いぬとやぎとニワトリと。ときどきネコ

いぬとやぎとニワトリと。ときどきネコ

我が家には犬が7頭、ヤギが6頭、ニワトリが3羽。そしてネコが3匹います。
彼らとの楽しくにぎやかな日々を綴っています。

東京から山梨に移ったころ、

妻が「ヤギを飼ってみたい」と言い出した。

 

まわりの畑は、

耕作する人がいなくなり雑草だらけ。

ヤギは雑草を食べてくれる。

うちがヤギを飼ってまわりの畑の草を食べさせれば、

少しは村に貢献できるのではないかという発想だった。

 

しかし、

どうやって飼えばいいかもわからないし、

飼うスペースやヤギが住む小屋はどうするのか、

まったく決まっていない。

まあ、実際に飼うとなると難しい話だなと思ったけれども、

ヤギに興味があったので、

とりあえず、どんなふうにヤギを飼っているのか、

見に行くかということになった。

 

SNSや知り合いの情報をもとに、

「ちょっと行ってみようか」と決めたのが、

長野県のT果樹園。

 

ヤギやニワトリを飼っているとの話だった。

 

2時間くらい高速道路を走り、

インターを降りてから、

山道を1時間ほど走った。

 

春だったと思うが、

けっこう標高は高くて、

道路にはまだ雪が残っていた。

 

古民家を改装した立派な自宅があり、

その横に、

ビニールハウスを利用したヤギ舎があった。

入り口を入ると、

裏にも出入り口があって、

そこからはヤギが自由に外に行けるようになっている。

 

外は、たぶん柵はあるのだと思うが、

広い放牧地となっていた。

昼間、ヤギたちは自由に山の中に入ってエサを食べる。

夕方には勝手にビニールハウスに帰ってくるのだろう。

 

ぼくたちが見学に行ったときには、

4頭のヤギがハウスの中でのんびりしていた。

 

体の大きなお父さんヤギ、

細身のお母さんヤギ、

子ヤギが2頭。

 

妻と次女とぼくと、

ヤギさんを見ながら飼い主のTさんにいろいろ話を聞いた。

「いずれヤギを飼いたいと思っているのですが」

「いずれ」と「思っている」を強調した。

飼うとしても数年後の話だ。

 

すると、

妻がいきなり言った。

「あの茶色いヤギさん、美人さんですね。おいくらですか?」

 

「えっ」

妻の顔を見た。

真剣な目の先に1頭の子ヤギがいた。

 

妻のひとめぼれだった。

茶色い毛色で、顔の輪郭が白く囲われている、

これまであまり見たことのないヤギさんだ。

 

その日のうちに交渉が成立。

ぴょんぴょんという名前の女の子はうちに来ることになったのだ。

 

「どこで飼うの?」

「かわいかったんだもの。何とかなるわよ」

 

妻は、

いつもは先をしっかりと読んで、

十分に準備ができて、

大丈夫だと思えてからだと動かない。

 

ところが、

どきどき、思い切った行動をすることがある。

 

2019年から20年、21年は、

その行動が目立った。

 

節目のときに動く。

いや、彼女が動くと節目になるのか。

 

結局、

彼女が主体になって、

ぴょんぴょんがうちへ来て、

2頭、3頭、4頭と増え、

今は6頭のヤギ飼いになったのだ。

 

妻の思い切りがなければ、

ヤギを飼うこともなっただろう。

今の生活もない。

 

じっと閉じこもっていると、

昨日と同じような今日を生きることになるが、

ちょっとした行動が、

昨日とはまったく違う今日になったりする。

 

肉体的にはちょっとハードな今日この頃だが、

ぼくは良かったと思っている。

 

妻も3人の娘も、

今を十分に楽しんでいる。

 

ヤギさんのおかげだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

日曜日の夜、

仕事を終えて自宅に帰ったのが8時ごろ。

何か見た番組があったわけではないが、

とりあえずのテレビをつけた。

 

ちょうど、『ポツンと一軒家』が始まったばかりだった。

 

山の中にポツンと建っている一軒家を探して、

どんな人が何をしているのか紹介する番組で、

たまには見たことがある。

 

先日、三女と畑仕事をしていた。

まわりは豊作放棄地か砂漠のように雑草のない畑。

我が家の畑は、

中途半端に雑草が広がっていて、

作物があちこちから顔を出しているという状態。

今は、ジャガイモ、キュウリ、トマトなどが姿を現している。

 

