4大関の中では最も安定した勝ち星を挙げながら、
唯1人優勝経験が無く取り残されていた稀勢の里でしたが、
2017年初場所で横綱白鵬を土俵に這いつくばらせ、
堂々の14勝1敗で見事優勝し、それにより横綱審議委員会
が開かれることになりました。恐らく意義無く満場一致で
横綱に推挙されることでしょう。この日ばかりは日本中の相撲フアンが、
稀勢の里の優勝に酔いしれ、喜びを分ち合ったことでしょう。
目出度いことこの上無しです。


賜杯と内閣総理大臣杯を受ける稀勢の里

優勝インタビュウを受ける期せとの里の頰に一筋の涙が
伝わっています。万感胸に迫るものがあったことでしょう。

NHKの相撲解説でお馴染みの北の富士は、心臓の手術を受けられ、
今場所は自宅で静養しておられました。「稀勢の里を優勝させる会」の
会長でしたが、目的が果たされ体調も良くなられることと思います。
因みに同会の副会長は舞の浜です。


国技館を早々と後にする白鵬と、土俵で表彰を受け続ける
稀勢の里、対照的な光景です。
今場所の大関は危ない場面も見られましたが、実力を存分に
見せ付けたたと思います。千秋楽の稀勢の里戦では長くなるのを避け、
一気に押し込もうとした白鵬を、土俵際で弓なりになって
がっぷり受け止め、すくい投げで土俵に這いつくばらせました。
この日の控えの白鵬は目が座っておらず、泳いでいる感じで、
何か集中できずに浮き足立っているように見えましたが、
この一戦で自らの限界と体力の衰えを、
薄々感じさせられたのではないかと思いました。


NHKのサンデースポーツでは日頃言葉数の少ない大関から、
少し寛いで打ち解けて語る言葉を聞くことが出来ました。

若い頃の稀勢の里はまばたきを良くしていましたが、
最近はあまりしなくなりました。それに代って何とも言えない
奇妙な笑顔を見せるようになりましたが、
今場所はそれも見られず、どっしりとした落ち着きが感じられました。


師匠の元横綱隆の里の鳴戸親方は既に亡くなりましたが、
稀勢の里がここにまで来ることが出来たのは、
一重に厳しい親方の指導を受けたからてす。
この親方を追うような横綱になって欲しいものです。
鳴戸部屋はその後田子の浦部屋になりましたが、
この部屋には引退した若の里、小結の高安がいます。