4年ほど前から計画を練っていつかいつかと待っていた愛媛での撮影。
「愛媛、広島、山陰と抱き合わせ」で行くか「愛媛、広島」で行くか等、検討を重ねた。
直前になって高知にも行きたいと思うようになり、そうであれば「広島」、「山陰」は別物にして今回は四国をぐるっと楽しもうと予定再考。
いずれにしても主役は
愛媛の下灘駅
串俯瞰
伊予鉄道。
この工程を軸にして工程を練り上げた。
肝心のスケジュールだが、この年の5月に新型コロナが5類に移行され感染予防も緩和された。
そして、7月の最終土日に私以外の家族が知人の家に泊まりに行くとの事。
その日の四国、特に愛媛の週間天気予報を見ると晴マーク。
これは行くしかない。
急いで松山行の夜行バス、ホテルの予約を取り、7/28(金)いつもより早めに勤務から帰宅し風呂、晩飯を済ませて京都駅へ向かった。
21:30発松山行の阪急バスだ。夏のど真ん中の時期に夜といえど汗が滴り落ちる。
コンビニで食料を買い込み乗車。
高速バスに乗るといつも「今、どのあたりだろう?」とスマホアプリの位置情報で現在地を調べて進み具合を見るのが楽しみ。
昔はスマホの電源を気にしながらだった。
今は座席にUSBの充電ポートが設けられ充電できる。
どれだけ見ても電源を気にしなくてもよくなった。
夜中の瀬戸大橋を渡る所はワクワクしたりとなかなか眠れなかった。
この癖があるうちは夜行バスで睡眠時間を確保することはできなさそうだ。
明け方の5:40前に松山駅前に到着。
明け方というのは心が穏やかなものだ。
清々しい気持ちで松山駅から伊予鉄道の大手前駅へ歩く。
大手前駅はほとんど松山駅前と言っても過言ではないくらいに駅前にある駅だ。
始発に乗車し20分弱で高浜線の終点、高浜駅に到着。
この駅は映画「真夏の方程式」で玻璃ヶ浦駅として登場した駅である。
駅前の道路を挟んで高浜港がある。
潮の香りが心地よい。
高浜港以外にもこの辺りはバスで2分のところにある松山観光港、伊予鉄道で3つ隣の駅付近の三津浜港など重要な港が複数あり、今回は訪問しなかったが三津浜港には三津の渡しがあり風情豊かな場所である。
早朝なので朝日が駅構内に射し込み雰囲気がある。
駅から先は行き止まり
約1時間滞在し、次は隣の駅の梅津寺駅。
瀬戸内海に面した海沿いの駅でドラマ「東京ラブストーリー」の最終回に登場した駅。
主人公リカが駅の柵にハンカチを巻き付けたシーンがあり今でもハンカチを巻き付けに来る方が後を絶たないとか。
駅付近を散策。
踏切が印象的な駅である。
波除から撮影
かつては海水浴客で賑わっていたそうだが近年では海水浴場は廃止になってしまい静かな砂浜でした。
近くの三津浜港からフェリーが
予定では隣の港山まで徒歩で行き見下ろす山の上から撮影する想定でしたが梅津寺駅付近があまりにもキレイだったため港山までは行きませんでした。
港山駅前のお店“ソフトタイム”で食べられる地元フード「三津浜焼」に興味がありましたが開店が10時なので断念。
そう、今はまだ9時にもなってないんです。
高浜で約1時間、梅津寺で約2時間滞在していても、時計の針はまだ9時前。
9時過ぎの電車で大手前駅へ戻ります。
伊予鉄道の撮影はこれでお終いかと思いきや、大手前駅の前の交差点は全国でも珍しいダイヤモンドクロスのある場所。
ダイヤモンドクロスとは線路の十字路の平面交差で電車もその部分を渡る時にゴトンゴトンと独特な音をします。
その後、徒歩2~3分で松山駅へ。
駅へ行く途中に今回宿泊するターミナルホテル松山が。
松山駅前のロータリーの中にあるアクセス抜群な立地。
晩にお世話になります。
松山駅に到着
この趣のある駅舎、24年秋には取り壊される予定なのだとか。
(このブログを上げる時には高架化されています)
愛媛の玄関口としてのターミナルだった松山駅が、改装により「よく田舎にあるタイプの高架駅」になるらしい。
幾つもの待避線などの広い敷地ではなく高架駅になるのであれば「こじんまりとした駅になるのではいか?」という不安もあるが時代の流れには逆らえない。
高架化によって広い敷地が再開発されるのだという。
広大な敷地でランドマーク的な駅が高架化で別の魅力が生まれる場合もある。
個人的には富山駅がその例である。
どうせ作り直すならそういった成功例になってほしい。
いずれにしても壊される前に見られて良かった。
ここから「愛ある伊予灘線」に乗って下灘方面へ向かうのですが、ここでリサーチ不足なのか不測の事態に。
なんと駅弁が売っていなくて手に入りませんでした。
存在そのものはあるのかもしれませんが入手できずコンビニでパンと紅茶を買う羽目に。
撮影旅行の醍醐味は駅弁なのに!
