05102009
今日はまず、カンナビストの麻生さんに頂いた傍聴記録を載せたいと思います。
成田さんの医療大麻裁判 第2回公判
2009年4月23日(麻生結・記)
4月16日(木)成田さんの医療大麻裁判 第2回公判 東京地裁528号法廷
この日、昼12時から東京地裁の正門前で、成田さんと支援者によるビラ撒きをしました。法廷は、初公判よりも傍聴者が増えていました。
1時半、開廷。最初に弁護人から8点の証拠が法廷に提出されました。その内容は、成田さんがクローン病の患者であることを示す大学病院のカルテ類。クローン病に関するパンフレット、本のコピー、論文。大麻の医療使用に関する論文などです。
1時35分、弁護人による被告人質問がはじまりました。【以下、弁=弁護人。検=検察官。被=被告、成田さん。法廷での発言のメモを基にしたものです。プライバシーに関わる部分、その他を一部省略しています。( )=記録者による補足です。】
弁:大麻とLSDの所持については間違いありませんか。
被:間違いありません。
弁:LSDを所持していたのはなぜでしょうか。
被:自分自身がクローン病と診断されたことで、(人生が)まっ暗になってしまいましたが、LSDの作用を体験することで、病気と向き合って前向きに生きていこうという気持ちになれたからです。
弁:供述調書では、LSDについて粘膜の再生にも効果があると述べていますが。今回の裁判ではLSDについて争いますか。
被:いいえ。LSDについては争いません。
弁:大麻所持の理由はクローン病にかかっているということだと訴えていますね。
被:はい。
弁:クローン病と診断されたのはいつでしたか。
被:2004年1月です。
弁:どういう経緯で診断が下りたのですか。
被:2003年夏から秋、もともと体がだるかったのがピークに達し地元の病院を受診したところ、体の中に膿が溜まっていて出さなければならない。もしかしたらクローン病かもしれないと言われました。その後、東京でも手術をし、さらに検査の結果、クローン病と認定されました。
弁:(当初)地元の病院で受けた診断ではどんな病名でしたか。
被:肛門周囲膿症です。
弁:いわゆる痔瘻ですね。はじめて痔瘻の診断を受けたのはいつですか。
被:1999年の夏か秋に痔瘻と診断されました。
弁:どんな治療を受けましたか。
被:塗り薬などを渡されました。
弁:治りましたか。
被:全く治りませんでした。
弁:【証拠として提出された大学病院の平成15年11月13日の入院の記録、平成19年12月25日入院の記録、平成19年9月15日入院の記録、外来の診断の記録などをもとに被告、成田さんに質問をしました】
弁:平成15年11月13日の入院について聞かせてください。
被:クローン病かもしれないということで(ということもありましたが)、東京の大学病院で痔瘻の手術を受けたときのものです。
弁:どんな手術でしたか。
被:【痔瘻の手術についての具体的な説明をしました】
弁:(体から膿みを出す為の)シリコンのチューブを、どのぐらいの期間付けていましたか。
被:このときは半年です。
弁:このときの内視鏡検査報告書がありますね。
被:この診断で、クローン病と認定されています。
弁:痔瘻もクローン病に起因する病状の一つでしょうか。
被:はい。
弁:ここには平成17年からの受給者症がありますが、平成17年にはじめてもらったのでしょうか。
被:平成16年に(そう)診断され、その後、まもなく受給者証をもらいました。
弁:(クローン病の)治療法は確立されていないのでしょうか。
被:はい。
弁:どんな病状なのでしょうか。
被:緩解期という病状が落ち着いている状態と、病状が進行する再燃期があり、それを繰り返しています。
弁:今はどうでしょうか。
被:いまだに肛門の周囲には傷があり、そこから膿や血が出ています。体調が悪いと下痢もします。
弁:(病気によって)日常生活で苦しいことや苦労はありますか。
被:手術の直後は、痛みがひどいです。外では排便ができません。患部の清潔を保つ為に、毎回、自宅に戻らなくてはなりません。また、突然手術することになると、一般の会社だと、突然、会社を休むということになってしまう。いわゆる一般的な社会生活を送る事自体が容易ではありません。
弁:現在の病状はどうですか。
被:中程度と言われています。
弁:平成15年以降も入院したり、手術していますか。
被:その後、一度手術しています。
弁:どういう病状でしたか。
被:このときは、たまたま大麻が手に入らず、体が限界に来ていました。肛門の周囲が晴れ上がり、瘻孔からは膿が出続けていた。緩解と再燃くりかえすのがクローン病です。
