「ご自宅で一番お使いになられる家具はなんですか?」と聞かれたときに、皆様はなんとお答えになられるでしょうか?
現在、”使う”と言う家具は、[備え付けの家具][家具を持たない生活]などの言葉が一般的になっている背景からも、お求めになられるものでは、”テーブル” ”チェア” ”ベッド”いったところが多いのではないでしょうか?
IS FURNITUREは、特に歴史的に古くから多彩なデザイン、使用目的のある、アンティーク家具のチェアを専門に扱っているアンティークショップでございます。
今回、アンティークのダイニングチェアの選び方と題して、アンティークショップの事情などを踏まえ、当店の考える【アンティークダイニングチェア】の選び方をお伝えさせていただきます。
家具購入に大切な3つの視点
IS FURNITUREでは、次の3つの視点が家具の購入後に満足をしてお使い続けていただけることと考えています。
【デザイン】【サイズ】【プライス】
ものの購入の際は、それがどんなものであっても、当然の3つの視点なのですが、家具においては、ほかのどのような商品よりも生活に大きな影響与えてしまう存在のため、特に重要視をしています。
10年以上アンティーク家具の販売をさせて頂いている中で、ご自宅の家具の購入時期というのは、ほとんどの方が ”新築” ”リホーム” の時です。
また、皆様「簡単に家具を捨てれない」と言われます。
当然のことだと思います。
生活の中で使い続けられているものであり、長く使い続けられれば使い続けるほどに愛着は湧きます。
それに、いざ捨てるとなっても、簡単にゴミ箱に入れるわけにもいきません。
そして、アンティーク家具に買換えをされる今まで出会ってきた多くの方が、
「今使っている家具はず〜っと変えたいと思っていた」
とおっしゃられます。
皆様は1年にご自宅の家具の位置を変えられるのは何回ありますか?また、新しい家具に買い換えることは何度ありますか?
ご自宅で家具の模様替えをするのは簡単なことではないかと思います。
服で例えた時に、毎日同じ服を着ているのと同じと思うと、気に入っていない家具がお部屋にあることが、”ず〜っと変えたい”といった言葉にしていすほどの気持ちになるのも頷けます。
毎日着る服を1つ決めなくてはいけないのであれば、私なら勝負服(スーツ)を着たいと思ってしまいます。
まずは、家具の購入の際は、この【デザイン】【サイズ】【プライス】が、今後の生活の満足度を変えてしまうという事を、心に留めて頂きたいと思います。
※「これはあなたから買った家具」だと誇らしげにいって頂けることがございます。ず〜っとお気に召して頂けることに大変嬉しい気持ちになります。
ただ...何年も前のもので、忘れてしまって「すみません覚えていません...」といったことも少なからず...
アンティーク家具における【デザイン】【サイズ】【プライス】それぞれの意味
IS FURNITUREでは、この3つの視点をこのように考えています。
【デザイン】
”好きだと思える直感を大切に”
上記した様に、毎日同じ服を着る感覚に近いため、調和を求め過ぎてしまうより、好きだと思える家具を毎日見たり使ったりできる事が、強いては、調和へと繋がると思っています。
【サイズ】
”人と設置場所との調和”
お部屋といった箱の中をどの様に彩るかが大切と考え、生活が窮屈になる設置(導線が狭いなど)にならない事、また、チェアやテーブルは使う人のサイズに合っているのかといった部分が大切と思っています。
【プライス】
”求める家具に対して自身の決めた金額”
アンティーク家具において、価格といった部分は、購入者様にとっては判断する事が一番難しい部分かと思います。
”この家具にこの金額で購入をするのか?”を考えるのではなく、”この金額まででこの様な家具を探す”といったことを思っていただき、家具探ししてほしいと思っています。
また、常識あるアンティークショップであれば、相談して頂ければ、その場に思い描いた家具がなくとも、そのショップの提供できる金額を伝えてくれるはずです!
※当店では、この様な問合せをいただくと、詳細を聞き過ぎて引かれているのでは...と思うほど、デザイン、サイズ、素材を聞いてしまいます...
IS FURNITUREの考えるアンティークダイニングチェアの選び方
とっても前置きが長くなってしまい、申し訳ありません。
本題の選び方について、お伝えさせていただきます。
まず、ダイニングチェアとは?
