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根治せず、ゆっくり徐々に徐々に呼吸が苦しくなって、最後は肺移植を待つしかないなんて、めちゃくちゃ怖くないですか?

 

私は約2年前、咳がひどく出てCTをとったことから病気を指摘されました。

呼吸機能は健康な人の75%ほど。

 

そのときは怖くて不安で、病気になってしまった自分を責めました。

当時一歳の息子が大きくなる過程をどこまで見ていられるのか、

10年後生きていたとしてどのくらい元気な状態で見ていられるのか、

先が見えなくて本当に恐ろしかったです。

 

あまりにマイナーな病気なので情報が少ないことも不安を増やす一因でした。

調べてもほんのわずかな情報しか得られないのです。

 

 

 

そこから2年経過し、結果、今は同じくらいの呼吸機能で無症状で元気です。

薬の副作用でたまに口内炎が出来たり、風邪をひきやすかったり、

マスクをして階段を上ると息が切れたりしますが

日常では病気のことを忘れるくらいケロッとしています。

 

 

当時の私と同じように難しい病気が発覚して、先が見えなくなっている人がいたらこのブログが少しでも役に立つのではないかと思い、私の気持ちが切り替わっていったきっかけや推移を少しずつご紹介していけたらと思います。