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お上人は、「この國の乱れは宗教家が葬式仏教に成り下がっていることにあります。お金はもちろん大事だが、宗教がお金に支配され、民衆の心が離れてしまった」とも話された。それから「僧侶は仏教語で言えば乞食(こつじき)、一般的には乞食(こじき)です。皆様の真心によって食べさせてもらっていると言うことを片時も忘れてはなりません。感謝の気持ちです。これを忘れてはなりません。この庫裡(くり)も、皆様の尊い真心で建てさせて頂いておりますが、皆様に自由に使って頂くことが何より嬉しいことなのです」と。誠にもって謙虚なお方である。それがお顔に出ている。如是相とはまさにこのお顔のことか。



(路肩に彼岸花が咲いている。自然はちゃんと知っている)



このお寺は、35年前、お母様がたった一人で開山されたそうで、そのご苦労の程は想像を絶するものであったに違いない。その後ろ姿をずっと見てこられたお上人は、自然と「人間とは」をしっかり身につけてこられたのではないかと思う。その父親の後ろ姿を見てきた息子さんが、高校二年生の時「父を助ける」と言って得度し、現在は大学で修行を積んでいるという。



お上人はこのようにも話された。「よくご先祖の祟りとか言いますが、そんなものはありゃーしません。可愛い子や孫の命の生みの親が何で祟ったりしますか。神様や仏様も祟ったりしません。祟っているのはご先祖を粗末にしているあなたではないんですか? と言いたいですね」。全くその通りだと思う。宗教者が「罰が当たる」とか、「地獄に堕ちる」とか言って、己の保身のために洗脳してきたのである。この文明社会においても未だに洗脳(マインドコントロール)されている人々のなんと多いことか。いつもふしぎでならなかったが、お上人はちゃんと疑問に答えてくださった。