【ダイニングテーブルに合わせる、主に食卓にて用いる食事に使う椅子のことを言います。】
日本のダイニングチェアは、リビング兼用のデザインが多く、クッション性が高く、座面の位置がやや低めで、座面部分も広めに取られているものを多く目にする事があります。
本来は、上記した様に食事用の椅子の為、作業椅子の分類とされ、リビングチェア(ティーチェア 、サロンチェアやソファなど)の様なくつろぐ目的なものでない為、アンティークのダイニングチェアでは、多くが食事や書物がしやすい作りとなっています。
上記で挙げた日本で多く目にするダイニングチェアに比べると、座面はやや高く、サイズも若干小ぶり、クッション性も硬めのものが多く存在しています。
もし、アンティークのダイニングチェアをリビング兼用のチェアでお探しなのであれば、ティーチェアやサロンチェアなどで代用することをお勧めいたします。
アンティークのダイニグチェアを3つの視点で探す
さて、3つの視点【デザイン】【サイズ】【プライス】にて、どの様に選ぶべきなのかを、私の個人的な観点ではあるのですが、お伝えさせていただきたいと思います。
アンティーク家具では、多岐にわたる様式(スタイル)が存在いたします。
どの様なデザインがどんな名前で、販売されているのかを知ると、様々なアンティークショップで比べる事ができるので、とても便利です。
また、その中からあなたが求める【デザイン】【サイズ】【プライス】をある程度決めて頂き、どれも大切な点なのではあるのですが、あえて順位をつけて頂きたいと思います。
お勧めとしては、
1,【サイズ】
2,【デザイン】
3,【プライス】
の順番です。
理由としてましては、ダイニングチェアは、多くの方が、毎日座られて使われる椅子をお探しかと思われます。
【サイズ】を1番に持ってくる理由としては、動的な環境に置かれるダイニングチェアは人の動きとの連動が常に存在する家具となります。
合わせられるテーブルとの高さによってダイニングチェアとしての本来の使いやすさが失われることや、座ったり、立ったり、人の行き来する導線に直結した位置にあったりなどダイニングチェアとして座って使用していない時も踏まえ、【サイズ】を間違えてしまうと、それだけでお気に召して頂き購入した家具も、家に入った途端に残念な家具となってしまうことがあります。
アンティーク家具をお選び頂くのであれば、その装飾性豊かな表情や、経年変化による味わい深い表情を楽しんでいただきたいところなのではあるのですが、アンティーク家具として、長い時を超えてきている、その丈夫さにも注目をして頂き、実用性の面を重要視した考えで、ダイニングチェアはご考慮をいただくのがお勧めです。
ちなみに実用面を重要視した際の、座り心地については、費用が発生することがほとんどではございますが、変えることができます。
例えば、座面が布張りのダイニングチェアをあげてご説明させて頂くと
底は板張りの薄いクッション材を敷いた硬めの座面だった場合、底は変えずにクッション材を補充してあげれば、あたり心地がやわらくなります。
また、底をウィービングテープといったバンドに変更して上げれば、沈み込みをプラスさせ、座った際のお尻へのフィット感を増すことができます。
好みや使用目的に対しても異なってくるものなので、難しい所ではあるのですが、基本的なダイニングチェアとして、食事や書き物をするもので、長時間座った状態でいないのであれば、座面の底は板張りでクッション材は薄めのものが、使用としては適切かと思われます。
(ウィンザーチェアやチャーチチェアの様な、板の座面に薄いクッションを乗せてご使用いただくのと近い内容です。)
もちろん、アンティーク家具の【デザイン】を1番重要視されるのも、店舗様などでは【プライス】を1番に重要視していただくのも、その方の考え方なので、あくまで上記した内容は、お勧めまでの内容です。
ただ、順位をつけずに購入を考慮してしまうと、販売店としては、どのような対応が適切なのかが分からなくなってしまい、提案や情報の提供ができない状況へと...
※私の場合は、ダイニングチェアは、【サイズ】→【プライス】→【デザイン】で自分自身の特別な椅子は、【デザイン】→【サイズ】→【プライス】の順番となります。但しこれは、アンティークショップの人間なので...
アンティークのダイニングチェアにおける価格について
一見すると同じようなスタイルとデザインでも、大きく価格の違うことがアンティーク家具には多くあります。
この価格の違いは、使われている木材、年代、作り方、現存している状態によって生まれています。
※アンティークショップの方針によっても変わると思いますが...
