この袋も先ほどの携帯用医薬品のセットのうちの一部である。

丸剤や散剤の紙袋はその材料構成に工夫がある。

ここで用いられている紙袋の材料は四層になっている。

なかなか豪華な組み合わせである。

ここでは頻回の使用に耐えうる材料が選ばれている。

金箔は厚さ0.5ミクロン程度であり、豪華な感じは出ているが、湿気の遮断は期待できない。

箔打ち紙は密度の高い高級紙で、当時では医薬品の包装紙として賞賛されていた。

絹は見栄えと、折れ曲げに耐久性を持たせるためと思われる。

外装としての絹は持ち物には高級感があり、最適の材料であった。

金箔の厚みというのは今日の製品は0.3~0.4ミクロンであるから、高い防湿には使えない。

当時の防湿の概念から、防湿の目的として使用するということは考えられない。

医薬品に金箔を使うのは丸剤の外側をコーティングする時である。

金粒というのは高貴な感じがして、しかも、大事なものというイメージを伝えることに役立つ。

富山の売薬では丸剤に金箔を使うことはカビの防止にあるという言い伝えがある。

茶の湯では茶壷の蓋の内側に金箔を使うことがあったが、これは毒物混入のインジケータの役割をしているというが、それほど確実に機能したのかは疑問がある。

異なった性質のフィルム状の材料を貼り合せて、機能的に優れた材料を生み出すことは、今日ではプラスチックフィルムにて、ラミネート加工 と称し、広範囲に行われている。