弁:容態が悪くなると、絶食をしたり、人口肛門をつけなくてはならないのですね。
【ここで検察官が「それはお医者さんが言ってることか、被告人が思っていることか」と遮りました】
弁:人口肛門が必要になるというのは一般論です。
【裁判官は「まあ、いいので」と被告人質問を進めるよう促しました】
弁:何歳のときにクローン病と診断されたのですか。
被:平成16年ですから24歳です。
弁:そのときの心境を聞かせてください。
被:目の前がまっ暗になりました。将来、結婚したら子供に遺伝するのではないか。食べものが、一切食べれなくなったり、人口肛門を付けたりして生きていくしかないのかなと思いました。
弁:日本で大麻にはじめて手を出したのはいつですか
被:クローン病と診断された後(病気のことで)いっぱい、いっぱいで解決策が見つからず、途方に暮れていた時です。
弁:最初はどこで大麻を経験したのですか。
被:アジアに居たとき、たまたま外国人に勧められて。そのとき体調が良くなった、ということが当時からありました。
弁:その後、調べてみてクローン病に効果があると知ったのでしょうか。
被:まず、クローン病と診断されてから自分の病気のことを調べていました。(大麻が有効なことは)その時にインターネットで知りました。1999年にはワシントン州で医療大麻法の適用疾患の一つに加えられ、実際に効果があるようだと書かれていた。炎症の抑制、腸管の修復に大麻が効果があるという情報がありました。(また)大麻が使えるようになって、病状が良くなったという情報がありました。
弁:(あなたは)英語はできるのですか。
被:日常会話は問題ありません。高1で英検2級を取りました。
弁:(クローン病に大麻が有効であるという)資料などもあるのですね。
弁:こちらは、いま翻訳中で近日中に、提出できます。
弁:大麻をクローン病の治療に使うことができる国や地域をあげてみてください。
被:カリフォルニア、ロードアイランド、ハワイ州、カナダ、イスラエル等。スペインでも自己治療目的での使用は罰せられません。
弁:大麻を吸うとどうなるのですか。
被:まず、僕の場合、ストレスで病状が悪化します。胃腸がうずく、体が抑制的にだるい。そういうものから解放されます。
弁:(東京駅で)職質されたときの供述調書のことを話してください
被:(そのとき)「そこには内臓の粘膜を強める薬があるんだ」と答えたのは、クローン病に効果があるということです。
弁:供述調書では、ストレスを和らげるために(大麻を)所持していたということですか。
被:そこで言っているストレスというのは、クローン病の場合、ストレスそのものが粘膜の状態を悪化させるということで、一般の人が(使っている意味の)ストレスを発散させるというような軽い意味ではありません。
弁:現在の治療について聞かせてください。
被:投薬が主です。毎日20錠の薬を飲んでいます。抗炎症剤、ステロイド剤、免疫抑制剤、胃を保護する薬などです。それでも緩解期が続くとは限りません。
弁:副作用があるのでしょうか。
被:特にステロイド剤は飲んでいるだけで緑内障や白内障、不眠、精神的不安定もなり、肌がものすごく荒れたり、湿疹ができます。
弁:(クローン病を)大麻で治療している人もいるのですか。
被:海外では大麻のみで治療している人がいることをインターネットで知っています。
弁:(逮捕されて以降)大麻を使っていないのですが病状はどうでしょうか。
被:不眠気味です。病状の指標となる炎症反応の数値も上がっています。ほぼ、2ヶ月おきに病院に行って検査を受けていますが、CRP(炎症反応)という白血球の数を表している数値があります。昨年11月18日、ちょうど逮捕された日のCRPは0.23。保釈後の12月25日の検査では1.23と跳ね上がっている。それ以前のCRPは安定していた。その前後での状況の違いとして考えられることとしては、捕まっている間は、大麻を使用していなかったこと。捕まっていることによるストレスも多少あると思うが。
弁:海外のお医者さんと話されたそうですが。
被:ジェフ・ヘルゲンラザーさんというカリフォルニアのお医者さんとインターネットのスカイブ、テレビ電話で1時間半話しました。(日本の)カルテを見せて、聞かれた数字を読み上げました。
弁:なんと言っていましたか。
被:僕の症状はカルテの通りだが、過去に使用していた倍の量(の大麻)が良いと言われました。
認められるなら日本に来て、法廷で証言してもいいと言ってくれました。
