「いやでも目は覚める」 (「アイロンのある風景」) | coffee house  

「いやでも目は覚める」 (「アイロンのある風景」)

村上 春樹
神の子どもたちはみな踊る
         
    「アイロンのある風景」 ★★★★★★★☆☆☆ 7点

 家出中の女の子(=順子)と関西弁を話す中年のおじさん(=三宅さん)が海辺で焚き火を囲って話しております。そしてある約束をします。順子はしばしの眠りにつくことにします。その時の会話。



「少し眠っていい?」と順子は尋ねた。

「いいよ」

「焚き火が消えたら起こしてくれる?」

「心配するな。焚き火が消えたら、寒くなっていやでも目は覚める」



 ロウソクとか焚き火っていうのは、なんていうか求心力がありますよね。 

 焚き火かぁ、・・・ 僕にとっての「焚き火」っていったいなんなのだろう・・・。

★★★★★★☆☆ 8点(短編集として)

村上春樹 「アイロンのある風景」(『神の子どもたちはみな踊る』 新潮社:2000年)