いろいろ走り回ったので発車時刻間際に飛び乗るように乗車。
松山発9:52の普通でゆっくり向かいます。
1つ目の市坪駅前には「坊ちゃんスタジアム」が
車内はクーラーが効いている訳でもなく窓からの風で涼しかった。
素朴な車窓、古いボックスシート、無機質な車内の壁、それら全て帰省先の田舎へ向かう汽車の車内のような佇まいのようだ。
海が見えてきた。
夏の海の色だ。穏やかな夏の朝の海の色。
すっかり癒された。
今回お目当ての下灘駅を一旦、降りずに通過。
もうかなりの人で混雑している。
10:48 下灘から1つ先の串駅で下車。
無人駅に降り立ったのは私の他には親子1組だけ。
地元の親子なのか母の故郷に帰省した親子なのかわからないが、小学生低学年くらいの息子はずっと車両を見つめている。
汽車が好きなんだろう。
夏休みの1コマ。
7月末の夏のど真ん中。
無人駅で周りには住宅も何もない。
木々しか無い。
聞こえるのはせみの鳴き声。
串駅から串俯瞰までは山道を歩いて40分はかかるという。
事前に駅から撮影地までの順路を印刷してきたので、そのガイドを見ながら同じ風景をトレースしながら進む。
真夏で暑く、沢山飲み物は準備していたが電車の中で飲んだりして気がつくと残りが少なくなってきた。
さらに、右足のふくらはぎがつりだした。
かなり痛く、反対の足でかばいながら登り坂を進んでいく。
すると反対の足もつりだした。水分も少ない。
不安な気持ちが支配しだしたが眼下に広がる伊予灘が美しい。
この景色が原動力だ。
痛い足をかばって進みながらも「風景が美しい」と思える余裕はどこかに持ち合わせていたようだ。
湧水を溜めている地形の所があったので手ですくってみた。
冷たい!
手ですくって頭に何回か水をかけて、なんとか目的地に到達。
何年も計画してやっと肉眼で見る風景に感動。
駅から撮影ポイントまで片道40分の山道を苦労して登った価値がそこにはあった。
地元の方も確かにご不便は多いだろうが、この景色が日常だなんて、なんて贅沢なんだろうと思った。
でも周りは木々で覆われている場所なので蚊が多いこと。
蚊取り線香を持ち合わせていなかったので当時吸っていた電子タバコのわずかな煙を自分自身の周りに吐く。
一時的に蚊は退散し、再びやって来る。
それの繰り返しだった。
昼間でも薄暗く、真横には廃屋があり行く手を倒木に阻まれていた。
暗い時間に来たら間違いなく耐えられないロケーションであった。
ひとしきり撮影し山を降りるのだが、登りよりも降りる方が、つっている足には負担は少なかった。
それでも40分近くかかり、やっと国道まで辿り着いた。
喉がカラカラ。
こんな場所に自販機なんて無いだろうと半ば諦めていたが国道に出たところに潰れたお店の跡があり、そこに現役の自販機があった。
熱中症の一歩手前だったので正直、助かったと思った。
2本を一気に飲み干した。
鉄橋の下までやってきた。
橋の下からも撮影が出来た。
国道の下でもあり、海の水がすぐそこまで来ていた。
串での撮影はここまで。
次は下灘に向かうのだが次の電車まで2時間以上もある。
しかも列車の本数の少ない路線なので1本1本が貴重。
…という事で下灘まで歩くことを決めた。
水分を補給出来たとはいえ酷暑の中を都心の駅間ではなく田舎の駅間を歩くのはかなり辛かった。
でも初めての場所で初めての風景なので楽しみながら移動できたのかもしれない。
途中で撮影ポイントも探しながら伊予灘ものがたりを撮影。
40分くらい歩いただろうか。
