井上左官工業の現場ブログ

井上左官工業の現場ブログ

奈良県の左官屋さん。ジュラク塗り・漆喰仕上げ・掻き落としやカラーモルタル・土塀の修復・塗り替え工事や左官の未来など、日々の現場報告や最新の左官情報などをUPしていきます。

おはようございます。気が付けば1月も最終週になってきました。あやうくブログの更新を忘れかけてしまいした。最近はスケジュール管理もスマホに頼り切りです。手書きのアナログ手帳は変わっていないのですが、どうしても約束事を忘れがちで、リマインド機能に慣れてしまうともう戻れないですね。

もの忘れが多くなっているのも、頭を使っていないからかも、気をつけよう。

 

 

さて今朝はもう随分と前のことになりますが、若手社員と一緒に遠山記念館を訪れたときのことをUPします。埼玉にあるものつくり大学から新卒で若手が入社する事となり、卒業制作で作った鏝絵を見せてもらいに行くという社員旅行を企画しました。会社で社員旅行は初めてでした。大学の設備や規模に驚きつつ、しっかりと指導を頂いたようで素晴らしいものを見せてもらいました。

 

 

遠山記念館は簡単にはいけない場所にあります。ひとり旅ではハードルが高かったんです。ずっと行きたいと願うこと10年くらいでしょうか。北関東をレンタカーで走る旅行を企画し、ようやく行くことが出来ました。最高峰の材料と最高峰の技術で建てられており、圧巻の仕事がされていました。↓は蛍壁と呼ばれ、土壁に鉄の削りカスを混ぜて塗り、その鉄から出る錆を蛍が飛んでいるように見せるという仕上げです。

 

 

現在は竣工からもう90年経っているので、土壁そのものの錆も出ています。どの時点で完成として塗られたのか?当時の職人に話を聞いてみたいものです。

↓は玄関の床で研ぎ出しと呼ばれる技法で磨き上げられています。セメントに種石を混ぜ、一つひとつ丁寧に磨き上げて作られています。当時にどのような機械があったのかは分かりませんが、手で砥石で研いだのだろうと想像すると大変なことです。

 

 

他にも驚くべき仕事ばかりでした。何よりもう100年近く前の設計であるにも関わらず、とてもセンスが良く、カッコいいし美しいのに驚きました。自分自身が古建築が好きだからかもしれませんが、ずっと良いと感じるカタチは今も昔もあまり変わっていないのかもしれません。

続きはまた次回にUPしますね。

土蔵再生・土塀の修復や古民家再生など奈良らしい風景や文化を
守る伝統的な左官工事を未来へ継承する井上左官工業株式会社

新年あけましておめでとうございます。昨年はブログを休んでしまいましたが、今年は決めた通りにしっかりと続けていきたいと思っています。会社はあと2日お休みを頂いており、1月7日より元気よくスタートをします。本年もどうぞよろしくお願い致します。

 


 

バブルのような建築好景気から一転し、物価高騰による建築費の増大で建設業界とくに住宅関連は厳しい経済状態になっています。大手企業などは業績が拡大して株価は5万円に突入するなど全体的には上向きだとされていますが、報道などにもあるように、働く人たちの収入は増えていません。



そんな中でここ数年は年始の目標設定に悩む日々でした。本当にどういう方向に時代が進むのかが見えない、実態を伴わない株価が暴落して大恐慌なんて悪い想像もよぎります。
でも!そんな事は自分ではどうすることも出来ません。私はいつの時代も、ものづくりの人達が地道に働くことで社会を下支えしていると信じています。



 

経済の主体がITや海外など、地域に根差した産業から離れていったとしても、我々は地に足をつけた姿でいたい。左官仕事も特殊な仕事や難しい仕事などにも挑戦を続けつつも、ちゃんと基本的な左官仕事を丁寧に親切に行っていくことを大切にしていく。自分たちに出来ることを地道にやる。今年はそんな一年にしていきます。


 

ま、当たり前のことなんですけどね。ここ数年は変わった仕事、新しいやった事のない仕事が多く、浮足立っていた自分への戒めです。今年こそダイエットにも取り組みたい(笑) さぁ!あと2日しっかりと充電して、元気よくスタートしていきたいと思います。

土蔵再生・土塀の修復や古民家再生など奈良らしい風景や文化を
守る伝統的な左官工事を未来へ継承する井上左官工業株式会社

 

 

 

 

 

こんにちは。あいかわらず腰痛で静養中です。この現場に出られない時にブログを頑張ろう!と、思っていたものの、何かとやる事、取り組み始めたことなどあって、バタバタした年末になりそうです。さて、前回の続きをUPしたいと思います。前回大工さんの仕事が左官屋さんの取り組み姿勢にもつながってくると書きました。

 



これは左官に限らず、他のすべての業種にも言えることかと思います。整理整頓などといった事ではなく、仕事の精度によって生まれる美しさは胸に刺さるものがあります。職人同士だから通じる言わずもがなの世界という感じでしょうか。ただそれがね、最近は通じないことが増えてきた。「見たら分かるやん」が通じない、逐一言わないと「言ってない方が悪い」的な・・・。経験の浅い若者ならまだしも、いや愚痴みたいになってきたので、話を切り替えて(汗)



