食道静脈瘤はどんな病気か?肝硬変や慢性肝炎、あるいは門脈や肝静脈の狭窄や閉鎖によって、門脈圧が上昇して、その結果、食道の粘膜下層の静脈が太くなって、さらには破裂するものです。その結果、吐血や下血がおこります。肝硬変の死亡原因の主要なもののひとつで、緊急治療を要する恐ろしい病気です。
原因は胃や腸の血液は集って門脈へ流れ込み、これが肝臓を通って心臓へもどります。腸で吸収した栄養物を肝臓で処理して自分の体で使えるものに変えています。たとえば、ブタ肉を食べると胃液中のペプシンや膵液中のトリプシンという蛋白分解酵素がブタ肉をアミノ酸まで分解します。このアミノ酸が腸で吸収されて、血液とともに門脈を経て肝臓に送られて、肝臓のなかで再び合成されて人間の体の蛋白質がつくられるわけです。デンプン質はブドウ糖に分解され肝臓でグリコーゲンとなります。そして、腸で吸収されたアンモニアなど体に有害なものは、肝臓で解毒されます。三便宝
このように胃や腸の血液は肝臓を通る必要があるのです。肝硬変や慢性肝炎では血液が通りにくくなります。門脈や肝静脈の狭窄や閉塞でも、同様に門脈に血液が停滞して門脈圧が亢進してきます。そうすると血液は別の道を通って心臓にもどろうとします。その道のひとつが食道や胃の粘膜下層の静脈で、だんだんと太くなって食道静脈瘤や胃静脈瘤となるわけです。毎日食物が通る道でもあり、静脈瘤が高度になると破裂して、出血することになります。イーリーシン
症状は食道静脈瘤も胃静脈瘤も、それ自体は痛くもかゆくもありません。肝炎や肝硬変になっても、気がつかずに経過している人も多数います。突然吐血して初めて気づくことになります。時にはタール便が続いて出血に気づくこともあります。