少しづつ下灘に近づいているのがわかってきた。
そして下灘駅に到着。
駅前に下灘珈琲さんが営業していたので飲み物を購入。
とにかく暑い。どんなにしても暑い。
そんな中、駅には大勢の方でごった返していた。
各々で名物のベンチに座りポーズを取ったりして順番に撮っている。
「電車が来た時はどうなるんだろう?皆が我先にベンチに座り込み、人物の入っていない写真は撮れないのでは?」という不安がよぎったが、列車到着時刻が近づくと地元のボランティアの方が交通整理を始めた。
それによって皆が快適に写真撮影を行うことが出来た。
本当に有難かった。
ボランティアさんからはいろんなお話を伺うことが出来、楽しめた。
ボランティアさん、ありがとうございました。
空に帯が出来る現象があった。
地元の方曰く、こんな現象は珍しいとの事。
約4時間滞在した下灘もお別れの時がきた。
滞在中、全ての時間が普段では味わうことのできないとても贅沢な時間だった。
名残惜しいがいつかまたゆっくりと訪れてみたい。
19:38下灘発で松山へ。
途中、伊予市駅で車両トラブルか何かで後からやって来た特急宇和海に乗車しても良いことになった。
そして一気に松山駅へ。
松山駅を降りて伊予鉄で道後温泉へ。
現在、21:30過ぎ
道後温泉駅から松山駅へ行く最終は22:00
ゆっくり温泉に入れないがとにかく短い時間でも良いので道後温泉に入りたかった。
温泉に浸かっている時間は約15分。
でも堪能できた。
中学の卒業旅行、そして2005年に友人3人で来て以来、3度目の道後温泉。
松山駅前に着いてから晩飯(鯛めし)を食べて宿へ。
駅前だから楽だ。
そんなこんなで長い1日だったが堪能できた実りある1日だった。
下灘駅も美しかったが
串俯瞰で上っている最中に眼下に広がる伊予灘は今まで見た中で一番印象的な海だった。
2日目の朝、ホテルの朝食(バイキング)からスタート。
どうして旅先の朝食って、こんなに食べられるんだろう?
ってくらいに腹いっぱい食った。
そして、ホテルの前、すなわち駅前のロータリーから出発。
高知行のバスだ。
京都の段階でこのバスのチケットを取っていなかったので前日の串から下灘まで歩く最中にスマホでなんとか手配した。
WEB予約が主流になってきたから、このような事が可能になったのだろう。
7:45松山駅前発
出発してほどなく松山市駅前を通過。
松山観光ではおなじみの屋上に観覧車がある駅ビルだ。
そして高校野球の強豪・済美高校の横を通る。
10:30高知の「はりまや橋」に到着。
快晴だ。
気温は高いが湿度が低く過ごしやすい暑さだ。
降りてから少し散策。
はりまや橋はよく”がっかり観光地”と言われるが、どれがはりまや橋なのかわかりにくかった。
すぐさま、とさでんに乗り換えて桟橋通5丁目駅を目指す。
WEBで海と電停の写真が撮れそうだったので行ってみたら、なんと工事中。
残念だが仕方ない。
30分くらい滞在して再びとさでんに乗り高知駅前へ。
高知駅前は日曜の朝という事もありこれからイベントが開かれるのかステージや出店ブースが準備に追われている。
駅前には高知の偉人の坂本龍馬、中岡慎太郎、武市半平太の像がそびえている。
高知駅に着いた。
高知県は四国の中で京都から見て一番奥側にあり他の3県に比べて来る機会が少ない立地である。
私は中学卒業時に友人と2人で四国一周旅行をして以来の34年ぶり2回目の高知県だった。
生きているうちに3回目はあるのだろうか?