得てして、年代の古い現存している状態が良いものは、素材が良く、作りが良いもの(化粧板の厚いや彫刻が深く、鋭角など)が大半です。
やはりその様なアンティーク家具に関しては、高値での取引されることが通常となります。
稀に【掘出し物】と言われるものが存在しますが、ネット販売が主流化している昨今では、価格帯も安定しており、【掘出し物】とされる多くが、年代が古く、素材も上質だが、保存状態が良くなく、修復に手間を要するものとなり、仕入れに大きく影響しているものを味わいを残したまま綺麗に修復を終え、修復の手間賃を価格に乗せずにご提供するサービス品となります。
※本当に極稀に、何十脚も仕入れた椅子の中に、形状は似ていれど、年代がとても古いものが1脚だけ紛れているといったケースが、カントリー系のチェア(ウィンザーチェアなど)には何年に1回存在します。
正直なところ、価格は、現行品の家具の評価の仕方と比べても、さほど変わりません。
ただ、アンティークの家具にだけ存在する年代といった部分は、”経年変化”と言われる木材の色、艶といった味わいの変化が価格に評価されます。
【パテナ】といった古艶を意味する言葉はその年代が大きな影響を及ぼす価格の評価に加えられる魅力の一つです。
【パテナ】は直感的に訴えてくる部分が大きく、実際に見たときの感動や、飽きが来ることなく使い続けれる部分であり、アンティーク家具が味わい深いと称される理由の1つでおまります。
現在作られている家具でも、上質な素材を使用して、オイルフィニッシュなどの天然の仕上げを施した家具には、100年ほど立つことで、感じることができると思います。
アンティークのダイニングチェアご購入
ダイニングチェアのご購入を迷われている方々で、不安に思われることが多いのが、 その座り心地と、アンティーク家具としては、状態ではないでしょうか?
ネット販売(ecサイト)を主体にしている当店がお伝えするのも恐縮な点なのですが、実店舗での確認が一番です。
※当店、ネット販売(ecサイト)主体ですが、実店舗(倉庫?)へのご来店もご対応致しています。
ご自身で座った感触を確認でき、また店員さんと意見や要望を交換しやすくなるので、より充実した内容でのご購入ができます。
ただ店頭では、「こんなこと聞くと失礼かな?」という気持ちがあり聞けない方も中にいることと思います。
(私がそうなので、なかなか聞けないで店頭をぐるぐる回りながら決めることが...)
実際に、ダイニングチェアの修復をどの程度行なっているかは、各アンティークショップにより異なります。
信頼に値するアンティークショップであれば、来店時はもちろん、電話、メールでも問い合わせに対しての返答は必ずいたしていますので、気軽に聞くことをお勧めいたします。
最後に
アンティーク家具におけるダイニングチェアの選び方について、長々と記してしまいました。
最後までお読みいただけました方、誠にありがとうございます。
アンティークショップも大きくそのあり方を変えてきており、現在ではネット販売などの対応も充実している店舗様が多いです。
一昔前までは、
「アンティーク家具の価格はあってないようなものでしょ?」
と言われていた時期もありましたが、ネット普及に伴い、比較が容易にでき、多くの方がアンティーク家具をお求め頂けている世の中になっていることがとても喜ばしい状況でございます。
安心してお求めいただけるアンティークのダイニングチェアを当店でも提供するため、日々努めていますので、起きになることなどございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
余談
余談なのですが、アンティークのダイニングチェアの中でも現在とても人気の高い、ウィンザーチェアの価格の違いを...
アンティーク家具として世に存在するものの大半が、エルム材(ニレ科の広葉樹)とヨーロピアンビーチ(ブナ科の広葉樹)が使用されていますが、ウィンザーチェアの生まれた、16世紀ごろはユーウッド(日本ではイチイという名の針葉樹)を使用されていたとされています。
このユーウッドの使用されたとても古いウィンザーチェアは、1脚あたりが数十万円します。
また、年代的に17世紀、18世紀のエルム&ビーチ材のウィンザーチェアに関しても、同様の価格帯での取引が多いです。
日本でも、アンティークのダイニングチェアとして人気の高いウィンザーチェアですが、実際に目にすることの多いウィンザーチェアは、15,000〜50,000円で販売されていることがほとんどではないでしょうか?
これは、同様のエルム&ビーチ材を使用されていたとしても、19世紀の後期から、20世紀にかけての大量生産におけるものであることが大きな理由として挙げられます。
形だけを見るとさほど違いのないものの、アンティーク家具とされる家具の多くは、経年変化によって生み出されるパテナ(古艶)のまとい方で、実際に感じる雰囲気が全く変わり、この大きな金額の違いを生みます。
また、アーコール社製といったブランド力が価格を引き上げることもあります。
ダイニングチェアの種類1つあげても、多くの違いがあるので、信頼のできるアンティークショップで相談して購入に至るのが、アンティーク家具の購入に満足を与える最も大切なスパイスなのかと思う所存です...
●お問い合わせ
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