弁:海外ではどうやって(医療大麻を)使っているのですか。
被:主に、巻いたものを吸っているか、(成分を)気化させるベーポライザーを使っているそうです。
弁:医療大麻を合法化すべきだと思っているのですか。
被:大麻は有害性があるから規制していると言われていますが、大麻の有害性について明確な根拠になる資料はないそうです。海外では実際に大麻で治療している人がいます。僕の病気以外にも大麻が有効な病気があり、(今は)患者にとって不利益な状態になっている。日本では研究もできない。厚生労働省の担当者に大麻の医療面での効果について電話で聞いたところ、そういった情報は一切、把握していませんという答えでした。僕以外にも医療面での使用を禁じられていることで困っている人がいる。憲法という根本的な法律に則って対処してほしいと思います。不必要な薬を飲み続けなければならない。大半の患者は医者にまかせるしかないと思っているが、難病については医者も解らないので、自分で調べてやるしかない。
【2時20分から、もう一人の弁護人による弁護人質問の補足がありました】
弁:精神的なストレスが病状を悪化させるということですね。
被:(ストレスは)体に出てくる。うずきを感じます。一般の人には、そういったこと自体ないようですが、肉体的に(自覚として)ストレスを感じます。
【今回は予定されていませんでしたが、急遽、2時25分から、検察官による弁護人質問がありました】
検:特定疾患の受給者証の住所が関西になっていますが。
被:東京にいて倒れたときのことを考えて実家の方に移しました。
検:なぜ、ご両親と同居しなかったのですか。
被:東京で生活していたので。先々の可能性がなくなってしまうので。
検:大麻を本格的に使うようになったのは平成16年のはじめからですか。
被:1月8日に検査があり、1月中旬ぐらいに検査結果が出た。それからです。
検:どのくらいの割合で大麻を使っていたのか。
被:手に入ればなるべく吸うといったところです。
検:ストレスが溜まったときに(大麻を)買っていたのですか。
被:買えるチャンスがあればということです。
検:回数をあげると、二日に一回とかですか。
被:あれば一日何回か、なければ全く吸わないといったところです。
検:(大麻が)なければないで生活できるのですか。
被:生活自体はできるが、体調は悪くなる。できれば常に吸いたいが、金銭的な問題もあるので、そうもいかなかった。
検:気づいたときに(渋谷の)センター街に行っていたということですが、定期的に卸してもらうとか考えなかったのですか。
被:密売人が捕まれば、自分も捕まってしまうので、そういうことは考えなかった。
検:現行犯で捕まったとき、その自分が持っているものは大麻だとは言わなかったのですか。どうしてですか。
被:薬が入っていると言いました。
検:捕まりたくないという気持ちはあるんですね。
被:はい。
検:(かかりつけの)医大には大麻を使っていると言ってるんですか。
被:言ってません。
検:海外の大麻での治療について担当のI先生は有効であるという考えではないようですか。
被:大麻について説明しようとしたらこちらで調べるからいいよと言われました。それについてはコメントできないと言われた。全く受け付けてくれなかった。
検:最初の相談はいつですか。
被:平成19年の入院より少し前のことです。
検:どうして最初に(担当医師に)あしらわれただけで、それ以上、言うのを止めたのですか。
被:入院したときに看護婦さんに、お医者さんと製薬会社のつながりの深さを聞いて、(大麻の件は)無理だと思った。また、お医者さんの心証も悪くしたくなかった。
検:転院とか考えなかったのですか。
被:どこの病院にも(理解ある医師は)見られません。
検:クローン病に関し日本に学者はいないのですか。
被:大麻による治療を研究出来る医者は日本にはいません。
検:薬は毎日飲んでいたんでしょうか。
被:基本的には飲んでいました。
検:副作用のある薬と大麻を併用することについて相談していますか。
被:相談していません。
検:なぜ、先生(担当医)に相談しなかったのですか。
被:判断基準がない日本では、正確な回答は得られないと思いました。
検:そんなにお医者さんが信用できないということなら、通う意味はなかったということですか。
被:全く耳をかさないということでも、定期的な状況のモニタリングや悪化した際の対処などは必要で、意味をなさないということではありません。
検:大麻とLSDを併用してクローン病に悪い影響があると考えなかったのですか。
