火葬の日。




いろちゃんの周りに前日にみんなで選んだ花を並べた。



イロトリドリの花に囲まれたいろちゃん。



旦那がいろちゃんに優しく触れた。
私もいろちゃんに触れたいと頭に触れる。
冷たい。。
冷たいのが当たり前なんだけどその冷たさを感じるのが怖くていろちゃんに触れたのはこれが最後だった。



棺がそんなに大きくないから娘と折った折り紙は厳選して入れて残りはいろちゃんのお骨のそばに置いてあげようと取っておいた。



そして、娘と息子が使っていたダッフィーとシェリーメイのラトルと手作りのベビーシューズを添えて棺は娘が使っていたピンクのおくるみで包んで持った。





9時半に受付開始で9時半過ぎに火葬場に着いた。




私たちが1番目だった。



火葬許可証を渡すと『お腹にいた赤ちゃん?名前決めてらしたのかな?』と言われ、旦那が6ヶ月ですと電話で伝えたからてっきり6ヶ月の赤ちゃんだと思ったみたいで値段も変わりますと言われ、夫婦で『やっぱり』と納得した。



火葬は10時から行うので10時になったらこの札を持って火葬場に行ってくださいと言われ渡された札には『〇〇(苗字)心彩 胎児6ヶ月』と書かれていた気がする。




息子はあっちやこっちや歩き回る。
私の気持ちも落ち着かなかった。



あと数分でいろちゃんとお別れ。



ずっと棺を抱きしめていた。




10時になり火葬場に向かう。




入り口には男の人が立っていて、娘が名前の札を渡してくれた。




中に入るとすぐ、棺をここに置いてお焼香をしてお別れの言葉をかけてあげてくださいと言われた。



おくるみを外し、棺を置き、保冷剤を出した。



涙が溢れ出てくる。



娘と息子といろちゃんに合わせる。



旦那は息子を私は娘を抱っこした。



覗きこむ娘。



娘『こいろちゃん、お口開いてるね。赤いね。』



私『笑ってるみたいでしょ』



娘『うん、うまれてきてくれてありがとう!』





涙が止まらなくなった。




私『ありがとうね‼︎』



娘を思いっきり抱きしめながらいろちゃんに伝えた。




旦那も『ちゃんと天国行って幸せになってな』と泣いて声をかけてた。




娘がみんなからの手紙を棺に添えた。




お焼香をしてもう一度いろちゃんをみんなで囲った。




棺を火葬するであろう場所に置き直す。



男の人がこれで扉を閉めますと言われ泣きながら手を合わせた。




外に出る。




娘が『ママ大丈夫?泣いてるの?』と手を繋いでくれた。



待合室の二階の窓からいろちゃんが火葬されてる場所を眺めた。




曇っていた空に青空が見えた。




近くに感じたくてまた外に出る。



沢山ありがとうを心の中で呟いた。



娘が『こいろちゃん今お空に飛んでってるのかな』って『そうだね、今お空に向かって飛んでるんかもね』と言って青く晴れた空を一緒に眺めた。




4.50分経って放送で名前が呼ばれた。




また火葬する場所に戻った。



扉を開けると真ん中にいろちゃんが焼かれただろう大きい鉄板のようなものが置かれていた。




覗き込むとそこには小さい小さい骨がちゃんと沢山残っていた。




『骨ちゃんと残ったね。良かったぁ。』




そう呟くと焼いてくれた男の人も『ちゃんとしっかり残って良かったです。』と声をかけてくれた。




黙祷をしてからその人がいろちゃんの骨の説明を丁寧にしてくれた。




用意していた小さい骨壺。



こんなに小さいけど入りきるのかな?と思っていたけど思いのほかいろちゃんは骨になるとこんなにも小さいんだなと思った。
十分すぎるほどの大きさだ。




足から入れていく。



しっかりした綺麗な脚。娘が入れてくれた。



骨盤もしっかりあって、細くて細かい肋骨やシュッとした手の指の骨をも残さず入れた。



1番ビックリしたのは耳の骨。
あんなに小さくて18っ子特有の可愛い耳だったけどしっかり残っていた。


あっという間に小さい骨壺に収まってしまったけどこれでまた一緒にお家に居れると思った。



焼いてくれた男の人にお礼を言って外に出た。




空は青く、またみんなで空を見上げる。




死胎火葬許可証を貰って車に乗った。




私『なんか、あれからあっとゆーまだったね。』



そう言って、大学病院にベビードッグに行った日からこの日までが一瞬の出来事に思えた。




娘が『こいろちゃんもうお空に行ったかな。お空にはいっぱい赤ちゃんがいるから沢山お友達できるし、鬼さんが居てみんなでやっつけるねんで、でも鬼さんもいい鬼さんに変わるねん。』と言って気持ちが暖かくなった。




こいろちゃん。いつも笑ってお空から家族を見ててね。
1人になると泣いちゃうと思うけどママは大丈夫だから心配しないでね。
1度ママのとこに戻ってきてくれたからもう次はないかもしれないけどもしまた誰かがママとパパを選ぼうとしてたら大丈夫だよと言ってあげてね。
いろちゃんも次誰かのお腹に行く時はちゃんと元気な身体で生まれてきますように。
もし、ねぇねのお腹を選んでくれたらまた会おうね。その時は沢山一緒に笑おうね。



ママはこいろちゃんに沢山幸せにさせてもらったよ。いっぱい泣いたり悩んだりしたけどそれでも幸せが勝った。
ママのとこに来てくれてほんまにありがとう。




2020.7.31