『白夜』(ドストエフスキー)
われわれは自分が不幸なときには、他人の不幸をより強く感じるものなのだ。感情が割れずに、かえって集中するのである。
恋人が帰ってくるのをひたすら待ち続ける純粋可憐な女の子に、橋を偶然に通りかかった電車男のような男が恋をする物語です。はらはらどきどきの心温まる??リアリズムの恋愛小説です。
不幸の(感情の)共有が幸福の(感情)共有よりもはるかに求心力があるっていう体験したことないですか? だからおそろしいことに不幸な人間が集まるとおそろしいほどのパワーを身につけるんだと思います。
もう一つ、
誰にとってもこの瞬間の彼女をだますくらい楽なことはなかったにちがいない。それにどんな人間でもこうした瞬間には、たとえどんな慰めの言葉にも喜んで耳をかし、自分を納得させる片影でもあれば、たまらなく嬉しい気持になるものなのだ。
まだ帰ってこない恋人を待ち続ける女とそれを励まし続ける彼。そろそろ諦めの気持がでてきた彼女は疑心と闘っている。そんなときに男は優しい言葉をかける。
僕はこの小説をたぶん中学二年生くらいの頃に読んで、それが初ドストエフスキー体験でした。それからあれやこれや読み漁りました・・・
評価:★★★★★★★☆☆☆ 7点
『白夜』 (ドストエフスキー)たぶん集英社だったと思う