ここ数年ずっと、夏祭りに浴衣を着たい!!と思いつつ実現できないでいます。

 

前に浴衣を着たのは小学生とかですね……。

 

本当に小さいときは、昭和の庶民の子どもが着せられてた白地にぱっきりした柄のシボ感のある生地の……、アレ、あの浴衣に兵児帯を7月8月の夏祭りに着せてもらい。

 

それで9月の秋祭りには七五三の着物(三歳と七歳で別々の着物を仕立ててもらいました)を美容院で着付けてもらい、髪をセットして、と毎年ではないですが着せてもらってました。

 

小学校高学年になったころに浴衣を仕立ててもらったんですが、うちの場合浴衣というと祖母がお付き合いのある呉服屋さんで反物を買ってきて祖母が縫うものでした。

 

祖母とわたしの関係が微妙なものだったのと、わたしが本ばかり読んでいて着るものに興味のない子供だったので、祖母が決めて祖母が買ってきて祖母が縫ったわたしの浴衣がどんな色でどんな柄だったかもおぼえてません。

 

その後は、中学高校大学と、とんと色恋に疎く、ファッションも雑誌で言うなら「CUTIE」や「Zipper」というような個性派ファッションが好きでして。

 

お祭りに浴衣でおめかしして行って好きな子と……、みたいな発想がなかったのです。

 

なのに大学院のときに住んでいた横浜の下町で、とある浴衣地に一目惚れしたんです。

 

その浴衣地は夏前に地元の呉服屋さんのショーウィンドウにかけられていて、色は藍白、大ぶりな鉄線が描かれているものでした。

 

子どものころ家の庭で咲いていたのもあって、わたしは鉄線が好きです。

(同じ理由で淡いピンクの芍薬も好き。)

 

鉄線が浴衣の柄になることがあるんだ~!!と、通るたびにうっとり眺めて、呉服屋さんにはいって「お仕立て含めてお幾らになりますか?」とも尋ねました。

 

具体的な金額は忘れましたが、学生の身ではかなり勇気が必要な金額だったと思います。

 

ひと夏その浴衣地を眺めて、結局購入には至らなかったものの、あの鉄線の柄がいまだに忘れられません。

 

で、まあそれはそれとして、ここ数年友人知人に着物を着るひとが増えていて、自分も着られるようになりたいな~、まずは浴衣からかな~、と思っております。

 

自分のや、母の浴衣はもう「訪日してる外国の女の子たちに浴衣を着せてあげたい」という方に寄付してしまって無くて。

 

改めて浴衣を着るなら、となると、その一目ぼれした藍白の鉄線を思い出してしまいます。

 

今年は楽天で鉄線柄の竺仙の商品画面を眺めて過ごしました。

 

鉄線は鉄線なんですけど、記憶の中のものとはもちろん違っております。やっぱり記憶の中のもののほうが素敵だったような気も。

 

そう考えると、天人様のブログで知った有松絞やら藤井絞の浴衣地もすてきだし。

 

そもそも、浴衣を着るといっても着付けの教本動画を見ながら、うんうん試行錯誤しないと着られない身だし。

 

いっそ二部式に作り帯や兵児帯で、若い子が着ているような淡い明るい色の柄の浴衣でもいいのではないか??と思ってみたり。

 

そうこうしているうちに、当地はそろそろ霜がおりようかという気温になっているのでした……。