ある晴れた日。家族で公園に行った。


遊具以外にもテニスコートや野球のグランドなどがある公園だ。

広くはないが、その日は良い天気だったので、家族連れや犬を散歩させている夫婦など中々の賑わいだった。


ふと気が付くと、鮮やかな大きなツバ付き帽子を被っているおばあさんが目に入った。清潔感はあまりなかったが、着ている洋服は統一性のないとても鮮やかな装いで、帽子にはさらに大きな花のコサージュがついていた。


彼女は近くにいる人にニコニコしながら話かけ、会話が終わればまたその隣りの人へ、いうように次から次へと話かけていく。彼女は色々な人と話すのがとても楽しそうだった。


しかし私はというと、正直、いつ話かけられるかとはらはらしていた。なので、おばあさんから避けるように、立っていた場所を少し離れたところへ移動してしまった。


たぶん、あのおばあさんは頭に障害か何かがあるのではないかと思う。装いが奇抜だっただけでなく、誰にでも話かけるという行動も少し普通ではなかったからだ。


自分が離れてしまって気が付いた。おばあさんに話かけられた人達は、みんな楽しそうに話すのだ。お互い笑い合いながら、孫や犬を紹介したり、家族の話、最近の天気の話など話題はそれぞれだ。


私は自分を恥ずかしく思ったが、その一方で嬉しかった。優しい町だと思った。


そしておばあさん。周りにどう思われても、他人を気にせず、好きなものに身を包み、散歩がてらに道ゆく人との会話をひたすら楽しむ一日。


いいじゃないか!理想ではないか。


あのときの優しい時間をふと思い出して、清々しい気持ちになる。


ここはアメリカ。


日本ではまだ出会えなかった光景である。