呼ばれて経膣エコーをする。



顔を映してくれた。


先生『こことここね、切れてるとこ。口蓋裂もあるかな。口唇口蓋裂だね。』

先生『なかなかこっち向いてくれないなぁ〜こっちに向いてくれたらなぁ〜』

と言いながら私のお腹をグイグイ押す。

どんどん反対向いていく我が子。

きっとママとパパがびっくりするから顔見せたくないって思ったのかな。

ひたすらお腹をグイグイ押す先生。

さっきトイレ行ったはずなのにまた膀胱が…我慢する。。


なかなか向いてくれないから心臓を見始めた先生。


結構しっかり目にみてるが何がどうなってるとかは教えてはくれない。

先生『ん?ちょっとデベソやな。ここね、ちょっと出てるんやけど今の時期やとこれから中に入るかもしれんしそんな気にしなくてもいいかな。へその緒に嚢胞があるね。こことここ丸いのね。』


また顔に戻ると横を向いていた。
またお腹をグイグイ押して頑張ってくれてるものの私の膀胱に限界がきてた…。

たぶん先生はベストな4D写真を撮ってくれようとしたたんだと思う。

けど先生も諦めて『ちょっと仕切り直そうか。一回待合室で待ってて、準備できたら呼びます。』と。


10分ほど待って呼ばれた。


先生『今日みせてもらってわかることを話すとさっきも言ってた口唇口蓋裂ね。両側が切れててたぶん中が空洞になってる口蓋裂もあるから口唇口蓋裂だと思う。
でも今の医療では口唇口蓋裂は見た目もわからないくらい綺麗に治るから。鼻が口唇口蓋裂で変形してる場合があるけどこれもちゃんと綺麗に治してくれる。

心臓がね、4つの部屋がなくて1つなん。こんな感じで(先生がわかりやすく絵を描いてくれた)単心室っていうんやけどね、これは18週からちゃんと見ていって心臓外科の先生にも見てもらって出産前から手術の準備していけるしね。

あと、耳がね…低いんよね。普通、目の横に耳があると思うんやけどこの子は下の方にある。でもこれは個性やね。

ちょっと顎も小さい。

臍ヘルニアもあるけど小さいから無くなりそうな気するけどそれよりへその緒の嚢胞の方が気になるかな。』

最初は頑張って先生の説明を聞けていたが途中から涙が出てもうこの子は何かあるに違いないと思えた。

先生『この所見で21トリソミー…ダウン症やけどその可能性はないと思う。ダウン症より障害が重い13トリソミー、18トリソミー の可能性が高いかな。』

それを聞いた瞬間涙がもう止まらなくなっていた。

先生『数字で出すと21トリソミー1:7、18トリソミー 1:4、13トリソミー1:10て数字になるけどこれは無視していいから。確率を出すとこんな数字になるけど口唇口蓋裂やからどっちかとゆーと13トリソミーの可能性が高いかな。でも13トリソミーってもっと奇形が酷くて、単眼だったり、ツノが生えてたり、指も6本あったり。大体の子が流死産しちゃう。産まれても短命でダウン症みたいに長生きできない。今は5歳…10歳稀に生きれてる子もいるかもしれないけど大体1歳くらいには亡くなっちゃうかな。でもこの子、すごく元気。手足の指も5本ずつあったしね。今の段階でさっき言ったみたいな明らかな所見があったら僕は羊水検査を勧めないけど、この子は元気だし染色体異常じゃない可能性もあるから羊水検査で確定させた方がいいんじゃないかな』

私『お願いします。』

先生『染色体異常じゃなくても今行ってる〇〇先生のとこでは産めないと思うからもうこっちで診ることになると思うから。』


質問とかもできる状態じゃなかった。
頭が真っ白すぎて先生の説明を必死に聞いて理解するしかできなかった。

先生『とりあえず来週羊水検査をいつするか決めようか。○○先生のとこまた行くことある?』

私『来週の木曜日に…ベビードックの報告を…』

先生『たぶんそれより先に今日の報告○○先生に入れると思うけどとりあえず木曜日行ってもらって次の火曜日来て』

私『わかりました。』

先生『あ、ちょっと紹介したい人がいるからちょっと待合室でまた少し待っててくれるかな』



待合室の椅子に座ると

旦那『俺○○(私)より先に泣いてもーたわ』

旦那が泣いてた事、全然気づかなかった。
自分の気持ちをコントロールするのに必死だったのと先生の話を必死に聞いていたからだと思った。


私『まさかの…だったね。13トリソミーって…心臓も悪いって…』


浮腫がなくなって頭蓋骨もあるって言われて浮かれていた自分がバカバカしく思えた。


すると奥から女の人が走ってきた。


先生が紹介したい人。
心理看護師さんだった。

名刺を渡されて、今の思いだったり、疑問だったり何でもいいし話したいことや相談したいことがあったらいつでもメールして下さいと言ってくれた。

私達夫婦はきっとこの人がこれからの自分たちをサポートしてくれるんだと思った。
2人で『よろしくおねがいします。』と言った。


もうお昼の12時が過ぎていた。

2人で『子供達大丈夫かな?お義母さんからまだ?てすでに連絡ありそう』って話してたらタイミング良く旦那の電話が鳴った。


○○(息子)は泣いてないけどまだか?と。。

休憩する暇もなくお会計を済ませて車に乗った。


旦那が何か話しかけてきたけど全然耳に入らず、『何も考えられない』とゆーと旦那が『今は何も考えなくていいよ』と言ってくれてまた涙が溢れた。

『もし染色体異常じゃなかった方がさ…私耐えれる自信ない。小さい体に何度も手術させるなんて…耐えれない…』

旦那は『せやなぁ』と言った。

旦那も凄く動揺したと思うし話を聞くの辛かったと思う。


子供達を迎えに行くと2人とも笑顔で出迎えてくれた。
それが何よりもの救いだった。
自然と笑顔が出た。


義父母は一緒にご飯食べに行こうと誘ってくれたが行ける状態じゃないから旦那に断ってもらった。

帰り際やはり気になるのか義母は『赤ちゃん?赤ちゃんなの?』としつこく聞いてきた。


もう何なんだ‼︎ほっといてよ‼︎と言いたいところだったけど引きつった愛想笑いしかできず、旦那に目配せして、旦那が『またゆっくり話にくるわ』と言ってくれた。


自宅に帰って子供達と居ると2人が五体満足健康で産まれてきてくれた事のが奇跡なんじゃないかと思えた。


ここから希望が見えない日々が続いた。