856

昨夜は、お仕事でご縁を頂いた、足立山の麓の「二鶴」さんで、滅多に食べられない江戸前鮨を堪能させてもらった。北九州では此処だけだし、おそらく九州でも一軒しかないであろう江戸時代から続いた技法のお寿司だ。シャリの味付けには砂糖を入れず、お米本来の甘みと魚の旨みを引き出すように塩と酢だけで、サッパリとした後味になるよう工夫されている。今では東京ですら本格的な江戸前鮨が少なくなっているそうだ。



日本酒に合うというこのお寿司、よく噛んでいるとジンワリとお米の旨みと甘みが広がってくる。(おかげで少々呑みすぎたかなあ?) 魚も季節に合わせて旬の最も美味しいものから順に、横綱から十両までを揃える番付表が掲げてある。



きりりとした男前の大将は、東京でこの江戸前鮨に魅了され11年間修行して、7年前にお父様の跡を引き継いでカウンターに立つようになった。このお店は40年の歴史があり、お父様はまだ69才と言われるから、全く違う手法のお寿司への衣替えには大変な葛藤があったと推測する。しかしそのお父様の何とおだやかなこと、そしてそのお持て成しの徹底ぶりに頭が下がった。タクシーに乗って信号待ちから出発するまで何分間も見送ってくださる。この親にしてこの子ありだ。



それにしても、7人ほどしか座れないカウンターでありながら、しっかり商いができている。遠くからの常連さんも多いようで、「江戸前」にこだわり、間口を絞り込んだ商法が功を奏しているようだ。零細企業が細く長く続いていく秘訣は、このように間口を絞り込み、徹底したお客様御用達商人に徹することではないかと、改めて勉強さて頂いた。無限の無限のありがとうございます