被:そういった研究データはみたことがありません。
検:LSDの規制についてどういう意見ですか。
被:今の現状だと規制せざるを得ないと思います。
検:副作用のある薬に関して、(担当医に)薬を変えてほしいと言ったことはありましたか。
被:ハルシオンを飲みたくないので変えてほしいと言って、変えてもらいました。
検:外国で(医療大麻が使われ)吸っているということですが、毎回の使用量などもお医者さんの指導の下ですか。お医者さんと相談してのことですか。
被:処方というよりも、使用結果をモニタリングするのが一般的です。量については個人差もあり、個人の裁量に任されている(という面がある)。肉体的に実感できるので患者自身による判断によります。
検:中島らもさんのケースはご存知ですか。大阪地裁の医療大麻が問題になった。
被:はい。
【2時45分。以上で検察官による被告人質問は終了しました。続いて、弁護人による弁護人質問の追加がありました】
弁:クローン病に限らなければ、医療大麻の研究をしている医師は日本にいるのでしょうか。
被:います。薬理学の先生と三時間くらい話をしました。その先生も、現在は規制されているが、臨床研究はできるようになるべき、大麻の医療使用について研究を進めるべきと述べていました。
【裁判官から「検察官の質問は」という問いかけに対し検察官から「もうけっこうです」という返答がありました。また裁判官から、クローン病と大麻の資料翻訳と証人について、いつごろになるか弁護人に問いかけがあり、5月下旬になるとの返答がありました。最後に次回公判は、5月28日(木)、午後3時から258号法廷になることが決まりました】
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あと、4月の19日にあった、420JAPANのデモの写真を頂きました。
http://www.photohighway.co.jp/AlbumPage.asp?un=3372&key=2222071&m=0
動画もまだ編集が終わっていないですが、またアップします。
PR的なこと。
最近、カンナビストのグッズとかデザインしてます。
次回のマリファナマーチで販売されると思うので、よろしくです☆
資金的な解決策として、医療大麻解放戦線でも何かまた作ろうと思うのですが、どうでしょう?
成田さんの医療大麻裁判 第2回公判
2009年4月23日(麻生結・記)
4月16日(木)成田さんの医療大麻裁判 第2回公判 東京地裁528号法廷
この日、昼12時から東京地裁の正門前で、成田さんと支援者によるビラ撒きをしました。法廷は、初公判よりも傍聴者が増えていました。
1時半、開廷。最初に弁護人から8点の証拠が法廷に提出されました。その内容は、成田さんがクローン病の患者であることを示す大学病院のカルテ類。クローン病に関するパンフレット、本のコピー、論文。大麻の医療使用に関する論文などです。
1時35分、弁護人による被告人質問がはじまりました。【以下、弁=弁護人。検=検察官。被=被告、成田さん。法廷での発言のメモを基にしたものです。プライバシーに関わる部分、その他を一部省略しています。( )=記録者による補足です。】
弁:大麻とLSDの所持については間違いありませんか。
被:間違いありません。
弁:LSDを所持していたのはなぜでしょうか。
被:自分自身がクローン病と診断されたことで、(人生が)まっ暗になってしまいましたが、LSDの作用を体験することで、病気と向き合って前向きに生きていこうという気持ちになれたからです。
弁:供述調書では、LSDについて粘膜の再生にも効果があると述べていますが。今回の裁判ではLSDについて争いますか。
被:いいえ。LSDについては争いません。
弁:大麻所持の理由はクローン病にかかっているということだと訴えていますね。
被:はい。
弁:クローン病と診断されたのはいつでしたか。
被:2004年1月です。
弁:どういう経緯で診断が下りたのですか。
被:2003年夏から秋、もともと体がだるかったのがピークに達し地元の病院を受診したところ、体の中に膿が溜まっていて出さなければならない。もしかしたらクローン病かもしれないと言われました。その後、東京でも手術をし、さらに検査の結果、クローン病と認定されました。
弁:(当初)地元の病院で受けた診断ではどんな病名でしたか。
被:肛門周囲膿症です。
弁:いわゆる痔瘻ですね。はじめて痔瘻の診断を受けたのはいつですか。
被:1999年の夏か秋に痔瘻と診断されました。
弁:どんな治療を受けましたか。
