僕が子ども時代に一番印象に残った童話「ハマヒルガオの小さな海」を書かれた今西祐行さんの評伝を読み始めました。教科書に掲載されている作品も多いので、おそらく作品にふれている人は多いと思うのですが、その割に著者について語られる機会が少ないので興味を持ったわけです。初めて作者の写真を見ましたが、それは「ハマヒルガオの小さな海」のなかに描かれていた旅人の挿絵通りのイメージでなんだかとても嬉しくなりました。評伝を読んで初めて知ったのですが、あの小さな海は作者が亡くなった戦友を思って千葉の館山へ訪れた際に出来た話ということです。作者の反戦への思いが静かに流れていたのですね。