最近言葉をうまく使えていないなと感じます。
友人と話すときは、正確に描写できていなくても馴れ合いで通じてしまうので
ついついそれに甘えて、正しい言葉さがし・言葉選びを怠っています。
いい、悪い、よくない、悪くはない、とかだけではなく
状況や、そう感じる理由や根拠などを含めた言葉で
自分の考えを表現したいと感じます。
昨日は米原万里さんの『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』
という本を読みました。
この本は高校の読書感想文の課題図書でした。
もう5年ほど経つのですが、タイトルのつけ方が秀逸だなと
感じたのを覚えていて、久しぶりに読み返しました。
嘘つき、だから真っ赤な嘘、ではなくて、真っ赤な真実。
嘘つきという言葉も、少し怖い響きを持っています。
私なりの解釈ですが、まず『真っ赤』は共産党の色と掛かっています。
ソビエト連邦からロシアへ。
その激動の時代に生きた小学校の同級生の話ですから、
思想の争いの話題が中心になっています。
私はその細かい知識はないので、詳しい説明は避けますが、
アーニャという女の子は共産主義者なのです。
口からは特権階級と戦う母を誇りに思う、などと大仰な言葉が
飛び出しますが、アーニャの家こそ特権を享受している、とマリは思うのです。
そして故郷ルーマニアへの愛をあれほど熱弁していたアーニャは
大人になってイギリス人と結婚、ロンドンへ移り住みます。
久々に再開したマリはとまどい、愛国心に関する質問をします。
しかしアーニャは、そういった民族主義が世界をダメにすると返します。
彼女が嘘をつくときの癖、いかにも誠実といった風情でまっすぐに目を見つめながら。
ここから私が考えるのは、アーニャの返答はアーニャの本心とは違う、つまり嘘。
しかし現実には祖国を捨てた形で暮らす自分がいる。
その状況にふさわしい返答を、自分に嘘をついて作り出した。
だから真っ赤な真実なのです。
この言葉の選び方に昨日再び脱帽したわけですが、
もちろん物語の文章もとても読みやすいです。
上述した思想の争いに関する説明も多いのですが、
そこはあまり苦になりません。
そうした状況の中で多感な少女たちが何を感じ生きていたのか。
その肝心な部分は、非常に素直な言葉で、しかも的確な言葉で書かれています。
どのような思想に生きようと関係なく、彼女たちの個性が生き生きと伝わってきます。
押しつけがましい感情はなく、彼女たちの気持ちがすんなりと理解できます。
こんな風に言葉を操りたいな、と改めて思った瞬間でした。
今日はこの辺で失礼します。
友人と話すときは、正確に描写できていなくても馴れ合いで通じてしまうので
ついついそれに甘えて、正しい言葉さがし・言葉選びを怠っています。
いい、悪い、よくない、悪くはない、とかだけではなく
状況や、そう感じる理由や根拠などを含めた言葉で
自分の考えを表現したいと感じます。
昨日は米原万里さんの『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』
という本を読みました。
この本は高校の読書感想文の課題図書でした。
もう5年ほど経つのですが、タイトルのつけ方が秀逸だなと
感じたのを覚えていて、久しぶりに読み返しました。
嘘つき、だから真っ赤な嘘、ではなくて、真っ赤な真実。
嘘つきという言葉も、少し怖い響きを持っています。
私なりの解釈ですが、まず『真っ赤』は共産党の色と掛かっています。
ソビエト連邦からロシアへ。
その激動の時代に生きた小学校の同級生の話ですから、
思想の争いの話題が中心になっています。
私はその細かい知識はないので、詳しい説明は避けますが、
アーニャという女の子は共産主義者なのです。
口からは特権階級と戦う母を誇りに思う、などと大仰な言葉が
飛び出しますが、アーニャの家こそ特権を享受している、とマリは思うのです。
そして故郷ルーマニアへの愛をあれほど熱弁していたアーニャは
大人になってイギリス人と結婚、ロンドンへ移り住みます。
久々に再開したマリはとまどい、愛国心に関する質問をします。
しかしアーニャは、そういった民族主義が世界をダメにすると返します。
彼女が嘘をつくときの癖、いかにも誠実といった風情でまっすぐに目を見つめながら。
ここから私が考えるのは、アーニャの返答はアーニャの本心とは違う、つまり嘘。
しかし現実には祖国を捨てた形で暮らす自分がいる。
その状況にふさわしい返答を、自分に嘘をついて作り出した。
だから真っ赤な真実なのです。
この言葉の選び方に昨日再び脱帽したわけですが、
もちろん物語の文章もとても読みやすいです。
上述した思想の争いに関する説明も多いのですが、
そこはあまり苦になりません。
そうした状況の中で多感な少女たちが何を感じ生きていたのか。
その肝心な部分は、非常に素直な言葉で、しかも的確な言葉で書かれています。
どのような思想に生きようと関係なく、彼女たちの個性が生き生きと伝わってきます。
押しつけがましい感情はなく、彼女たちの気持ちがすんなりと理解できます。
こんな風に言葉を操りたいな、と改めて思った瞬間でした。
今日はこの辺で失礼します。