『まほろ駅前多田便利軒』
三浦しをん
2006年
文藝春秋
1600円+税
これ、映画化されてるんですよね。
で、次の本はドラマ化。
3冊目が10月くらいに出たんだけど、この度めでたく映画化が決まったとのこと







今でこそ、喜んでおりますが。
瑛太さんファンのミーハー母が「小倉の映画館でしかやってないから連れて行け」と言い、「ま。松田龍平さんが出るから、いっか。」と観に行ったの。
だけど映画。その主演の二人の空気感が良かったんだぁ

でも映像を見ちゃったから、本は読んでなかったのですが、本もいい

ストーリーは
便利屋を一人で営む多田と、そこになぜか居ついちゃった行天たちの話。
そこに便利屋という職業柄いろんな人が絡んできます。
事件、というほどの内容ではないのですが、日常にありそうだけど、それは行天が呼び込んでるの?って感じの出来事も起こるのです。
多田はごくごく普通の・・・ちょっと影?いや。過去を勝手に引きずってる一般人です。居そうだよねって思う。
行天




もぉ。なんだろう?すんごい惹かれるキャラクターです。
いつもはセントバーナードのように近くでぬぼぉーっとしてるんだけど、獣のような鋭さを突然出す、そんな感じ。飄々ってこの人のためにある言葉なんだろうなって思う。
(そんな陳腐な表現を三浦さんはされてませんけど・・・シイナ、まだまだ修行が必要だ

便利屋の仕事ではなぁんの役にも立って無いようで、一目置かれるような発言をさらりとしちゃう。それに多田が少しずつ心を動かされていくのです。そのキャラクター作り、心情描写の表現。三浦しをんさん、すごいです

行天は松田龍平さんが演じてるんだけど、もぅ、松田さん以外は考えられません

ただ、せっちゃんこと斉藤和義さんも行天役、似合うんじゃないかと思うのよ。
あの飄々っぷりは通ずるものがあります

母は「うーん。でも、やっぱり松田龍平やろぉ」って言ってました。
読み終わったあと、「ふぅ」って心地よい溜息がでます。
その後ふわっと笑顔が降りてきます。そんな作品。
寒い日の読書にいかがですか?
って。7年前の作品なので、今さらですか~?って突っ込まれそうですな
