医療事務の資格試験の中で、最も難易度が高いとされているのが「診療報酬請求事務能力認定試験」です。

 

この試験は、レセプト請求業務を行う者の資質や向上を図ることを目的としています。要するに、レセプト点検をスピーディかつ正確に行える人材を育成しようということです。

 

私も総合病院に勤め始め、半年ぐらい経った頃、レセプト業務を担当することになり、上司から「資格を取ってね」と言われました。たしかが働いていた総合病院のひと月のレセプト請求件数は、入院約1,000件、外来約2万件ぐらいだったかな。それを毎月10日までに提出しないといけない。実際には、10日は提出できるデータを仕上げておかないといけないので、点検期間はもっと短い。本当に時間との勝負でした。

 

それはさておき、「診療報酬請求事務能力認定試験」の詳細について解説していきまーす。

 

診療報酬請求事務能力認定試験の概要

この試験は、レセプト業務に関わる者の資質や向上を図ることを目的としています。

実施しているのは?

公益財団法人 日本医療保険事務協会が実施しています。

 

この協会は、厚生労働省が設置した「診療報酬請求事務等に関する検討委員会」の報告書に基づき、平成6年2月に「診療報酬請求事務能力認定試験等」を行う公益法人として厚生労働大臣が許可し設立。平成25年4月から公益財団法人として内閣府より認定されています。

 

受験資格は?

受験資格は特にありません。誰でも受けることができます。

 

受験料や支払い方法は?

受験手数料は、9,000円(税込)です。

 

受験手数料の支払いは、郵送申込みの場合は、郵便振替のみ。手数料は受験者負担。

 

ネット申込みの場合は、クレジットカード、コンビニ払い、ペイイージーから選択可。

 

受験科目は?

受験科目は、「医科」と「歯科」があります。それぞれに学科試験と実技試験が行われます。

 

出題範囲?

学科試験

  1. 医療保険制度等・公費負担医療制度の概要
  2. 保険医療機関等・療養担当規則等の基礎知識
  3. 診療報酬等・薬価基準・材料価格基準の基礎知識
  4. 医療用語及び医学・薬学の基礎知識
  5. 医療関係法規の基礎知識
  6. 介護保険制度の概要
解答は5者択一式のマークシート方式。
 
実技試験
  • カルテ(診療録)から手書きでレセプト(診療報酬明細書)を作成
  • 医科は、外来1問、入院1問
  • 歯科は、外来3問

 

試験日や時間は?

試験は、年2回(7月・12月)実施。(日曜日または祝日)

 

試験時間は、13時から16時までの3時間です。

 

試験開催地は?

札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、東京都、横浜市、新潟市、金沢市、静岡市、名古屋市、大阪府、岡山市、広島市、高松市、福岡市、熊本市、那覇市

 

全国一斉に行われます。

 

受験の申込み方法は?

郵送とインターネットの2通り。

 

郵送の場合

  1. 協会へ受験案内・願書の用紙を請求する(試験日の3.5か月前から実施)

    返信用封筒(角形2号)に宛先(自宅の郵便番号、住所、氏名)を記入し、140円分の切ってを貼る。別の封筒を用意し、自分の宛先を記入し切って貼った封筒を入れて、協会宛へ送付する。(願書取り寄せの流れ

      〒101-0047 東京都千代田区内神田2-5-3 児谷ビル
      公益財団法人 日本医療保険事務協会

     
  2. 期限までに受験手数料を支払い、願書を簡易書留で郵送し、提出する(2.5か月から1.5か月前まで)

    締切日の当日消印有効。消印が過ぎているものは受付られません。
     
  3. 受験票が届く

 

インターネットでの申込み

協会のホームページから、パソコンのみ申込みができます。24時間受付可能で、クレジットカードも使えるので便利です。事前に写真の用意が必要です。

 

  1. メールアドレス、パスワードの登録
  2. IDの通知(登録したメールアドレスにIDが通知されます)
  3. IDとパスワードを使い、認定試験申込みサイトにログインする
  4. 申込者の情報、受験科目、受験希望地などの必要事項を入力する
  5. 顔写真をアップロードする

    顔写真は、デジカメ・スマホで撮影したものでOK(JPEG形式に限る)。サイズは、縦832px ☓ 横640pxのものを用意する。
     
  6. 受験手数料の支払い

    クレジットカード(1回払いのみ)、コンビニ決済、ペイジー決済から選択可。
     
  7. 申込み完了メールが届く

 

合格率や合格発表は?

合格率は、「医科」が約30%、「歯科」が約38%です。

 

合格発表は、試験月の翌々月末です。7月受験なら9月、12月受験なら2月に発表されます。

 

合格ライン

学科・実技のいずれも満たす場合が合格になる。

 

「医科」

  • 学科試験 70点以上(100点満点)
  • 実技試験 80点以上(100点満点)
「歯科」
  • 学科試験 80点以上(100点満点)
  • 実技試験 80点以上(100点満点)

 

試験の結果は、全受験者に文書で送付されます。また、ホームページでも合格者が発表されています。合格者には「認定証」が交付されます。

 

試験には参考書の持ち込みOK?

試験会場には、診療報酬点数表(早見表)や参考書、各講座のテキストなどは持ち込みが可能です。

 

ただし、パソコン、スマホ、タブレットなどの電子機器の持ち込みは禁止されています。

 

点数表がないと話にならないので、絶対に忘れないでください!

 

他に必要なものは?

  • 受験票
  • HBの鉛筆またはシャープペン、消しゴム
  • 電卓(これ忘れたら最悪! スマホ使えないから暗算ですよ。運が良ければ貸してもらえるかも・・・)
  • 時計(会場に多分あると思うけど)
  • 指サック(あると便利! 早見表の目的のページを素早く見つけられる)
その他許可されているもの
  • 鉛筆削り(別にいらない。鉛筆数本持っていく方がいい)
  • シャーペンの芯(先に詰めておいた方がいい)
  • マーカー(蛍光ペン)(解答用紙への使用は不可)
  • 付箋(メモ用紙代わりに。なくてもいい)
 

います。

持ち込み不可なものは?

  • ボールペン(フリクションもだめ)
  • ナイフやハサミ
ナイフやハサミって、受検案内に書かなくちゃいけない世の中って怖いわね。
 

あとがき

実務でレセプト業務やってる人でも、試験落ちるからねぇ~。

 

なぜって?

 

実務で手書きのレセプトなんて、ほとんど書くことないから。

 

パソコンでデータ入力して、パソコンでデータ集計して、パソコンでレセプト出力して、パソコンで修正して、パソコンからオンライン提出。

 

そう、パソコン、パソコン、パソコン、パソコン・・・ですからね。

 

職場で落ちた人の話を聞くと、完成されたレセプトしか見たことないし、手書きでレセプトなんて書いたことがないから難しいんだって。

 

ひたすら手書きでレセプトを書き続ければ、覚えられるよ。当たり前だけど。実技試験を突破するポイントはそこかな?

 

 

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