
金沢21世紀美術館「シアター21」で開催されている金沢コミュニティ映画祭に行ってきました。今回のテーマは「怪奇と幻想の世界」だったので覆面上映作品を期待していたのですが、上映されたのは『博徒七人』。この作品は鶴田浩二が隻眼の匕首使い、藤山寛美が隻腕の拳銃使いと登場人物全員の身体が不自由な設定で、そのハンディキャップにかかわらず悪の親分を倒すという任侠活劇でした。こんな設定ですから封印されているのも仕方ないと思いますが、なぜ今回の企画で上映をしたのか非常に疑問を持ちました。フリークス扱いにしてると非難を受ける危惧もあったのではないでしょうか。
もう一作シネモンドで『アマゾン無宿 世紀の大魔王』を観たのですが、この作品もなぜ今回の企画で上映したのか疑問が残った作品でした。クレジットにあった名だたるコメディリリーフ陣(由利徹、トニー谷、海野かつを、関敬六)がいつ出てくるのかと思っていたらメンタルクリニックでの祭りと称する治療時に集団で大騒ぎ。この怪演がテーマにあってるということだったのか理解に苦しみます。
せっかくの市民映画祭なのに、映画を選んだ方の表現の自由を主張したい個人的な感情が垣間見えたような気がして嫌な気分になったのは正直な気持ちです。といっても滅多に観られない作品の紹介をしようとする意気込みには頭が下がりますし、今後は更により良いコミュニティシネマになっていくことと思います。