老いにも、明るさが必要だ!!
幸田文先生の本が好きで、ちょくちょく読んでいます。
自分が動植物の研究をしていたのもあって、動物に関するもの木に関するものなどについて書かれた文章も興味深いですし、文学ぶっていない下町言葉の大胆な筆致も好きです。
こちらの本は「老い」について書かれたものを集めています。
まだあまり自らに老いを感じることはないのですが、我が母や親戚たちの様子を見て「ああ、あれはこういうことか」となるところがちらほら。
なかに幸田文先生がまだ若い時分に近所の芸事のお師匠さんの手伝いに行って、お師匠さんが疲れて床でうたたねをしているのを見て老人のうたたねというのはこうも弱々しくさみしく見えるものなのかと感じたシーンがあります。
うちの母も、テレビを見ながらソファに横になって、すぐ寝入ってしまうことが増えました。
ちょっとした用足しをしただけでも疲れてしまう年頃なんだなと、ブランケットをかけたり、目をあたためるパッドを乗せたりして、そっとしてます。
ところで、老人のうたたねがさみしいと思った幸田文先生がいざ自分が老人になってどうしてるかといいますと、うたたねがさみしいならくたびれたらいつでもさっとお布団に潜りこんで本格的に寝てしまえ!!としているというような記述があって、やっぱりこのひと明るいし面白いなあと思った次第です。
