郁也君は今季を最後に引退です。
ご本人がyoutubeのアカウントでそのように知らせたことは前回書きました。
 
今年のインカレが選手としての最後の試合でした。
私はいけませんでしたが、行かれた方によると、とても内容のいいショートプログラムだったそうです。フリーのほうは転倒が多かったようですが、ステップには気持ちがこもり、郁也君らしい心に響く演技だったということです。
 
郁也君の引退に際し、いう言葉を私は見つけることができません。
素晴らしい演技者だった。
最後まで全力で戦い抜いた。
限界まで努力をし続けた。
そういうスケーターだったと思っています。
 
今日は、郁也君のホームリンクであるシチズンスケートリンクで大学生の6級以下の選手の試合があり、そこで郁也君はエキシビションとして一人滑りました。
 
フリーのアランフェス交響曲とその後、申し訳ないけど曲目が分からないのですが、新しいプログラムを滑りました。ジャンプも決まりとてもいい演技でした。でも、何よりもうれしかったのは郁也君の表情が明るくてとてもいいものだったことです。苦しみながら、戦いながら滑っていることの多かった今年の演技の最後に、こういう表情の郁也君を見られて、幸せでした。
 
郁也君が滑る前に終わった競技のほうもなかなかいい演技が続いていましたが、やっぱり、郁也君の演技は見ごたえがありました。とてもかっこよくて、素敵でした。表現豊かに滑ったフリープログラムが終わり大きな拍手と声援を受けた後で、郁也君は続けてもう一曲滑りました。曲名はわからないのですが、最近の曲だと思います。
 
思いのこもった、何かを伝えてくる演技でした。
競技者人生へのお別れの思いであり、支えてくれた人たちへの感謝の気持ちもあったのではないかと思います。郁也君はずっとシチズンのリンクで滑っていましたから、リンクへのお別れも伝えていたのかもしれません。郁也君のいろいろな気持ちが想像されて、涙を抑えられませんでした。でも、悲しい思いではなく、前向きで心が温かくなるような、気持ちの伝わるプログラムでした。
 
終わった後の郁也君は、たくさんの人達に囲まれて記念撮影をしていました。同じリンクの後輩たちとも写真を何枚もとっていました。そして、ファンの方たちからもプレゼントをたくさんもらっていました。
 
これから、郁也君にはスケーターではない人生が始まります。
 
学生として、そして、その先には社会人として、スケーター人生よりもずっと長い時間が待っています。
 
郁也君の人生が実り多い、幸せなものであることを願いながら、このブログの最後のエントリーを閉めます。
 
読んでくださった皆様、ありがとうございました。
 
 

先週の金曜日から、東京選手権が始まりました。

フィギュアスケートのファンの方は皆さんご存知だと思いますが、全日本選手権への予選なので、ごく一部の選手を除けば、ここに出場しなければ全日本選手権には絶対出場できません。

 

東京選手権を通過した選手のみが東日本選手権に出場でき、関東選手権、東北北海道選手権を通過した選手たちと全日本の出場権をかけて最後の戦いをすることになります。女子は激戦で、東京選手権でもたくさんの選手が不通過で涙をのみます。

 

ここで、通過人数と出場数を書き出してみます。

 

カテゴリー  エントリー数 通過人数

男子シニア     13     19

男子ジュニア     6     12

女子シニア     23     16

女子ジュニア    62     14

(ノービスABはこちらをご覧になってください。)

http://skatingjapan.or.jp/image_data/fck/file/2016_Figure/DomCompetitions/2016yosentsuka.pdf

 

女子は、特に女子ジュニアは非常に厳しい戦いですが、男子は出場しさえすれば通過することができます。

 

今年の男子シニアの試合では、ちょっと珍しいことがありました。男子三人がノージャンプでSPを滑ったのです。これまで、さまざまな事情でジャンプを飛ばずに試合に出場する選手たちは何人か見てきましたが、一つの試合の一つのカテゴリーで三人もジャンプを飛ばずに演技を終えるというのは、初めてのことで、とても珍しいことだと思います。

 

全日本選手権出場を目指す郁也君はもちろん出場しました。そして、郁也君もジャンプを飛ばない三人の選手の一人でした。事情については細かいことはわかりませんが、体調の不良とか、ケガとか、そういう心配になるようなことではなかったようです。フリースケーティングでは、二回転をいくつか飛んでいました。東日本ブロックまでには飛べるようになって戻ってきてくれると思います。