被:塗り薬などを渡されました。
弁:治りましたか。
被:全く治りませんでした。
弁:【証拠として提出された大学病院の平成15年11月13日の入院の記録、平成19年12月25日入院の記録、平成19年9月15日入院の記録、外来の診断の記録などをもとに被告、成田さんに質問をしました】
弁:平成15年11月13日の入院について聞かせてください。
被:クローン病かもしれないということで(ということもありましたが)、東京の大学病院で痔瘻の手術を受けたときのものです。
弁:どんな手術でしたか。
被:【痔瘻の手術についての具体的な説明をしました】
弁:(体から膿みを出す為の)シリコンのチューブを、どのぐらいの期間付けていましたか。
被:このときは半年です。
弁:このときの内視鏡検査報告書がありますね。
被:この診断で、クローン病と認定されています。
弁:痔瘻もクローン病に起因する病状の一つでしょうか。
被:はい。
弁:ここには平成17年からの受給者症がありますが、平成17年にはじめてもらったのでしょうか。
被:平成16年に(そう)診断され、その後、まもなく受給者証をもらいました。
弁:(クローン病の)治療法は確立されていないのでしょうか。
被:はい。
弁:どんな病状なのでしょうか。
被:緩解期という病状が落ち着いている状態と、病状が進行する再燃期があり、それを繰り返しています。
弁:今はどうでしょうか。
被:いまだに肛門の周囲には傷があり、そこから膿や血が出ています。体調が悪いと下痢もします。
弁:(病気によって)日常生活で苦しいことや苦労はありますか。
被:手術の直後は、痛みがひどいです。外では排便ができません。患部の清潔を保つ為に、毎回、自宅に戻らなくてはなりません。また、突然手術することになると、一般の会社だと、突然、会社を休むということになってしまう。いわゆる一般的な社会生活を送る事自体が容易ではありません。
弁:現在の病状はどうですか。
被:中程度と言われています。
弁:平成15年以降も入院したり、手術していますか。
被:その後、一度手術しています。
弁:どういう病状でしたか。
被:このときは、たまたま大麻が手に入らず、体が限界に来ていました。肛門の周囲が晴れ上がり、瘻孔からは膿が出続けていた。緩解と再燃くりかえすのがクローン病です。
弁:容態が悪くなると、絶食をしたり、人口肛門をつけなくてはならないのですね。
【ここで検察官が「それはお医者さんが言ってることか、被告人が思っていることか」と遮りました】
弁:人口肛門が必要になるというのは一般論です。
【裁判官は「まあ、いいので」と被告人質問を進めるよう促しました】
弁:何歳のときにクローン病と診断されたのですか。
被:平成16年ですから24歳です。
弁:そのときの心境を聞かせてください。
被:目の前がまっ暗になりました。将来、結婚したら子供に遺伝するのではないか。食べものが、一切食べれなくなったり、人口肛門を付けたりして生きていくしかないのかなと思いました。
弁:日本で大麻にはじめて手を出したのはいつですか
被:クローン病と診断された後(病気のことで)いっぱい、いっぱいで解決策が見つからず、途方に暮れていた時です。
弁:最初はどこで大麻を経験したのですか。
被:アジアに居たとき、たまたま外国人に勧められて。そのとき体調が良くなった、ということが当時からありました。
弁:その後、調べてみてクローン病に効果があると知ったのでしょうか。
被:まず、クローン病と診断されてから自分の病気のことを調べていました。(大麻が有効なことは)その時にインターネットで知りました。1999年にはワシントン州で医療大麻法の適用疾患の一つに加えられ、実際に効果があるようだと書かれていた。炎症の抑制、腸管の修復に大麻が効果があるという情報がありました。(また)大麻が使えるようになって、病状が良くなったという情報がありました。
弁:(あなたは)英語はできるのですか。
被:日常会話は問題ありません。高1で英検2級を取りました。
弁:(クローン病に大麻が有効であるという)資料などもあるのですね。
弁:こちらは、いま翻訳中で近日中に、提出できます。
弁:大麻をクローン病の治療に使うことができる国や地域をあげてみてください。
被:カリフォルニア、ロードアイランド、ハワイ州、カナダ、イスラエル等。スペインでも自己治療目的での使用は罰せられません。
弁:大麻を吸うとどうなるのですか。
被:まず、僕の場合、ストレスで病状が悪化します。胃腸がうずく、体が抑制的にだるい。そういうものから解放されます。