一人のおばあちゃんが隣の畑にいた。

遊ばせてある畑だが、雑草はほどんどない。

暇を見ては草を抜いて、一輪車に乗せて捨てに行く。

 

雑談が始まった。

こっちは草らだけの畑で、

「うちは雑草も抜かないで作物を育ててみたいなと思って」と、

苦しい言い訳をする。

半分は本気だから、言い訳ではないか。

 

すると、おばあちゃんが言った。

「私、『ポツンと一軒家をいつも見てるんやけど、そういう農業もあるんやね。

がんばってな」

思いがけず励まされた。

 

『ポツンと一軒家』はいい番組だと、ぼくの頭にインプットされたのだ。

 

日曜日にやっているなんて知らなかったから、

昨日見たのは本当に偶然。

そして、おばあちゃんの言葉もあって、

見てみるかなという気になった。

 

番組が始まってびっくり。

なんと、ヤギ牧場が出てきたのだ。

 

こんな偶然、

ぼくは大好きだ。

応援されている気になれる。

 

東京でサラリーマンをやっていた36歳の若者。

5年ほど前に、

畜産がやりたくて奥さんと一緒に愛媛へ移住した。

 

そして、

山の中の遊休地を借りて、

ヤギを飼い始めたのだ。

 

30数頭いて、

ミルクを絞って販売している。

 

立派なヤギ飼いだ。

 

サラリーマンをやめて田舎で農業をやろうという若者は確実に増えている。

しかし、

生活となると大変で、

挫折する人も多い。

 

彼らを支援して、

田舎に定着させて、

農業を発展させていく方法はないものか。

農業をテーマにした自治体はあるのだろうか。

 

ぼくの村では、

我が家がヤギを飼っている。

三女が畑をやると勉強している。

今月から村の畑を借りて綿を栽培するグループが現れた。

近くの里山ではメンマ作りが始まった。

 

自治体とまでは言わなくても、

小さな村で、

農業を主体にして暮らしていけるようにするのは可能かもしれない。

 

たくさん稼がなくても、

食べていければいい。

愛媛のヤギ飼いのようなすごい夫婦は現れないかもしれないが、

ちょっとやってみようというくらいでいいので、

そういう仲間が集まってくると面白いことになる。

 

その中心にヤギがいるというのは、

ぼくとしてはうれしいことだ。

 

きっとあのおばあちゃん、

昨日の番組を見て、

ヤギのことが気になっているに違いない。

 

image

 

 

タイトルを変えました。

我が家には、

犬が6匹、ネコが3匹、ニワトリが3羽、そしてヤギが6頭います。

これまでも書いてきましたが、

彼らとの暮らしにもっと焦点を当てて発信していこうと思ってのことです。

 

こんな生活になるとは思ってもいませんでした。

 

よく、

「ムツゴロウさんが目標ですか?」と聞かれました。

ムツゴロウさんというのは、北海道にムツゴロウ動物王国という、いろいろな動物と暮らす施設を作った人で、

テレビにもよく出ていました。

 

彼とは比べようもないのだが、

ぼくも本を書く仕事をしていたから、

そんな質問が出たのだと思います。

 

「そんなつもりはまるでありません」

ぼくは好きでこんな毎日を過ごしているわけではなくて、

すべて成り行きで、今に至っているのです。

 

動物と暮らした経験は、

子どものころ、番犬がいたことがあるのと、

東京にいたとき、

娘たちがうさぎを飼ったくらいです。

 

ぼくはほとんど世話らしいことはしていません。

 

しかし、

東京から山梨に移ったときに、

妻の気まぐれからヤギを飼い始め、

ヤギがきっかけで、

娘たちが動物が大好きだということがわかって、

犬やネコ、ニワトリが加わったといういきさつです。

ぼくの意思はほとんど入っていないのが実情なのです。

 

ところが、

彼らと暮らしているうちに、

だんだんかわいくなってきました。

生活に潤いが出てきました。

 

大変だけれども、

充実した毎日です。

 

これからも、

動物たちが近くにいる生活は続けていくつもりです。

 

彼らとどんなふうにかかわっているのか、

ワンコのウンチを拾って歩いていること、

ヤギのエサを取りに走り回っていること、

不器用なくせにニワトリ小屋を作ろうと奮闘していること、

犬とネコの仲良しライフなど、

ぼくたちと動物たちの日常を綴っていきます。

 

よろしくお願いします。