井上左官工業の現場ブログ

井上左官工業の現場ブログ

奈良県の左官屋さん。ジュラク塗り・漆喰仕上げ・掻き落としやカラーモルタル・土塀の修復・塗り替え工事や左官の未来など、日々の現場報告や最新の左官情報などをUPしていきます。

おはようございます。5月も中旬を過ぎいよいよ夏の暑さを感じるようになりましたね。平年に比べて少し遅めの暑さという感じがします。今年も猛暑になるのでしょうか・・・。5.6.7月と外回りの仕上げ仕事が多いだけに、梅雨も含めて悩ましい時期になってきました。毎年のこととは言え、慣れることはありませんね。仕方がない頑張りましょう。

 

 

さて今朝は木と漆喰について書いてみたいと思います。

木と漆喰は相性が良いとよく言われます。それはデザインや意匠的な面のことを指すことが多いと思います。木も漆喰も自然の素材ゆえに、お互いに収縮が起きます。木も縮むし漆喰も縮む。そうなるとチリ隙と呼ぶ隙間が生まれます。今のところ、この隙間を完全に予防する方法はありません。

 

 

また木は縮むだけでなく捻りも起きます。梁のように背の高い箇所はくの字の捻じるのです。製材から加工、そして壁を塗り仕上げるまでの期間が長ければ長いほど捻りは小さくなり、収縮も少なくなります。それは土壁も同じで、乾燥に伴い収縮する急性期と、その後1年2年かけて少しずつ強度を上げつつ収縮する期間があります。

 

 

どちらもそうした期間を必要としていて、緩やかな狂いを故障として発現させない柔軟性を持っているという点では土壁と木の相性は良いと言えます。しかし最近は土壁下地での漆喰塗りという場面が少なくなりました。漆喰は土壁とは異なり緩やかな歪みに対して強いとはいえないため、無垢の木と漆喰だけでは相性は良いとは言えない面もあります。

 

 

言葉が足らずで、誤解を生む表現になってしまっているかもしれません・・簡単にはまとめられませんが、意匠的な相性はとても素晴らしく、繊細なことを追求しなければ問題なく長持ちするし美しいです。ただ、「どんな素材にも弱点はあり、自然のもの同士でそれを補い合うのは難しいものだ」「要は相性は良いけど完璧なペアではないよ」と言いたかっただけです(汗)


土蔵再生・土塀の修復や古民家再生など奈良らしい風景や文化を
守る伝統的な左官工事を未来へ継承する井上左官工業株式会社

 

おはようございます。今日で4月も終わり早くも5月に入りますね。5月からはとても難しい仕事が始まるので、準備やらその後の現場の見本やら、打合せやらで、心の整理がつかない日々でしたが、GWを前にして少しずつ落ち着いて考えることが出来るようになってきました。

ギリギリでしたが何とか今月も月2のブログ更新が間に合いました(汗)

 

 

さて今朝は奈良でよくある黒二分仕上げの塗り替え作業をUPします。外壁の黒といえば、黒漆喰と言われることが多いのですが、奈良では実は二分黒と呼ばれる仕様が多いものです。漆喰とは異なり土を入れ、石灰の割合が2割であることから二分と呼ばれていたとも言われています。土を入れる為、雨には弱く、少しずつ浸食されていき↑写真のような状態になっていることも多くあります。

 

 

左官による外壁の黒壁仕上げには様々な方法があり、またそれぞれにメリットとデメリットがあります。何を使うのか?という打合せにおいては、どうしてもデメリットの説明に重きを置かざるを得ないという昨今の社会のなかで、左官屋さん自身も何を提案すべきなのか悩ましい場面が多いものです。

コストや工期・環境に限らず、自分たちに実現できる技量があるのか?という点も考えなくてはいけない難しい仕事でもあるからです。

 

 

今回は昔と同じ黒二分という仕上げでそのまま修復する選択をしました。簡単な素材もあるし、遠くからしか見えない場所なんで「それでも良いんじゃないか」とも頭をよぎりましたが、技術を伝えていくこと、経験を積むチャンスでもあるし、真摯に取り組もうという結論に至りました。奈良でいう二分黒とは一般的に大津壁とよく似ていると言われます。どちらが先なのかは論争を呼ぶのでここでは触れません(汗)

 

 

こうした塗り替え作業では昔の職人さんの知恵や工夫に触れる機会も多く、多くの学びを得ることが出来ます。とても丁寧に素晴らしい仕事がしてある場面もあれば、そうでない場面も結構あります(笑)いつの時代も条件や個性によって完成度には差が出るものだという点もまた学びでもある。

今回は作業の手順や配合の考え方については触れませんでしたが、また後日にでも左官による黒壁について整理して紹介したいと思います。

 

 

さぁ!今日も予定が詰まってます!気合い入れてより良き日にして参ります。

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守る伝統的な左官工事を未来へ継承する井上左官工業株式会社

 

