かつしか落扇指南所第45回浴衣ざらいの会の番組表ができました。
集客力のない入蔵の噺を聴いてくださるお客様がどのくらいいらっしゃるのかちょっと心配です。
けれど、指南所の面々はたぶんお客さんになって聞いてくれるでしょう。
前にも書いたかもしれませんが、指南所の稽古では皆噺を始める時に近況報告的に枕をふります。
正直、これがとても面白いです。
入蔵はこれが楽しみで稽古に行っていると言っても過言ではありません。
というのは大げさですが、本当に面白いです。
本来は稽古の初めから終わりまで、稽古場にいるべきなのですが、入蔵はほとんど早帰りです。
この枕も含めて、他のメンバーの噺、稽古を観ることこそが勉強なのです。
師匠が「二つ目よりも教えちゃってる」とおっしゃる稽古です。
入蔵はいつも本当にもったいないことをしているのです。
ちょっと生意気ですが、いつも「本当に良い稽古だなあ」と思います。
そういう訳で入蔵は集客力が無いので、トリであるかどうかにかかわらず、入蔵のお客はほとんど指南所のメンバーですから、メンバーに楽しんでもらうために入蔵は稽古の時も、本番の高座でも、同じ枕を二度とふらないようにしています。
我ながら面白い枕ができた時はつい同じ枕をいろいろな落語会で振りたくなってしまうのですが今のところ自分のルールを破らないでいます。
入蔵の今回のトリネタ「夏の医者」はとても短い噺です。
短くやれば5,6分でもできるかもしれません。
いつも15分、20分で噺をまとめるのに苦労している入蔵が30分いただいているのに、今回に限って噺が短いという事態に陥っています。
噺を少し膨らませて、幾分か長くはなっていますが、それでも尺が今のところ足りません。
もう少し工夫したいとは思っていますが、最終的にはたぶん枕で尺を稼ぐことになると思います。
面白いかどうかはとにかく意味のないことをべらべらと喋るのは(自分なりには)得意なので、多分困らないとは思いますが、師匠からはすでに「別に30分喋らなければいけないという事ではありませんから」と言われています。
今日の稽古で、「今回も出演者が多いので、結構終演時間がきつくなるのではないか」という意見が多数出ました。
公共施設ですので、終演時間は厳格に守らなければなりません。
もし、トリがいわゆる「普通のトリネタ」を高座にかけた場合、結構、難しいことになるかもしれません。
ところが今回の入蔵は、いつものようにくだらないことをべらべら喋らなければ丸く収めることができそうです。
短い噺を短くつとめれば良いのですから。
もしかして、顔付け(番組の構成をする事)をした師匠の深謀遠慮が入っているのではとちょっと疑ってしまいます。
これは冗談として、こんなことを書くと、ますます入蔵のお客さんは減ってしまいそうです。
まあ、落語をたくさん聞いた後の「整理運動落語」と思っていただければいいかもしれません。
あまり笑いすぎて興奮すると、月曜日に精神的な疲れが残り仕事に影響が出るかもしれませんから。
とにかく自分なりに一生懸命に務めさせていただくつもりです。
入蔵はともかく、個性派ぞろいのメンバーによる落語会は本当に面白いです。
素人落語会らしい落語会です。
とても気分の良い落語会です。
師匠の落語を聞いていただくだけでもおいでいただく価値があると思います。
もし、ご都合がおよろしいようでしたら是非おいでください。