赤ん坊たちがいるケージに近づいてきたニャン。
子どもたちを救い出そうと何度も柵の隙間から手を突っ込む。
子どもたちに触れることはできても、
外に出すことはできない。
赤ん坊はピーピーと鳴く。
どうするニャン。
ぼくはじっとニャンの行動を観察していた。
ケージに入ったらさっと扉を閉める。
それで保護は完了だ。
ニャンはケージのまわりをうろうろ歩く。
ときどきぼくの方を見る。
何とかしてくれと救いを求める視線にも感じる。
ここは我慢比べだ。
たぶん、ニャンはぼくが子どもたちを囮にしてニャンをケージに閉じ込めようとしているのを知っている。
ケージに入ってしまえば、
扉を閉められ、今回の保護劇は終わることもわかっていて、
どうすればいいのか迷っている様子が伝わってくる。
ケージに入る決心はつかない。
でも、
このままでは子どもたちと一緒にいられなくなってしまう。
「こいつに捕まった方が得か?」
ぼくを値踏みしている部分もあったような気もする。
毎日、エサをあげた。
チュールを手からあげたこともある。
信用できる奴だと思ったからこそ、
子ネコをくわえて150メートルも移動してきたのだろう。
えーい、ままよ!
なるようになれ!
ニャンの覚悟が伝わってきた。
「入るぞ」
ぼくは準備した。
すると、
さっとニャンがケージに入った。
保護完了。
次女を呼んだ。
ニャンは暴れることもなく、
子ネコの側に近寄り、
抱きしめるように手を出した。
めでたし、めでたし。