おはようございます。気が付けばもう月末(汗)。この所、ずっと難しい仕事の準備・サンプル・提案などに追われて、頭が追い付いていない日々です。学生時代に勉強をサボっていたからでしょうね。脳を鍛える習慣が身についていないと実感しています。「若者よ勉強をせよ、考えよ。大事なのは何を学んだかではなく、その習慣だ」とか言いたくなる朝(笑)

 

 

さて、今朝はもう数年前になりますが奈良市内の宿泊施設で施工させて頂いた塗り版築をUPします。以前から塗り版築という技法があることは知っていたものの、機会がなく「自分ならどうするか」という想像するだけだったのですが、挑戦する機会を頂きました。自分は塗り版築はあくまでも版築のリアル模倣が基準だと思っていて、地層風仕上げとは異なるものと考えています。

 

 

ただリアルな版築を目指すとなると、当然ながら版築らしい色という制限も掛かってきます。そういう所は柔軟に考えれば良いものの難しく考える性分なので困ったものです。何色かサンプルを提出し、決めて頂いた色は自分の好きな少しくすんだような色で、これならいい版築壁に出来ると気合いが入りましたね。版築壁で大切なのは一層ごとの天端のライン。この角がシャープに出ているほど引き締まり、リアルさが増してきます。

 

 

施工性と経済性を考えつつ天端のラインをシャープに出すために、本物の版築同様に下から塗り上げて施工をしました。上からだとなかなか難しいんですよね。各地から応援に来てくれた職人からは「なんで下からやねん、上からでも出来るやろー」と言われましたが、いやいやどうしても出来ないんですよね。誰にも気づかれないこだわりかもしれませんが(汗)

 

 

こうして初めての版築壁は迫力ある壁となりました。

奈良にお越しの際は「ホテルニューわかさ」さんへお泊り下さい。こだわりの部屋・おもてなしが待ってますよー

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おはようございます。気が付けばもう月末(いつも同じこと言ってますが)ですね。私が好きな唐招提寺門前の桜も満開となってきました。いよいよ暑い季節が近づいてきています。気持ちも上がって、といきたいところですが、ホルムズ海峡問題で、建築業界も大きな影響がありそうです。見通しが悪い日々ですが、気持ちは前向きに出来ることに取り組んで参ります。

 

 

今回は割れ壁サンプルのご紹介です。割れ壁とは見ての通りひび割れを意匠(デザイン)として捉えて、あえて発生させて仕上げる壁です。割れてしまったではなく、下地や塗り方を工夫して、意図的に表現しています。もちろん好みの分かれるところかと思います。カッコいい!!と感じる方もいれば、怖い、不安といったネガティブに感じる方もおられるのかもしれません。

 

こうした割れ壁でも嫌味な割れ意匠もあったりします。ただ単にヒビが入っていれば良いという訳でもないのです。
 


 

今回は土を使い、土の収縮によるひび割れをデザインとして表現しました。土の割れは反ってくる(剥がれようとする)方向にも起きてくるため、その加減が難しい所です。額縁内で表現すればアートな感じもしてきます。まだまだ色々と試したいこと、表現したことが溜まってきました。

 

また、合間を見て作って紹介していけたらと思います。

 

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こんにちは。あっという間に2月が過ぎ年度末となってきました。昨年からの建設不況で寒ーい日々を過ごしておりますが、バタバタしてようがジッとしていようが、毎日は過ぎていきます。これからを見据え新たな取り組みをと考えつつも、悩み多き春になりそうですー。

さて、今朝は随分と前に東大寺周辺を散策した際に見かけた土塀を考えてみようと思います。

 

 

子どものころから幾度となく見てきた古い土塀ですが、今、改めて見ていると色んな発見があって面白いものです。一番美しいと感じた土塀の写真をUPしています。左官職として眺めていると、当時の施工方法を考えます。恐らくこのように進めたのであろう、その為にはこういう準備が必要で、どれだけ材料が必要となり、施工における役割分担はどうあるべきか?そんな事をとを考えつつ土塀を眺めているとあっという間に時間が経ちます。

 

 

なんといってもこの土塀のリズムの良さには惚れ惚れします。渡す人積む人が小気味よくテンポよく、サッサッさと進めている光景が目に浮かびます。そして何より粘土の成分がとても多くて、雨に強い。雨が掛かるであろう箇所でも当初のままの平滑な肌を維持している。そんな土さえ用意出来れば、今でも同じ結果は得られるのだろうけれど、重機や動力もない時代に、これほどの粘土を施工性の良い硬さで準備をするのはとても大変だと思います。

 

 

一度でいいから当時の施工風景、準備の最中を見てみたい。自分が想像している通りなのか、それとも人力・体力にものを言わせてゴリ押しでやっていたのか?材料はどう合わせた?どこから採ってきた?興味は尽きません。文化財でもない限り、このような土塀を今後新たに築造することなどはないでしょうね。関われることもないだろうから、考えることに意味はないのかもしれない。でもやっぱ美しいんですよね。

 



東大寺の北側にあります。奈良にお越しの際はぜひ見て下さいねー

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