と思ってたら、その一年後に出張で来る事に。
次は特急なので駅弁を探そう。
駅のホームには観光列車「志国土佐 時代 トキの夜明けのものがたり」が停まっていた。
きれいだなぁ。
12:13 南風14号 車内はアンパンマン仕様だ。
動き始めるや否や駅で買った弁当「土佐かつおめし」を食す。
「土佐かつおめし」はかつお入りの炊き込みご飯とだし巻きの組み合わせ。
高知の車窓を見ながら美味しくいただきました。
13:05 大歩危着。
子供のころから興味のあった駅だ。
子供の頃はもっと過疎なイメージを抱いていた。
山の上から渓谷沿いに列車が写るイメージだが、その場所はかなり駅から離れていて今回は諦めた。
この付近の撮影ポイントは駅の上に架かる橋かな。
真夏の山間部。
かなり暑いので駅前の歩危マートという小さめのスーパーでカップのかき氷を買いクールダウン。
私には田舎が無いのだが、この駅は「夏休みの田舎への里帰り」はこんな感じかな…
と心ときめくひと時でした。
14:05 南風16号で大歩危を発車。
次の小歩危までの間に有名撮影地・吉野川第二橋梁を通るので車内でゆっくりするでもなく、ずっと車窓とにらめっこ状態。
多分、通過しているここが吉野川第二橋梁なのだろうか?
多度津乗換えで15:33 高松着。
高松駅から徒歩で高松城公園東側の“ことでん“とお城の櫓が一緒に撮れるスポット「玉藻公園」へ。
広大なお城公園で少し散策したかったが次のスポットへ。
片原町駅付近の片原町商店街の中にことでんが走っている。
歩き疲れたが撮りたい一心で向かう。
商店街に着いたが少し人通りが少ない。
やはりこういう商店街は生活と直結しているから平日の方が賑わっているのだろうか。
そうこうしているうちに片原町から、ことでんで高松築港駅へ。
高松駅、高松築港駅も高松港に近く港町の雰囲気が漂う。
高松駅に戻り家族へのお土産探しへ
そして今回の最後の撮影地は夕焼けの瀬戸大橋を狙える場所。
瀬戸大橋を望む半島の先なので公共交通機関が無い。
地図の矢印の所だ。
高松から鴨川駅まで各停で移動。
鴨川駅前でレンタカーの方と待ち合わせ。
軽自動車専門のナカスカレンタカーさん。
とても親切で心遣いもある素敵なレンタカー会社だ。
鴨川駅からお店まで送迎してもらい手続きを経て運転開始。
このあたりだろうか?
夕焼け具合がちょうどいい。
望遠レンズは200mmまでしか持っていないので、もっと望遠を持っていたら良いが
手持ちの中では最善は尽くせたと思う。
お店との約束の時間が迫り、ここで撮影終了。
お店の方も優しい方で好印象だ。
この近くで撮影があれば、またお願いしたいと思った。
気持ちよく対応いただき、手続き後、鴨川駅まで送ってもらった。
ありがとうございました。
19:11 鴨川駅を出発
坂出でマリンライナーに乗り換え。
20:13岡山で新幹線に乗り換えて京都へ。
車内で最後の食事・高松駅で買った駅弁「瀬戸の凪」と高知駅で買っていた「焼きさば寿司」を食す。
「瀬戸の凪」は、それぞれに味がしっかり染み込んでいて美味しかった。
「焼きさば寿司」は、しゃりと共に少し炙ってあり、香ばしさと共に旨味も感じられ素敵な味でした。
やっぱり駅弁は美味い。
21:13京都駅着
各停に乗り換え桂川で下車。
徒歩で帰宅。
22時頃であった。
4年ほど前から計画を温めて、ずっと行きたかった四国撮影。
愛媛県、高知県、徳島県、香川県を巡る旅。
ようやく念願が叶った2日間であった。
この2日間で真っ黒に日焼けした。
四国はどこも親切にしていただきやさしい場所だった。
また来たい。























































































