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 昨夜、早速賞味第一号として小ざさの最中をいただいた。黒あんと白あん、どちらもねっとりとした甘みもなくさらっと品の良い味だった。 昨日の続き・・・これをみずみずしい状態とするには、技術上簡単ではなく、最も苦心した中の一つでございます。みずみずしさは、煉りの不足や邪道によってではなく、そのときの気候や天候などを予測し、細心の注意を払って製造しております。 ―記― 最 中 農林大臣名誉賞牌 羊 羹 厚生大臣賞 



現在は、二代目稲垣篤子78才)さんが当主であるが、それはそれは長い年月をかけて父親からの厳しすぎる修行を耐えての賜物である。朝は早朝から仕込みをし、夜中まで働きずくめの日々が続いてのことだ。18才で高校を出て家業を継いだのはいいが、厳格な父親の検査は常に「だめだ!」である。苦労に苦労の末、やっと「風が見え始めた。澄んだ炭



の炎の力強さを感じた、小豆の紫の一瞬の輝きの声が聞こえた」・・・平成4年の元旦、午前2時に仕事を終え父親に報告すると、「これからお前のいいようにやれ」と言ってくれた。その数時間後、救急車に運ばれ父親は眠るように92年の人生の幕を下ろした。そのとき彼女は還暦の60才。42年の歳月が流れていた。そして、その父親の職人魂職人技を「小ざさ」の伝統として今も守り続けているのである。




お父さんは、福岡県出身で早稲田の政経を出ているインテリだ。満州で事業を興して成功するが終戦時にシベリアに抑留されること3年。帰国後東京に戻り、昭和26年現在の吉祥寺にて一坪の店を開く。それから自らの修行が始まる。全国の和菓子を食べ歩き試行錯誤を重ね、苦労に苦労の末ついに、逸品小ざさの羊羹が出来上がるのである。・・・

282930日のありがとうございます15,5005,40011,600回。9月計400,900回。43,062,400