弁:(東京駅で)職質されたときの供述調書のことを話してください
被:(そのとき)「そこには内臓の粘膜を強める薬があるんだ」と答えたのは、クローン病に効果があるということです。
弁:供述調書では、ストレスを和らげるために(大麻を)所持していたということですか。
被:そこで言っているストレスというのは、クローン病の場合、ストレスそのものが粘膜の状態を悪化させるということで、一般の人が(使っている意味の)ストレスを発散させるというような軽い意味ではありません。
弁:現在の治療について聞かせてください。
被:投薬が主です。毎日20錠の薬を飲んでいます。抗炎症剤、ステロイド剤、免疫抑制剤、胃を保護する薬などです。それでも緩解期が続くとは限りません。
弁:副作用があるのでしょうか。
被:特にステロイド剤は飲んでいるだけで緑内障や白内障、不眠、精神的不安定もなり、肌がものすごく荒れたり、湿疹ができます。
弁:(クローン病を)大麻で治療している人もいるのですか。
被:海外では大麻のみで治療している人がいることをインターネットで知っています。
弁:(逮捕されて以降)大麻を使っていないのですが病状はどうでしょうか。
被:不眠気味です。病状の指標となる炎症反応の数値も上がっています。ほぼ、2ヶ月おきに病院に行って検査を受けていますが、CRP(炎症反応)という白血球の数を表している数値があります。昨年11月18日、ちょうど逮捕された日のCRPは0.23。保釈後の12月25日の検査では1.23と跳ね上がっている。それ以前のCRPは安定していた。その前後での状況の違いとして考えられることとしては、捕まっている間は、大麻を使用していなかったこと。捕まっていることによるストレスも多少あると思うが。
弁:海外のお医者さんと話されたそうですが。
被:ジェフ・ヘルゲンラザーさんというカリフォルニアのお医者さんとインターネットのスカイブ、テレビ電話で1時間半話しました。(日本の)カルテを見せて、聞かれた数字を読み上げました。
弁:なんと言っていましたか。
被:僕の症状はカルテの通りだが、過去に使用していた倍の量(の大麻)が良いと言われました。
認められるなら日本に来て、法廷で証言してもいいと言ってくれました。
弁:海外ではどうやって(医療大麻を)使っているのですか。
被:主に、巻いたものを吸っているか、(成分を)気化させるベーポライザーを使っているそうです。
弁:医療大麻を合法化すべきだと思っているのですか。
被:大麻は有害性があるから規制していると言われていますが、大麻の有害性について明確な根拠になる資料はないそうです。海外では実際に大麻で治療している人がいます。僕の病気以外にも大麻が有効な病気があり、(今は)患者にとって不利益な状態になっている。日本では研究もできない。厚生労働省の担当者に大麻の医療面での効果について電話で聞いたところ、そういった情報は一切、把握していませんという答えでした。僕以外にも医療面での使用を禁じられていることで困っている人がいる。憲法という根本的な法律に則って対処してほしいと思います。不必要な薬を飲み続けなければならない。大半の患者は医者にまかせるしかないと思っているが、難病については医者も解らないので、自分で調べてやるしかない。
【2時20分から、もう一人の弁護人による弁護人質問の補足がありました】
弁:精神的なストレスが病状を悪化させるということですね。
被:(ストレスは)体に出てくる。うずきを感じます。一般の人には、そういったこと自体ないようですが、肉体的に(自覚として)ストレスを感じます。
【今回は予定されていませんでしたが、急遽、2時25分から、検察官による弁護人質問がありました】
検:特定疾患の受給者証の住所が関西になっていますが。
被:東京にいて倒れたときのことを考えて実家の方に移しました。
検:なぜ、ご両親と同居しなかったのですか。
被:東京で生活していたので。先々の可能性がなくなってしまうので。
検:大麻を本格的に使うようになったのは平成16年のはじめからですか。
被:1月8日に検査があり、1月中旬ぐらいに検査結果が出た。それからです。
検:どのくらいの割合で大麻を使っていたのか。
被:手に入ればなるべく吸うといったところです。
検:ストレスが溜まったときに(大麻を)買っていたのですか。
被:買えるチャンスがあればということです。
検:回数をあげると、二日に一回とかですか。
被:あれば一日何回か、なければ全く吸わないといったところです。
検:(大麻が)なければないで生活できるのですか。