 

ジャンプなしでも、ステップやスピンはとても素敵でした。

ショートプログラムはロクサーヌのタンゴ。郁也君の切れのある動きやポジションをきちんと決めるきびきびとした体の使い方はタンゴにとてもよく会っています。男っぽい、かっこいい、ロクサーヌでした。衣装は赤と黒。これは去年のプログラムの継続なのでそのまま同じ衣装です。

 

フリーに選んだのはアランフェス交響曲。春のインカレ―フリースケート大会で披露する予定だったのですが、全員がショートプログラムを滑ることになってしまったのと、夏に出場した飯塚杯ではフリーを棄権してしまったので、これが、初披露ということになりました。紫色のシャツがとてもシックでアランフェスらしい雰囲気を醸し出していました。とてもかっこよかったし、特にキャメルスピンの形がすごくきれいでした。ステップもヒューヒュー声が飛んでいて、良かったです。ただ、ジャンプが入らないせいか、時間が余っている感じでした。流している部分が割と長めだと感じました。でも、ジャンプを飛ぶようになればその分の時間が加わってくるので、ぜんぜん違ってくると思いますと、これはご本人がそうお話ししていました。

 

ジャンプが戻ってくるかどうかは、ぎりぎりかなというところらしいですが、郁也君のことですから、練習時間を十分にとれる状況だったら、きっと戻してくるだろうと思います。今年、自分がこれまでに積んできた練習が、これから形になって出てきてくれるのではとも言っていたので、ここは、期待して待っているしかないですよね。

 

いろんな事情をみんなが抱えていて、状況がどんなに苦しくても、機会としては公平平等なのだと思います。だから、たとえ、体調がすぐれない日が続いて練習が詰めなかったとしても、郁也君が自分で選択して全日本選手権を目指している以上、どんな結果でも受け止められるはず、郁也君自身も、ファンも。どこまで戦う力が戻るかどうかはわかりませんが、その時にできる最高の姿を、きっと郁也君は東日本ブロックで見せてくれるだろうと思います。

 

東日本まで5週間と5日。あっという間に過ぎてしまいそうな気がします。選手にとってはなおさらに短く感じられることでしょう。

 

時間が足りないと感じているのは、郁也君だけではありません。ほかの二人のノージャンプSPを滑った鎌田英嗣君と梶田健登君も、東日本までの時間が少しでも長ければいいと思っていることでしょう。鎌田君は骨折した後、復帰に向けて練習しているときに、もう一度そこを傷めてしまいました。心が折れてしまうようなつらい体験だったと思いますが、それでも、不本意なノージャンプ試合をしてでも、上を目指していこうという姿に感動しないではいられません。そして、少し前に捻挫をしてしまって、ジャンプだけではなくスピンやステップも思うように実施できなかった梶田君。東日本に全快して戻っていけるかどうかはわからないけど、枠が9人あるので何とか滑り込みたいと話していました。

 

故障を抱えながら頑張る三人も、それ以外の選手たちも、自分のその時の実力が十分に発揮できますようにと祈らずにはいられません。

 

東日本から全日本選手権に出場できる人数は、今度は、かなり厳しいものになります。

 

9人というと多いように思えますが、東日本の予選を通過しないで出場できる選手は、関東、東北北海道、東京の3つのブロックを合わせてもただ一人、羽生結弦君だけです。ほかの有力選手、2015年NHK杯優勝の村上大介君や、世界ジュニアに出場した宮田大地君も9人の中にカウントされます。東北北海道には鈴木潤君や佐藤洸彬君がいますし、関東の中村智君も虎視眈々と出場を目指して参入してきます。

 

東京ブロックでは佐上凌君が飛びぬけていますが、二位から九位までの点差はわずか20点余り、今回ジャンプを飛ばなかった三人も併せて誰もにチャンスがあるようです。9つの席をめぐっての17人の戦いは、混とんとしたまま、東日本での決戦を迎えることになりそうです。

 

みなさん、どうか、応援をよろしくお願いします。

 

 

最後に、なかなかに厳しい全日本選手権への道、東日本での通過者数を書いて今回のエントリーを終わりにしたいと思います。

 

 

カテゴリー   エントリー予定数  通過者数(西日本)

男子シニア       17        9(12)

男子ジュニア      21        8(17+1)

女子シニア       30        7+1(14+2)

女子ジュニア      30        4