「いやでも目は覚める」 (「アイロンのある風景」)
- 村上 春樹
- 神の子どもたちはみな踊る
家出中の女の子(=順子)と関西弁を話す中年のおじさん(=三宅さん)が海辺で焚き火を囲って話しております。そしてある約束をします。順子はしばしの眠りにつくことにします。その時の会話。
「少し眠っていい?」と順子は尋ねた。
「いいよ」
「焚き火が消えたら起こしてくれる?」
「心配するな。焚き火が消えたら、寒くなっていやでも目は覚める」
ロウソクとか焚き火っていうのは、なんていうか求心力がありますよね。
焚き火かぁ、・・・ 僕にとっての「焚き火」っていったいなんなのだろう・・・。
★★★★★★★★☆☆ 8点(短編集として)
村上春樹 「アイロンのある風景」(『神の子どもたちはみな踊る』 新潮社:2000年)