「よるバズ」を観て思い立ったので。

 

まず前提として言っておく。

僕はゴリゴリの「女性宮家」賛成派だ。

もちろん「女系天皇」も賛成。

このエントリーもその立場で書きますよ。

 

ネット世論を見ると、やっぱりどこを見ても

「女性宮家・女系天皇は朝鮮の血を入れたい反日左翼の主張」

だとか

「女性宮家・女系天皇はどこの馬の骨かも分からない男の王朝を作る危険思想」

だとかいう意見が主流だ。

僕にとっては非常に肩身が狭い。

 

この思想は、明治憲法下で初めて正式に採用された「万世一系」という言葉に由来する。

一説によれば、その言葉は山縣有朋の文章が初出だとか。

 

「万世一系」とは、男系をたどれば、すなわち父親をたどれば神武天皇に行き着く、という思想だ。

つまり、今の天皇陛下は、女性の皇族と一般人との間にできた子の子孫ではない、という考え方である。(そもそも神話をたどれば、神武天皇の祖先の天照大御神は女性の神やんけ!と突っ込んではいけない!)

今までずっと男系で来たんだから、これからも男系を続けなければならない、という話。

なるほど分かりやすいね。

 

まあ、実際のところ男系が続いたとされている説もあれば、「ここで途切れてるんじゃないの?」という疑義を挟む説もあるらしい。

そもそも、神武天皇は紀元前660年に即位したとも言われている、神話上でしか語られていない人物だ。

そんな時代、文献すらないわけで。

おかげさまで、専門家の意見も割れまくっている。

当たり前だけど僕も分からん!そもそも皇統について詳しくすらない!(と言うより、そんな重箱の隅を突くような話、皇室の根幹には関わらないので大して興味もない)

なのでこの際、本当に男系が続いていたの?などの皇室の歴史についてはここでは省くことにする。

 

今問題となっているのは、この「男系」というシステムを続けることによって、皇室が断絶してしまうのではないか、というものだ。

普通の家庭に置き換えて考えてみると、男系を存続させることがいかに難しいかが分かると思う。

例えば、僕の家系を例に挙げると、父方は3人兄弟で、女1人、男2人だ。

そして、兄の方からは男性の僕が産まれ、弟の方からは女性が2人生まれている。

つまり、僕が結婚して男子ができなければ、男系は断絶する。

こんなに短期間で見ても、断絶の危機が迫ってきてしまうのだ。

 

では、少なくとも分かっている範囲では、どうやって男系を存続させてきたのか。

かつては側室、すなわち一夫多妻制を取っていた。

つまり、複数人の妻のうち、1人でも男子を産むことができれば、男系は存続したのである。

 

しかし!そのシステムは現状の倫理観からするともう不可能!

いや、僕個人としては、天皇陛下がそれをお望みならばあるいは、とも思っている。

だが、もし側室を復活させたら、国内、ひいては世界のひんしゅくを買うことは間違いない。

ならば、側室復活は、皇室の権威の安定性という観点から事実上不可能と言えるだろう。

殆どの保守派の論客も、その点は一致している。

 

では、この問題を解決するために、どういった方策が講じられているか。

現状、出ている案としては

(1)男系継承の原則を撤廃し、「女性宮家」を創設して、「女系天皇」を容認すること

(2)GHQ統治下によって廃止された旧宮家を皇族復帰させること

と、大きく分けて2つがある。

 

では、1つ目の「女性宮家」から解説していく。

現在の皇室典範の制度上、女性の皇族は結婚したら民間に降ることになっている。

つまり、結婚した瞬間に、皇族ではなくなってしまう。

それを、結婚しても民間に降らず、皇室として残ってもらい、他の男性の皇族と同様に「宮家」を作ってもらう。

これが「女性宮家」だ。

 

「宮家」のイメージがわかない人は、まずは、「秋篠宮家」を思い浮かべてみてほしい。

おそらく、一般人が一番耳になじみのある宮家だろう。

「秋篠宮」とは、白髪に髭を蓄えたハンサムな顔立ちで、ニュースでもよく目にする文仁親王に対して贈られた「宮号」だ。

その文仁親王の奥さんが紀子さま。

この夫婦2人から産まれた子供は3人。

先日婚約が報道された眞子さまと、美人すぎると雑誌やネットで大人気の佳子さま。

そして、現在唯一の男系男子の「若君」である、悠仁さまだ。

「秋篠宮家」とは、この5人の皇族のことを指す。

 

ちなみに、今の皇太子殿下の宮号は「浩宮家」だけど、徳仁親王のことを「皇太子殿下」と呼称するし、家族も「雅子さま」「愛子さま」とそれぞれ名前で呼ぶから、あまりニュースで聞くことはないね。

もちろん「浩宮家」と言えば、この3人を指すことになる。

 

話を戻すと、要するに「女性宮家」とは、例えば眞子さまがそのままご結婚された場合に、「〇〇宮」という宮号を贈り、そのまま「〇〇宮」の当主として皇室に残ってもらう、ということである。

もちろん、産まれてくる子供は「女系」であるが、その子に対しても皇位継承の権利を与える。

こうすることによって、皇室の安定を図ろうというものだ。

 