デザインで見せる美しさと、仕事の精度や丁寧さによって生まれる美しさは違うものだと最近感じるようになりました。住まい手の想いを汲んだ設計と、作り手の技術と心が合わさった時に生まれる建築の美しさは、デザイン重視からは決して生み出せない美があるように思います。まだまだ技術的に未熟者が得偉そうなことを書くと笑われますが、志は高くありたい。



大工さんの仕事に負けないように美しく仕上げたい!とは思いつつも、仕上げは荒壁のような少し手跡を残した仕上げでした。土壁で仕上げとなるので、傷やカビなど心配なことをあげればキリがありませんが、本当に土と砂と藁だけの、昔ながらの土壁だからこそ生まれる事を大切にしていきたい。

また来年も土壁仕事の予定もあり、ありがたいことです。少しでもデメリットを抑え、左官に土壁仕事が増えていくように取り組みたいものです。



今週末12月28日~新年は1月6日までお休みを頂きます。また来年も頑張って参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。。

土蔵再生・土塀の修復や古民家再生など奈良らしい風景や文化を
守る伝統的な左官工事を未来へ継承する井上左官工業株式会社

 

 

 

おはようございます!新しい1週間の始まりです。気合い入れて元気よく参りましょう!と言いたいところですが・・・。

実は少し前から腰痛(お尻から足)に苦しんでおりまして、改善するどころか痛みが強くなるばかりなので、辛抱できず整形外科でMRI検査の結果、脊柱管狭窄症とあいなりました(涙)週明けに再診です。身体はボロボロでも気持ちは前に!空元気で参ります!

 



さて、随分と前の現場ですが、サウナ室に土壁を施工させていただく機会がありました。高温となるサウナ内部に施工しても大丈夫なものかと思案していたところ、木摺の下地が出来たとのことで、下見を兼ねて現地にお伺いしました。ぱっと見ただけで圧巻の美しさでした。丁寧に作られた大工さんの下地はとても美しいものです。



土壁など塗らずにこのままの方がよほどカッコいいのではないかと思いました。土壁で汚すのが憚られる仕事でした。それでも土壁仕上げの下地ということで、遠慮しながらも土壁を塗らないとなりません。土も木も自然のものであり、濡れると湿気て膨らむし、乾くと縮みます。それを繰り返すうちに木摺に食い込んだ土壁が剝がれてくることが一番の心配事でした。



ましてや天井面もあるということで、少しでも剥落防止の措置は施しておきたいという思いから、棕櫚縄を全面に張り巡らせることとしました。木摺に巻き付けてあるわけではないので、「ステープルが緩めば落ちるじゃないか」というツッコミを承知の上で、こんなに要るか?というぐらい入れておきました。

美しい大工さんの下地に敬意を込めて、普段なら適当に済ませることも、少し丁寧に間隔を揃えて打ってあります。



我々左官が現場に乗り込んだ際に最も気になるのは大工さんの仕事。気遣いや繊細さを感じれば感じるほど、こちらのハードルも上がる。左官と大工さんって昔からそんな関係にあったのではないでしょうか?

長くなりました、続きはまた後日UPします。

土蔵再生・土塀の修復や古民家再生など奈良らしい風景や文化を
守る伝統的な左官工事を未来へ継承する井上左官工業株式会社

おはようございます。11月も後半に入り一気に冬モードの朝になってきました。左官仕事は気温の影響が強いため、早すぎる硬化から遅すぎる硬化への変更対応の材料を忘れないように気をつけないといけませんね。さて、今朝は前回の続きをUPしたいと思います。

 

 

二分黒の研修とともに行ったのが、伝統的な町屋仕事の意匠を学ぶ内容としました。古い街並みに残る虫籠窓(むしこまど)の作り方ですね。こうした独特の形状には考えられた工夫と意味がそこにはあります。職人衆が見ると「この形はチャレンジしたなぁ」とか、「暑い時期やったんかも無理をしない形やな」など、その形には施工性が比例しています。

 

 

ただ施工性と意匠性を天秤にかけつつ、やはり仕事なので予算との兼ね合いもある。その中で工夫を凝らして見せる窓は、職人のセンスが試されています。実践を重ねてこられた宮奥講師の施工指導では、わずかな事での見え方の違いがあり、手順にも意味があると学べました。

 

 

そんな宮奥講師も「先達の仕事から見よう見まねで学んできたもの」だそうで、そこにある意味や工夫を知れば知るほど「昔の人は凄いなぁ」と尊敬し敬意を払うということにつながるのだと思います。さぁ、学んだは良いものの、「学ぶ事=出来る」というほど簡単な訳もなく、いかに自分の腹に落とし込んで自分のものに出来るかは、各々の参加次第だ。

 

 

知っておくべきことを伝えることは出来ても、そこから先は叱咤激励と機会を与えることしか提供してやれない。頑張ってほしい未来の左官職人さんへ。

 


土蔵再生・土塀の修復や古民家再生など奈良らしい風景や文化を
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