南座の三月花形歌舞伎🌸
今年の演目は…
①「番町皿屋敷」
「一枚…二枚…」の怪談話で知られる
皿屋敷伝説をもとに
岡本綺堂が悲恋物語に作り上げた作品。
中村壱太郎さんのお菊の
若さゆえの危なっかしさがリアルで、
感情の振れ幅の非常に大きなお役ですが
観客はすっかり
お菊の気持ちに感情移入させてもらえます。
そして、
中村隼人さんの青山播磨。
愛するお菊に、
皿を割ることで心を試されたことを知ったあとの
「我が心を試そうとは」から始まる台詞は
怒り、悲しみを爆発させる緊迫感!
観客も背筋が凍りつきます…
「疑われた播磨の無念は晴れぬ」と
ツーっとあたたかい涙を流されていたお顔の
美しいこと…。。
伝統と形が大切な歌舞伎ですが、
そこに現代の役者のあたたかみが加わることが
尊く心を動かされます。
②「芋掘長者」
松ヶ枝家の息女緑御前のため
婿選びの舞の宴をひらき、
最も踊りの上手い人を夫にしようというお話。
登場人物がみんな
憎めない愛嬌のある人物で、
ユーモアに溢れなんてハッピーな作品!
緑御前の中村米吉さんの
可〜愛らしいこと…!!!
姫らしくしとやかでありながら、
踊り好きということでパッと明るい人柄も表され
こんなお姫さまなら
みんな惚れ込んでしまうよねえという説得力。
坂東巳之助さんは
踊りの経験のない藤五郎として
わざと拙い舞をしますが、
それが軽快でコミカルで、
え?こんな動き歌舞伎でしていいんだという
理屈なしで観客をほぐし笑わせてくださいます。
そこから「芋掘り」踊りに切り替えてからの
魂のこもった等身大の踊り!
これには緑御前も心動かされるよねえ。
身を隠して、藤五郎に踊りの手本を見せる、
治六郎を演じる中村橋之助さん。
友人の恋のために尽力する治六郎の姿から、
藤五郎の人の良さもうかがい知ることができ、
え、アドリブなのかな?と思ってしまうほどの
やりとりが楽しくてほっこり。
客席も自然と笑みが溢れていました。
応援している若手歌舞伎役者さんたちを
一度に観られるという贅沢な舞台。
若手役者さんの何が好きかといいますと。
まず、役者さん達の仲の良さ!
互いをリスペクトし合いつつ
素顔の時にはわちゃわちゃトーク見せてくれたり
SNSもされている方がほとんどなので、
そこでの楽しい公開絡みを見せてくれたり、
インスタライブまで(!)
度々企画してくださいます
そして
若者が先人たちから学び、葛藤しながら
伝統芸能の継承する姿を間近に見られること。
これから歌舞伎界を背負っていく皆さんの
覚悟やプライドのお話を聞くのも大好き!
今回、なんと…
最前列
1列目のセンター席
記念に動画におさめました。
三月花形歌舞伎マスク
ロゴが入っています
「これをつけて京都の街を歩いて
宣伝してください」と、中村米吉さん。
トークコーナーでの
中村米吉さん、中村橋之助さん
流石お話がお上手なので
時々、噺家さんでしたっけ?と
思ってしまうほどです。笑
花道では、お写真タイムも
わ〜、花道の下