この案のデメリットは、言うまでもなく「万世一系」が崩れてしまう、ということだ。

女系を認めてしまうと、かつての藤原氏のような「皇室乗っ取り」といった事件も想定される。

 

では、次の「旧宮家の皇族復帰」とはどのようなものか。

これも単純明快で、GHQ統治下において民間に降った11の宮家を活用することによって、皇統の断絶を防ごう、というものである。

活用の方法としては、3つほどが考えられる。

①旧宮家のうち同意を得られるものを、一斉に皇室として認めるというもの。

②旧宮家の男系男子を、皇族の誰かの養子として入れるというもの。

③旧宮家の男系男子が誰か女性の皇族と結婚することで、男系の途絶えない「女性宮家」を作るという、いわば女性宮家との折衷案。

 

では、これらのデメリットをそれぞれ述べていく。

 

①のデメリットは、70年も昔に皇族でなくなった人々について「今日からこの人たちが皇族です!」といきなり言われても、我々国民は納得して象徴と思うことができるか?という問題がある。

彼らは、現在においてはもはや民間人と変わらない。

中には、事件を起こして前科のある人までいるほどだ。

 

②のデメリットとしては、旧宮家の人に養子を差し出すこと・皇族の誰かに養子を取ることをそれぞれ強制する形になってしまうという倫理的側面と、①と同様の「そもそも70年も前に皇族じゃなくなった人の子」である、という心理的側面の2つが存在する。

 

③のデメリットは、誰か女性の皇族・旧宮家の男系男子に対して、それぞれに恋愛を経ない望まぬ結婚を強いることになりかねない、ということである。

 

そして(2)「旧宮家の皇族復帰」論すべてに言えるデメリットが、仮に宮家を増やしたところで、側室が居なければ最終的に男系男子が途絶えてしまう可能性を否定することができない、ということだ。

仮に宮家すべての男系男子が「男系の血を絶やしてはなるまい」と、(奥さんの母体に鞭打って)男子を増やすことに専念すればともかく、普通に過ごしていたら、いずれ途絶えてしまう可能性を否定することはできない。

結局は「女性宮家」創設を先送りしただけではないか?ということだ。

 

さて、大体お分かりいただけただろうか。

 

以下は僕の結論となるのだが、やはり僕は「女性宮家」を創設すべきだと思う。

もちろん、この結論に至った理由として(2)のデメリットは大きい。

特に②、③に至っては、ただでさえ制約されている皇室の人権を、さらに抑制する形となっている。

もしそうなってしまえば、一日本国民として本当に心苦しい。

また、現状において皇室に婿として入った人物がそのまま天皇に即位するわけでもないのに、「皇室乗っ取り」が起こるということが想定し辛いということもある。

異国人との結婚も、こんなことは言いたくないが宮内庁が認めないだろうから、一考に値しない。

 

ただ、理由はそれだけではない。

こちらの理由は、僕独自の考えであって、客観性を欠き、イデオロギーの強いものとなってしまうかもしれないが、あえて書かせてもらう。

天皇、ひいては皇室は、日本国民の「象徴」である。

これは、日本国憲法で定められているだけでなく、明治憲法以前からも変わらぬ皇室のあり方である。

ならば、「女性の社会進出」が「好ましい」とされている現代日本において、男性と同様に女性が宮家を作ること・男系と同様に女系の天皇を認めることというのは、「天皇」のあり方として正しいものなのではないか。

 

石器時代から昭和中期に至るまで、「男が働き、女は家庭を守る」というのがベーシックな日本のあり方であった。

しかし、客観的に見て、そのシステムは完全に転換期へと至っている。

保守的と言われる現政権でさえ「女性の活躍」を打ち出している。

右から左まで、これについて真っ向から否定しようと思う人は、もはや殆ど居ないだろう。

 

しかし、現在においても、日本は他国と比べて女性の社会進出が遅れているとされる。

各種の統計を見ても、それは明らかだ。

この原因の一つとして僕は、日本人の潜在意識として、天皇が「万世一系」であり「男性が務める」ということについて、何となく「当たり前」と思っていることがあるのではないか、と考えている。

 

皇室は、日本人・日本国の象徴である。

それはすなわち、日本人・日本国を映す鏡であり、また、日本人・日本国のあるべき姿を示す指針でもある。

現状として、天皇制がある側面において日本の針路に対してブレーキとなっているとするならば、それがアクセルと変化することは、自然の流れなのではないだろうか。

すなわち、「女性宮家」「女系天皇」は、現代の皇室のあるべき姿なのではないか。

僕は、そう思えてならない。

 

さて、長くなってしまったが、僕の思いとしては「女性宮家」問題について「賛成している奴は反日」「反対している奴は愛国」などという短絡的な考え方に、「保守派」こそ陥ってほしくない、ということである。

 

僕は、皇室が可能な限り続いてくれることを願っている。

それは、今も、昔も、これからも、日本人が心底において分断されることのないように見守り、祈っていてほしいということや、それこそ日本人の象徴としてあるべき姿を示してほしいということなど、様々な思いから出てくる願いだ。

もし、これが「保守」の考えではないとするなら、ぜひ反論を賜りたいものである。