斜め向かいのお宅のおばあちゃんが97歳で亡くなられ、昨日今日とお通夜とお葬式があり参列しました。今迄に
幾度となくお通夜とお葬式に参列しましたが、そこで読経されるお経は仏教徒で無いわたしには意味不明で、
ただ黙って聞くだけで終っていました。ところが今回のお通夜とお葬式は違ったものでした。宗派は曹洞宗でした
が式場の座席には下の写真の刷り物が置かれていました。

一、懺悔(さんげ)の文
生活をふりかえり懺悔して心身を清らかにします。

二、三帰戒
仏・法・僧の三宝に帰依します。

三、三聚浄戒(さんじゅじょうかい)
仏弟子として生きる基本的な誓い
四、十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)
仏弟子としての十項目の規範

刷り物はA4の4ページの「葬儀でお唱えする偈文(げもん)」と題し、一、懺悔の文、二、三帰戒、三、三聚浄戒
四、十重禁戒が印刷されています。これを読むと仏教の教えが良く分ります。お葬式ではお坊さんの読経の後、
それに倣って参列者が一と二を唱和しました。この刷り物のお陰で難解な経文の意味を理解しながら、一緒に
唱和出来てとても親切で退屈することもありませんでした。わたしには受け身型のお葬式では無く、参加型のお
葬式との印象を強くしました。


お葬式に続いて繰り上げ初七日の法要が行われましたが、ここでもお坊さん一人が読経するのではなく、「梅花
流詠讃歌」の中から「追善供養御和讃」を唱和し参列者がこれに参加する形が採られていました。ただ御詠歌の
ようで節廻しく難しく誰も歌うことが出来ず、お坊さんが独唱していました。それにしても何を歌っているのかがこ
の刷り物から良く分りました。読経を聞いてお焼香して帰るお葬式ではなく、お葬式に参列したという実感が伴っ
たお葬式でした。おばあちゃんを仏さんの元にお送り出来たのではないかと思います。