被:生活自体はできるが、体調は悪くなる。できれば常に吸いたいが、金銭的な問題もあるので、そうもいかなかった。
検:気づいたときに(渋谷の)センター街に行っていたということですが、定期的に卸してもらうとか考えなかったのですか。
被:密売人が捕まれば、自分も捕まってしまうので、そういうことは考えなかった。
検:現行犯で捕まったとき、その自分が持っているものは大麻だとは言わなかったのですか。どうしてですか。
被:薬が入っていると言いました。
検:捕まりたくないという気持ちはあるんですね。
被:はい。
検:(かかりつけの)医大には大麻を使っていると言ってるんですか。
被:言ってません。
検:海外の大麻での治療について担当のI先生は有効であるという考えではないようですか。
被:大麻について説明しようとしたらこちらで調べるからいいよと言われました。それについてはコメントできないと言われた。全く受け付けてくれなかった。
検:最初の相談はいつですか。
被:平成19年の入院より少し前のことです。
検:どうして最初に(担当医師に)あしらわれただけで、それ以上、言うのを止めたのですか。
被:入院したときに看護婦さんに、お医者さんと製薬会社のつながりの深さを聞いて、(大麻の件は)無理だと思った。また、お医者さんの心証も悪くしたくなかった。
検:転院とか考えなかったのですか。
被:どこの病院にも(理解ある医師は)見られません。
検:クローン病に関し日本に学者はいないのですか。
被:大麻による治療を研究出来る医者は日本にはいません。
検:薬は毎日飲んでいたんでしょうか。
被:基本的には飲んでいました。
検:副作用のある薬と大麻を併用することについて相談していますか。
被:相談していません。
検:なぜ、先生(担当医)に相談しなかったのですか。
被:判断基準がない日本では、正確な回答は得られないと思いました。
検:そんなにお医者さんが信用できないということなら、通う意味はなかったということですか。
被:全く耳をかさないということでも、定期的な状況のモニタリングや悪化した際の対処などは必要で、意味をなさないということではありません。
検:大麻とLSDを併用してクローン病に悪い影響があると考えなかったのですか。
被:そういった研究データはみたことがありません。
検:LSDの規制についてどういう意見ですか。
被:今の現状だと規制せざるを得ないと思います。
検:副作用のある薬に関して、(担当医に)薬を変えてほしいと言ったことはありましたか。
被:ハルシオンを飲みたくないので変えてほしいと言って、変えてもらいました。
検:外国で(医療大麻が使われ)吸っているということですが、毎回の使用量などもお医者さんの指導の下ですか。お医者さんと相談してのことですか。
被:処方というよりも、使用結果をモニタリングするのが一般的です。量については個人差もあり、個人の裁量に任されている(という面がある)。肉体的に実感できるので患者自身による判断によります。
検:中島らもさんのケースはご存知ですか。大阪地裁の医療大麻が問題になった。
被:はい。
【2時45分。以上で検察官による被告人質問は終了しました。続いて、弁護人による弁護人質問の追加がありました】
弁:クローン病に限らなければ、医療大麻の研究をしている医師は日本にいるのでしょうか。
被:います。薬理学の先生と三時間くらい話をしました。その先生も、現在は規制されているが、臨床研究はできるようになるべき、大麻の医療使用について研究を進めるべきと述べていました。
【裁判官から「検察官の質問は」という問いかけに対し検察官から「もうけっこうです」という返答がありました。また裁判官から、クローン病と大麻の資料翻訳と証人について、いつごろになるか弁護人に問いかけがあり、5月下旬になるとの返答がありました。最後に次回公判は、5月28日(木)、午後3時から258号法廷になることが決まりました】
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あと、4月の19日にあった、420JAPANのデモの写真を頂きました。
http://www.photohighway.co.jp/AlbumPage.asp?un=3372&key=2222071&m=0
動画もまだ編集が終わっていないですが、またアップします。
PR的なこと。
最近、カンナビストのグッズとかデザインしてます。
次回のマリファナマーチで販売されると思うので、よろしくです☆
資金的な解決策として、医療大麻解放戦線でも何かまた作ろうと思うのですが、どうでしょう?